ごめんね
誕生日にくれたブレスレット
ごめんね
喧嘩して壊したね
サプライズで連れて行ってくれた夕日の丘
ごめんね
その映画見たことないんだ
隣で寝ていたあなたの眼鏡
ごめんね
ティッシュで拭いたらコーティングが剥げて
そのあと寝ぼけて踏んづけたっけ
部屋の真ん中でゴミ箱を抱えて
「緑膿菌が…」と言いながら嗚咽してたあなた
ごめんね
何じゃそりゃって思ったよ
これを言ったら傷つくって
とどめさすことわかってたけど
ごめんね
それでも言わずにいられなかったよ
あの頃はなんで私ばかりって思ってたけど
こういう小さな出来事思い出したら
全然違ったなって気づいたよ
きっとあなたは嫌だっただろうな
でも私は楽しかったんだ
ただ一緒にいるだけの時間が
あなたと居る時は
そのままの自分でいていいのかもしれないと
初めて思えたんだ
散々自分で別れの種を蒔いておいて
いざ二股されて
別れを切り出されたら狼狽えて
理由を聞いたら「彼女の顔が好み」って言われて
ものすごくムカついたけど
それなら仕方ないなって
妙に納得しちゃったんだよね
今考えればその理由も
考えすぎで自尊心の高い私が
一番傷つかない方法を
選んでくれてたのかもしれないね
…いや、それはないか。
何がいけなかったんだろう。
どこから違ったんだろう。
人を好きになるって何だろう。
あんなに楽しかったのにな。
共有していた思い出に触れるのは今でもまだ怖いです。
でもやっと思い出を辿って、冷静に少しずつ振り返ることが出来るようになってきたよ。20年もかかっちゃったけどね。
でも相変わらず人を好きになるということはよくわからないままです。
それと誰かのための自分でいることから抜け出せないままでいます。
ある人の書き物を読んでいたら、あなたのことが記憶の引き出しからじゃんじゃん出てきちゃって、なんだか胸の奥と脳がぐわっと揺れました。なんか急にごめんね。
温かいジャスミン茶飲んで寝ます。
幸せでいてください。
それでは。