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【新作メモ】フランシス クルジャン コローニュ フォルテ コレクション

メゾン フランシス クルジャンの人気のアクア フレグランスに、澄んだ光と色彩を感じさせる輝きあふれる爽やかなコローニュ フォルテ コレクションが2021年5月12日に発売された。

コンセプトはコロンのような軽い香り立ちが、フォルテのように強く長く続く。オードトワレ、フォルテとの比較も兼ねて、香りをチェックしてみた。


香りの忘備録

①アクア ユニヴェルサリス コローニュ フォルテ

清らかな白の輝き。澄み渡るイノセントな白の輝きと、心地よい爽やかさ。光がもたらす感情のパレットを表現した、透明感あふれるボトル。

メゾン フランシス クルジャンの代表作アクア ユニヴェルサリスは、清々しいシトラスと上品なフローラル、そして清潔感溢れるムスクやウッディの、まるで上質なリネンに包まれたような、とても嗜好性の高い香り。
フォルテもその延長線上で、さらにフローラルのパワーを高めたようなフォルテの名にふさわしい香りだ。

コローニュフォルテのトップは、レモンのような爽やかなベルガモットと、そのベルガモットの皮の色を彷彿させる青みを合わせた香り。
ところが、徐々にこの果皮の青みがエグみとなってはっきりと顔を出してくる。この爽やかさとエグみがはっきり2層になっていく。
上の方は754にも似たシトラスと軽いフローラルが合わさった清々しい香り。一方で下の方はオゾンが加わったことで油っぽいエグみ、さらには粉っぽいムスクやウッディが重なり、全体的にとても暗い香りになっていく。

最後はトワレに似た清潔なムスクやウッディで強引にまとめていくものの、メタリックなエグみもしっかり残っていて、嗜好はあまり良くない。

あくまで紙だけのチェックのため、正確な香り方は分からない。でも、どうしたユニヴェル、クルジャンと首をかしげてしまうような香りにみえる。

個人的な好みは、フォルテ>トワレ>>>>コローニュの順。


②アクア ヴィタエ コローニュ フォルテ

花と果実を照らす太陽の光。快活なベルガモットとマンダリンの香りが誘うのは、太陽がもっとも明るく世界を照らす昼下がりをイメージした、オレンジ色の輝くボトル。

そもそもアクア ヴィタエはトワレとフォルテの香りはかなり異なる。
トワレは爽やかなシトラスをメインに、ピリッとしたスパイシーとバニラの甘さを合わせたややメンズ寄りの香り(少しアリュール オムに似てる?)に対して、フォルテはそのシトラスに眩いほどのイランイランを効かせた明るく女性らしい香りだ。
そして新作コローニュはそのどちらにも近くないのではと感じた。

トップはみずみずしいベルガモットとジューシーなマンダリン。スプレーした瞬間、空気がパッと明るくなるようなとても気持ちの良い香り。

そこから、透明感のオレンジフラワーや女性らしいジャスミンに少しイランイランのみずみずしさを加えたようなフローラルミックス。まるでオレンジ色のボトルのように輝いている。

ところが少しずつ様相が変わってくる。アルデヒドのようなパウダリーや粉っぽいムスクが、ジャスミンの生臭さを目立たせ、さらに暗いサンダルウッドが、太陽のような明るさに影を落としていく。
実際に肌に乗せていないため、もしかすると肌に合わせると、フォルテのように明るいフローラル部分がもっと拡散のかもしれない。

フォルテ同様、女性向きの香りで、春から夏にかけての日中に似合う香りだと思う。

個人的な好みは、トワレ>フォルテ>コローニュの順。


③アクア セレスティア コローニュ

空と海の青がとけあう彼方、淡い光を反射するブルーを思わせる香りをイメージした、透明感のある美しいボトル。

トップはやはり2作同様、ベルガモットがかなり主張するものの、それ以上にカシスリッチな香り立ち。シトラスがフォルテよりも柔らかいため、カシスの青さが引き立っている。

そこから、カシスのグリーンを残しながら、ウォータリーなミモザや淡いジャスミンのフローラル感が出てくる。
フォルテよりもアクアティック感が抑えられているため、トワレのイメージに近い。
最後はそのフローラルグリーンをムスクが包み込んでいく。

コローニュ3作のなかで、もっともコンセプトを体現した香りだと思う。
トワレのウォータリーなフローラル感と、フォルテの爽快で力強いグリーン感のちょうど中間を狙ったような印象で、トワレだと香り全体が淡すぎる、逆にフォルテだとグリーンやアクアが強すぎるという要望に応えたような香りで、トワレやフォルテよりも使いやすい香りのではと感じる。

だた一点、トワレとフォルテにあったミントグリーンの冷たさがなくなり、かなりベルガモットやカシスの青さに頼ってしまった点がもったいない。

個人的な好みは、フォルテ>コローニュ>トワレの順。


まとめ

アクア コレクションをそのまま表現したような美しいボトル、そしてコロンのような香りがフォルテのように持続する、まさに良いところ取りのコンセプト。期待は大きかったが、現行品を越えてくるような香りではないのではと思う。
全体的にトップを分かりやすくキャッチーにして、ベースをしっかり残すためパワフルにした結果、香りがややちぐはぐに感じてしまう。フォルテのように特にミドルをパワーアップした方が、香りがまとまるため、個人的には好みだ。

3作のなかでは、アクア セレスティア コローニュがもっとも良かった。
セレスティアのフォルテは、香りは抜群に良いけれど、肌に乗せるととにかく香りが拡散するので、若干の使いにくさもある。
このコローニュはそのへんのバランスが整えられているため、使いやすいのではと思う。
ちなみに店頭ではこのセレスティアが一番人気とのこと。

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