希少な総石積みのトンネル 旧行合隧道
旧道に埋もれた石積みの隧道を探したときの記録。参考にしたブログなどはどこも正式名称は不明としており、現道が行合隧道なので便宜的に旧行合隧道と呼ぶ方が多い。
参考にした動画やブログ
入口
上総興津駅から25分くらい歩いたところ、写真左奥に行合隧道がある。右手前にあるのが入口。
不法投棄防止のための柵が目印。
竹藪に覆われつつある道をなんとか頑張って進む。
竹藪地帯を越えると、杉林の中に砂利敷の舗装路が現れる。
谷地形が左右にのびており、トンネルは左にある。
坑口が見える。
坑口
巨大な切り割りの中央に坑口が見える。側面からの落石でだいぶ埋まっていた。
仮称・旧行合隧道。
穿った穴の中にアーチがぴったりはまるように加工された石材。
アーチの要、要石。ちょっとだけ縁取りされて特別感ある石材になっている。
内部へ
詳しい地質は分からないが、風蝕に弱い砂質の切石を用いている。地元産の磯石だろうか。表面が風化して剥がれたみたいになっている。
下の方の石材はノミかなんかの加工痕が残存している。
振り返ると崩落した瓦礫の厚さがわかる。
電線とか照明を掛けたと思われる金具。
接着剤だけ風化せずに残った結果凹んだように見える石材たち。
参考画像。これは太海漁港の石垣で、よく似た風化の仕方をしている。
向こう側が見えてきた。
脱出
どうしようもないくらい土砂が流れ込んでいる。
土砂に紛れて石材が落ちている。トンネルに欠けはないようだが…?
人ひとり分の隙間。
細かい礫に足を取られながら脱出。
こちら側も深い切り割りになっている。
数歩進んで振り返るだけで坑口が見えなくなる。
坑口の上部には苔とシダ植物が茂っており、よく見るとここにも石材が積んである。
周りの白い面は崩落した跡で、中央の緑色のゾーンが石積み。崩落防止と思われ、苔むすほど状態が変わってないということはその役割を存分に果たしていることがわかる。坑内にあった石材はここから落下したものだろう。
上部の斜面からも土砂が落ちたのかもしれない。
トンネルを出てしばらくすると海がチラッと見える(白飛びしているあたり)。
現道に合流。
浜行川集落へ
トンネルの向こうにある集落。さっきのトンネルを通ってこの集落にアクセスしていた時期もあったはずだ。
集落で見かけた石垣。苔むしてはいるが似たような石材を使っている。
行った日:2025-01-02