Pの特技を発見

うちの職場は、気が付けばマラソンブームが起きていた。

走って出勤するものもいれば
昼休みに走りに行くのもいる。

大会にでようぜ!
っていう誰かの一言で、9月の大会に全員で出ることになった。

Pももう1人の新人もほぼ強制的に参加が決まった。

休日はみんなで練習しようと言うことになった。

陸上部だったものがメニューを考える。

彼はそこそこの成績(自分では3流と言っていた)だったので信頼できる。

最初はLSDで徐々に距離を伸ばしていく。
会話をしながら楽しく汗をかいた。

2ヶ月ほどして、山登りをしようと言うことになった。
職場近くにある300mくらいの山

「体力も付いたし行けるだろう。」
「300m位だし大したことはない」
みんなそう思った。

いざスタートするとみんな300mくらいで息が上がり、汗ダクになってしまう。

「これ…頂上まで行けるかな…」

陸上部のものとPは快調に飛ばす。
もう見えなくなってしまった…

約1時間半かけて何とか山頂に到着すると、陸上部とPが談笑していたが
こちらに気付いて、開口一番
「遅い!身体が冷えたw」

彼らは1時間掛からないで登ったらしい。

山頂から景色を眺めながら
みんなで話をしていると、陸上部が
「Pに負けた…」と漏らした。

え?

フルマラソン3時間前半で走る陸上部に勝っただと!?

Pは学生時代、これといった部活はやってなかったと言っていたので本当に驚いた。

平地トレーニングもスピードを上げる練習もやるようになると
Pの独壇場だった。

走る事は好きではないが
みんなと和気藹々と走る時間が好きだと言っていた。

大会はハーフに出場する事にした。

結果はPと陸上部が1時間10分くらい。

またしてもPが勝った。

陸上部は悔しい部分もあったが、同じ職場で競い合える仲間ができて嬉しそうだった。


その夜、よく行く居酒屋で打ち上げをした。


乾杯のあとのビールがとても美味しかった。

が、

Pは乾杯の1杯で寝てしまったw

酒は苦手なようである。

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