第2夜:見積りと積算
皆さんこんばんわ。
きゃぷてん中洲です。
今日も楽しくクソ図面と格闘してきました笑
Twitter(Xってどうしても馴染めないなぁ)にも書いたんですけど、設計が竣工図のチェックバックのメールで
「設計図をそのまま流用してるから変更箇所と不整合が発生してます!ちゃんとやってください!」
とかぬかしやがるんですが、いや……そこ設計図の段階ですでに不整合だったんだけどな笑
見積りと図面って切っても切れない関係にあるんですが、まともに図面が描けない設計ってホント多いんですよ。
勿論、それにも設計がボンクラという以外の理由はあったりするんですがね🤔
さて、前回は『良い見積りとは?』というざっくりした話と、お客と見積り金額の交渉をする際にガイドになる数字が『積算原価』だよ、という話をしたのですが、
積算て何やねん🤔
という事でまずは言葉の定義から
先に見積りとは?ということで見てみますと
見積(みつもり。 見積り、見積もりとも書く)とは、金額・量・期間・行動を前もって概算すること。 見積もること。 あらましの計算をすること。(Weblio辞書より)
だそうです。
この短い説明の中にとても大切なワードがあるんですが、詳しく説明すると話が横滑りしていくので今回は割愛。
要するに工事見積りの場合、
この工事をするにはこのくらい費用が掛かりますよ
という価格提示な訳です。
では、一方の積算原価、つまり『積算』って何ですか?という話ですが。
同じくWeblio辞書……にはなかったのでWikipediaによると
建設業界では、歩掛(材料費・労務費・機械経費など)に基づき構成する費用を積み上げ、全体の事業費を計算する方法またはその業務のことをいう。
だそうです。
つまり、工事をするのに必要な金額を積み上げて原価計算をするのが『積算』で、それにお客から頂戴したい利益を乗せたものが『見積り』という訳です。
ちなみにおいらが弊社で所属している部署は「設計積算課」であって、見積課ではありません。
いや、仕事として見積書を仕上げるところまでやってるんですが、最終的にお客に提出する見積価格を決めるのは営業さんだったり工事課の担当さんであって、おいらたち積算の人間ではないのです。
まぁ、ここを読んでる方の中にはそんなにハッキリ職掌が分離されてなくて、見積り作成全般をやられてる方も多いかなと思います。
ただ、見積りは自分たちが「この工事はこれくらいのコストが掛かるし、利益もこれくらい欲しいよな」と思ったからと言って、積算原価に欲しい利益を乗せたモノが必ず通用する訳ではありません。
お客の予算だったり競合他社の横槍だったり様々な要素が絡んで決まるものです。
しかし、積算は違います。
工事方法が同じなら、材料費が同じなら、人件費が同じなら、基本的に積算原価も同じ筈です。
(実際には諸事情あって会社や場合によっては担当者ごとにブレは生じますが)
ところが、競合他社の見積り価格を聞いたら弊社の積算原価以下だったり、逆に何をどうすればそんなぼ〇たくり価格になるんだって事が日常茶飯事なのです。
どうしてこんな事が起きるのか🤔
理由はいろいろあると思うんですけど、たまに他社が作った見積書を見る機会があって(そんなに珍しい事ではないです)中身を眺めると「ああ……なるほどねー」と目が点になる事が多いです。
考えてみてください。
Aさんは見積書を作る時に、まずどんな工事をするのかを確認して、どんな材料が必要なのかを拾い出して、職人さんが何人必要なのかを割り出して、それを元に積算原価を弾き出します。
Bさんは見積書を作る時に、工事の内容を大体のところで把握して、値の張りそうな機材だけ問屋さんに値段を聞いて、工事予定の日数にスケジュールが空いてる職人さんの人数を掛けて人件費を決めて原価を弾き出します。
勿論、長年の経験とカンでびっくりするくらいドンピシャの数字を出してくる人もいます。
でも、それは誰にでも出来ることではないですし、当の本人でも毎回出来るモノではないでしょう。
そういう再現性のない方法ではなく、誰でもやり方と考え方を身につければある程度までは精度の高い原価計算をする方法。
おいらは積算とはそういう仕事だと思っています。
弊社は歴史はそれなりにありますが年商数億程度の、電気屋としてはそれほど大きな会社ではありません。
そんな会社で、先ごろ引退した前会長(創業者)の口癖は
『積算が会社の要』
でした。
ガラは良くなくバワハラ三昧の贔屓目に見ても碌でもない昭和の爺でしたが、慧眼だなとおいらは思ってます笑
話が取り留めもない方向に転がってるのでこの辺で〆ますけど、第1夜で触れた『良い見積り』を作るには『良い積算』をする必要がある、という事だけ言わせてください。
次回はその『良い積算って何だ?』という話をしたいと思います。
乞うご期待。