オフィスを捨てよ!町に出よ!出張オフィス湘南編
「遊(あそ)ビジネス」という経営理念で起業して早17年。
これは“仕事を遊びのように楽しく、遊びも仕事のように真剣に“という意味だ。
この経営理念にしていなかったら、きっと利益のみを追求するつまらない会社になっていたと思う。
実際に、長期に渡り経営をしていると、合理を追求すると非合理的になり、非合理なことが合理的になることが良くあるのだ。
つい先日も「デスクワークでは学べないことがフィールドワークにはある!事務所を飛び出して外に出よう!」と、湘南のレンタルスペースを借りて、その日はそこで仕事をすることにした。
もちろん、コッソリとトランプをカバンに忍ばせて・・
続々と片瀬江ノ島駅にスタッフが集合してくる感じは、どこか学生時代の待ち合わせを思い出す。
もちろん、直前までザンザンに降っていた雨も集合時間の11時ピッタリに止み、晴れ男伝説をまた一つ刻むことも忘れない。
さて、海を横目にランチを食べ、いざレンタルスペースへと一歩踏み入れると…
なんてことでしょう!
江ノ島と海と青空という素晴らしい景色が私たちの目に飛び込んできたのです!
「これよこれ!この非日常な感じが新たな閃きを降臨させるのよ!」
と、すでに今回の計画の成功を確信した。
それが証拠に、通常であれば軽く3時間はかかるであろう業務を、鬼のタイピングとチームプレイで1時間半で終わらせることが出来た。
さて、こうなったら、いよいよ本番の企画会議!
など、やる訳もなくトランプの出番!
「地頭の良さと運を試される大富豪でもやろうじゃないの!」
と、当然そうなるのがカプセルZなのだ。
タケウチくんは早くも「雀聖と呼ばれた男」の印南(いんなみ)のような悪鬼の如き形相でトランプを配り始めている。
一方で、若い子たちは「Jリバースはあり?」とか「8切りは?」と謎の平成ルールを追加しはじめた。
すると一斉に昭和生まれの男たちが、ジョブチューンの審査員のように隣の人と「8切りはマストでしょうね?」「うむ。当然そうなるでしょうな。」と、知ったかぶりをして周りを牽制する。
しかし、その知ったかぶりが仇となり次々と爆死する昭和世代。
改めて世代交代を再確認することとなった。
さて、そんなこんなで「そろそろ帰るかー!」と、バルコニーに出てみると江ノ島が夕暮れに包まれていた。
マジックアワーのピンクとブルーのグラデーションの中、駅へと歩いている時に、「このメンバーとは一生付き合っていきたいからカプセルZは絶対に潰さないぞ!」と密かに誓った。
作業効率や生産性だけを求める会社作りをしていたら、こんな風には思えなかったかもしれないし、つくづく「遊(あそ)ビジネス」という経営理念にして良かったと思う。
そして今回の目的であった「新たな閃き」とやらは降臨してこなかったことを最後に白状し筆を置こうと思う。
(おわり)