スウィートサイド
午後四時の水飲み場から飛び出したとにかくきみは金色だった
アーチェリー日本代表選手団合宿参加中わがキューピッド
苦しさをICカードにチャージして会うたびピッと減ればいいのに
目を閉じるあなたが見える目を開けるあなたはいない 証明終わり
放課後のげた箱はカレンダーみたい三月三日に手紙をいれる
ひとつだけ聞きたいことがあるんです 月は、月はどんな感じですか
この星の楕円軌道をぐるぐると回る衛星がきれいですね
落ち着いて驚かないで聞いてくれ実は前から君がすっすす
冬よ来いつなぐ手を暖めるため手袋じゃなくコートを買おう
満月を爪でかりかり剥がしてる雨の日君の窓に貼るから
手のひらが思ったよりも大きくて指は意外と短いんだね
滑らせる人差し指を止めるのは君も知らない背中のほくろ
天窓があったら青いセロファンを貼ってあなたに電話をかける
西口のローソンの前早く来て傘をくれなきゃ溶けるたすけて
泣かないで欲しいものならあげるから僕の両手は君に見えない
手をつなぎたいとかキスをしたいとか聞いたことない言葉で云って
ストローを噛みながら二度うなづいたうそでもほんとでもない言葉
キスマーク舌がしびれるほどつけてじんましんかってくらいつけて
天井のスプリンクラーに見られてるやわらかい指やわらかい腹
星なんて見てない泣いてない何も知らないあなたなんていらない