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「新人作家杉浦李奈の推論Ⅳ」松岡圭祐著

「新人作家杉浦李奈の推論Ⅳ」副題は「シンデレラはどこに」とある。松岡圭祐氏の小説はひき付けられる。

ストーリーが魅力的だ

まずストーリが面白い。何がどうつながっていくのか?さっぱりわからない。この本は新人作家REN氏が大量出版し、ヒットを量産する。その小説があまり売れていない?作家のあまり日の目を見ていない小説のパクリ疑惑がおこる。

そのさなかに鍬谷准教授が死亡する。これは事故か事件か?シンデレラの原本を見つけたと言い、論文を書いて教授をめざそうとしたさ中だ。

さらに杉浦李奈にシンデレラに関わる脅迫メールが届く。

一見ばらばらに見える幾つもの事件が終盤で見事にまとまるのだ。圧巻のストーリーテラーだ。

氏の知識やうんちくは膨大で深い

シンデレラ伝説は世界中に古代から存在しているとのこと。ドイツのグリム童話、ペロー「サンドリヨン」、中東の「薔薇姫」、などなど。うんちくが語られる。

さらにAIによるテキストマイニングの技術や手法に及ぶまでのうんちくはすごい。

ところがナリラウギスとか出てくるから、どこまで本当で、どこから空想花わからない。興味を持ったのなら、自分で調べてみるしかない。

続編が楽しみなシリーズ

杉浦李奈の推論シリーズ、続編が楽しみだ。今回の倒錯疑惑のREN氏の大量出版なみに小説を大量出版している松岡圭祐氏。そのどれもがオリジナリティにあふれていて、はずれがない。催眠、千里眼、特等添乗員αの難事件、万能鑑定士Qの事件簿、みな魅力的だ。そしてどれにも松岡圭祐氏らしさ、個性があふれている。

続編が読みたい。タイトルにもなっている杉浦李奈は売れない作家という設定だ。ノンフィクションも出版している。本人は小説が書きたいようだ。「トウモロコシの粒は偶数」をぜひ読んでみたい。


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