「あなたといた時間」
◆「あなたといた時間」について
1995年、わたしが23歳だった時に発売された森口博子さんの「あなたといた時間」。フジテレビ系列で放送されていた『夢がMORIMORI』という番組の主題歌でした。森口博子さん、森脇健児さん、SMAPが出ていたバラエティー番組。当時はまだSMAPがメジャーじゃなくて、この番組を通して彼らが頭角を現わして行ったように思います。
作詞作曲は西脇唯さん。切ない歌詞とメロディーが女心をグッとつかむ曲が多いです。森口博子さんの透明感のある伸びやかな声が曲の世界観ととてもマッチしていて心に残る一曲です。
◆特に好きなメロディー
歌の出だしであり、サビでもある部分。「あなたといた時間がほんとに好きだった」と冒頭から切なさ全開。さらに「”また明日”と笑った 一緒に笑った」の部分で大切な時間を振り返りながらその切なさをたたみかけ、「”あの日だけが知ってる”」の「る」の音に涙が今にもあふれだしそうな悲しみが凝縮していて・・・。
ただただ”切ない”その一言につきるメロディーにいきなり引き込まれるのです。
◆心に響いた歌詞
”真昼の青空”の晴れやかで軽やかな、、明るさと、今まさにはじけよう(壊れよう)としている”私たちの恋”のどんよりとした重苦しい暗さの対比が切なくも美しい。向き合う2人の間に漂う緊迫感を思うと胸が苦しくなる。”はじける”という表現自体に切羽詰まった様子がうかがえるとともに、彼と彼女にとってこの別れの意味が異なっていることが絶妙に表されているようにも思います。
曲の歌詞を見ていくと、彼にはほかに好きな人ができている。その彼女と一緒に選んだのであろう見覚えのないシャツを彼は別れの場に着て来ている。
・・・曲の主人公の心情を想うと胸がはりさけそうになります・・・。一方別の彼女との恋に踏み出すために別れを選んだ彼にとっては、新しい恋が古い恋をはじけさせる”はずみ”になっています。
”はじけようとしている”
という表現の中に、彼のはずむ心と彼女のはりさけそうな心の対比が描かれているように感じて・・・。言葉の選び方がとても繊細かつ緻密だと思うのです。ギャップやコントラストが短い表現の中で光る歌詞。
◆この曲の思い出
仮面浪人していて大学を2度休学したわたしは当時大学3年生。コンパで知り合った大学院生の彼とつきあっていましたが、彼には遠距離恋愛をしている彼女がいて。
遠く離れても一途に彼のことを想っているであろう彼女の気持ちを考えると、略奪なんてとんでもない。彼との時間はかけがえのないものだったけれど、一緒にいればいるほど切なくなる・・・。不毛な恋はわたしから終わらせなくてはいけない。彼との別れを覚悟しようとしていた時期に流れてきたのがこの曲。
「あなたといた時間がほんとに好きだった」
何度一人切なく歌ったことか・・・。でもわたしと別れた後、彼は遠距離恋愛してた彼女とも別れ、わたしの友達とつきあったそうです。根っからの女好きだったもんなあ・・・。その事実を大学時代の友人に聞いて、心の奥底でくすぶっていた彼への想いはきれいさっぱり手放せました。若き日の苦い思い出です。
◆西洋占星術的メモ
歌唱力の高さもさることながら、バラエティーアイドル(バラドル)の先駆け的な存在として活躍されていた森口博子さんは1968年6月13日生まれ。オフィシャルな自分を表す太陽・闘志やモチベーションを表す火星・女性性や美や楽しみを表す金星が双子座です。
双子座といえば12星座の中でもトップクラスで話術にたけています。知性を表す水星が守護星である双子座はとにかく頭の回転が速く、柔軟性がある。広く浅くいろんなことに興味を持ち、話のネタとしてストック。ユーモアを交えて面白おかしくトークを展開する力が抜群。
双子座で密接に寄り添いあっている彼女の太陽・火星・金星に対して乙女座に位置する天王星と冥王星が90度。風のように自由に飛び回りたい水の星座の双子座に対して、地に足つけた地道な努力を良しとする地の星座の乙女座が横やりを入れる配置です。高校卒業前に所属事務所からリストラされかけた彼女が最初は乗り気ではなかったバラエティー番組で地道な努力を重ねていった結果、バラドルとしての知名度が上がり結果的に今も歌手として活動を続けているのは納得。
彼女の水星は蟹座。蟹座は模倣やマネが得意な星座。5歳の時に『ちびっこものまね紅白歌合戦』に初出場したのを皮切りに小学6年生までほぼ毎年出場していたそう(Wikipedia参照)。芸能界デビューした後も「ものまね王座決定戦」で工藤静香さんのものまねで優勝した彼女。仕事の能力も表す水星の蟹座パワーがしっかりと活かされています。
太陽と天王星・冥王星が90度の配置を持つ彼女。入籍して家庭に入るよりも、籍に関わらずほどよい距離を保てるパートナーシップが向いているかと。彼女自身が太陽のように光り輝き続けることを応援してくれる方が良いですね。彼女の幸せを心から願っています。
◆歌ってみました
原曲のキーで歌ったのですがわたしには若干高くて高音部にやや無理がありました。でもサビに向かってだんだんもりあがっていく感じ、サビで切なさ全開で歌う感じが歌っていて楽しかったです。
あれから27年。森口博子さんの歌声は今も色あせることなく、むしろ年を重ねるごとに輝きを増しているように感じます。先日コロナ感染でラジオやコンサート出演を見合されたそうですが、どうかお大事になさってくださいませ。これからも博子さんのますますのご活躍を応援しています。