【旅ごはん・散歩ごはん】 とんかつ福与志 (東京・秋葉原)
時々無性にカツカレーが食べたくなることがある。特にカレー屋のカツカレーではなく、とんかつ屋のカツカレーが。そんな時、都内であればまず頭に浮かぶ店が3店ある。神保町のキッチン南海、八丁堀のロダン、そして秋葉原のとんかつ福与志である。その中でも最も一般的で家庭的なカツカレーのイメージに近いのは福与志ではないかと思う。
秋葉原駅から高速の下を南北に貫く昭和通りを東へ向かい、一本目の路地の目立たないところに福与志がある。目立たないが、お昼時に行くといつも列が出来ているから判り易いかもしれない。今回はピークが一段落した13時半頃にお邪魔したので待つことなく入店できた。訪問したのは6月とは言え日差しの強い真夏日だったので、すぐ店内に入れたのは嬉しい。店内には小さ目のテーブル席が5卓程。席に着き、カツカレーを注文。勿論揚げ物系のメニューが充実しているが、ここはカツカレー一択で。
運ばれてきたカレーは、とろみのあるカレーと衣がサクサクに揚がったとんかつがご飯の上に鎮座し、千切りキャベツと福神漬けが添えられているという、いかにも日本式カツカレーの定番といった見た目。昔ながらの定番ど真ん中という様相を示している。カレーは中辛というところか。こちらも日本風カレーの真ん中という感じで家庭で食べるカレーを思い起こさせる。こういうところも、カレー屋のカツカレーではなく、とんかつ屋のカツカレーという感じがする。まさに安心のカツカレーだ。ちなみに、神保町のキッチン南海でもライスの脇にキャベツが山盛りに添えられているが、僕はこういう時はまずキャベツを食べきってからカツカレーと対峙する事にしている。野菜を先に食べたほうが良いという説もあるが、それ以上にキャベツからの水分がライスに出てくるのが嫌なのだ。だから慌ててキャベツを食べ、そして心穏やかにカツカレーを戴くのだ。今回もその作法に従い、しっかりとカツカレーを味わう。ロース肉の脂の部分が特に好き。カツカレー欲が満たされて大満足。
食後は秋葉原界隈を少しぶらぶら歩く。秋葉原も最近はそんなに頻繁には訪れなくなった。学生の頃はオーディオ機器や珍しいCDを買いに、その後はPCのパーツを買いに来て、自分なりにカスタマイズしたPCを作っていたが、市販のPC、特にノートPCの性能が上がり、PCを自作するメリットが少なくなった事もあり、PCのパーツを扱う店も少なくなり、秋葉原に来る動機もだいぶ低くなっている。今の秋葉原はアニメの街といった感じなのか、余り僕の興味の対象ではなくなってしまった。そんな最近の秋葉原でちょっと面白いと思っている場所は秋葉原の北、JR山手線の高架下にある日本百貨店。ここでは日本各地のローカルな食材、特に調味料やご飯の友が色々と売られている。今日もまずはちょっと覗いて、良さそうなご飯の友でも買っていこう。