思い付き文章:「キャップ野球」における「パーム」とはなにか

はじめましての皆様、こんにちは。
Twitter等フォローいただいている皆様、お世話に
なっております。
北大キャップ投げサークルに所属しております
「ひざ」です。

私はキャップ投げ/キャップ野球という、ここ数年発展してきたスポーツに打ち込んでおります。
今日は表題の通りある「変化球」…いや「変化蓋」の話をまとめました。
なお、このスポーツを知らない方の頭の中に「?」を大量発生させているかと思いますので、もしよければ以下の動画をご覧になっていただいてからお読み
いただけますと幸いです。


「変化球」から「変化蓋」へ

野球において投手が速球と変化球の両方を使いこなすように、キャップ野球においても日々"変化蓋"の研究が続けられている。
スライダー、カーブといった巷間に知られた変化球はもちろん、カット、サークルチェンジ等のマイナーな変化球、果ては現代の魔球と称されるナックルまで「変化蓋」として輸入されている。

しかし、本日主題とさせていただいたとある球種―「パームボール」については、この流れから遅れて
いるように感じる。

キャップ野球における「パーム」を定義する

まず「パームボール」とはなにか。「パーム(palm)」は「手のひら(で包み込めるもの)」を意味しており、その名の通りボールを手のひらで包み込むようにして投じる球種である。


これにしたがってキャップ野球の「パーム」を定義すると、

「手のひらで蓋を包み込んで投じる変化蓋」


ということになる(仮にこれを定義①とする)。

しかし、これには重大な欠点がある。
キャップ野球に使用する蓋は直径28mm前後、一方の野球ボール(M号球)は直径72mmと倍以上の差がある。
重さの差はさらに顕著で、蓋は1個約2.5gに対して、
野球ボールは約137gもある。
何が言いたいかといえば、キャップはあまりにも軽く小さいため、ただ勢いに任せて放り投げるだけでは
うまく飛ばせない
のである。飛ばしたり投げたりするのに向いている素材ではないのかもしれない。

下に引用した動画はキャップ投げの基本となる投法の解説であるが、小さく軽い蓋を指で弾く工夫を加える
ことで、フリスビーのように回転/速度を与えて前へ
飛ばしているのである。


ここでパームの話に戻るが、定義①の投げ方では、
キャップに安定した回転も速度もつけられない

これは先日パームを実際に投げようとした時の握りを写真に残したものである。
手のひらでは蓋を弾けないため速度やコントロールを安定させることが難しく、定義①のパームは失敗に
終わってしまった。

軌道による定義

前段では、「パームボール」の投げ方を当てはめる
ことでキャップ野球の「パーム」を定義することを
試みた。しかしキャップ野球の変化蓋においては、
握り方以上に「変化の軌道」を重視する向きが強い。

例えばキャップ野球において「フォーク」を投じる
投手は一定数いるが、実際の野球のように二本指で
蓋を挟んでいる選手は(見聞きした範囲で)皆無だ。

【写真】
そこで、パームについてもどのように握るかではなく「どのように曲がるか」を主眼に定義し直す。


この動画を見るかぎり、パームの特徴と言えるのは
次の1,2であり、場合によっては3も当てはまることが
あるようだ。


1.速球との球速差が20~30kmほどある≒遅い変化球

2.落ちる変化球である

3.利き腕逆斜め方向(カーブ方向)の変化が加わる

つまり、

「縦に落ちる(+若干カーブする)遅い蓋」


をキャップ野球における「パーム」と定義することができる(これを定義②とする)。
条件がこれだけになれば指で弾く投げ方でもよい。
定義①と比べれば格段に投げやすくなるが、それでも問題は残る。

チェンジアップとの差別化が出来ないのである。

実際の野球と同様に、キャップ野球においても
チェンジアップを使う投手は多い。軌道や速さも
十人十色であるが、大まかに特徴をまとめると
スピードが遅く、縦に落ちる変化蓋」となる。

(チェンジアップも奥が深い変化蓋だが、今は割愛
 させていただく。)

すでにお気づきだろうが、この特徴はパームと
非常によく似ている
のである。

野球であれば「手のひらで包んでいるからパーム」「指にかけているからチェンジアップ」と差別化
出来るが、この定義ではそういった区分けも不可能になってしまう。

結論

キャップ野球における「パーム」を投げ方/軌道の両面
から考えてみたが、実用的かつ他球種と区別できる
状態に持っていくことはなかなか難しいのではないかと思う。
Twitterの方でもパームについての話題を少し出して
みたが、実際に投げられる/投げたことがあるという
方はごく少数であった。
しかしこれはある意味チャンスでもある。この変化蓋はまだ未開拓の蓋種でありとんでもないポテンシャルを秘めているかもしれない。つまり、いまパームを
マスターすれば、唯一無二の好投手になれる可能性がある
のだ。

ここまで読んでくださった皆様、

キャップ野球でパームを投げてみませんか?



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