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【気になるあの人にインタビューしてみた 第二弾】ちいさなぱんや店主:小宮山洋子さん〜「ありがとう」に込められた沢山の意味〜

こんにちは!Sakiです。
【女性の生き方研究所】と称し、
現代を生きる身近な女性たちにスポットを当てる企画の第二弾が実現できました!
インタビューを受けてくださる方々にひたすら感謝しつつ、執筆する日々です。

タイトルの【気になるあの人にインタビューしてみた!】ってなあに?

みなさんは身の周りに、ちょっと気になるあの人はいませんか?
私にはいます!
稼ぎ、年齢に関係なく、自立した女性です。

あとは私の直感でこの人だ!という方へインタビューのオファーを申し出ています。
今のところ第四弾まで予定が決まっているのがそもそもすごいと第四弾のインタビュー予定の知人に言われました。
そうですよね…あまり面識がない人にいきなりインタビュー持ちかけられたらビックリしますよね笑

皆様のご厚意でこの企画は成り立っております。
感謝しつつ、精進いたします!

インタビュー第二弾:『ちいさなぱんや』店主、小宮山洋子さんのご紹介


今回は地域に根付いたパン屋さん、「ちいさなぱんや」を営んでいる小宮山洋子(コミヤマヨウコ)さんにインタビューをお願いいたしました。

このインタビューも私が「ちいさなぱんや」さんに向かって歩いている時に、急に閃いてインタビューを申し出てみようと思いついたのです。
思い切ってパンを買った後にインタビューのオファーをしました。

戸惑いながらもオファーを受けてくださった小宮山さんに大変感謝しております。

また、小宮山さんがご縁を繋いでくださったお陰様で第三弾のインタビューも決まっております。
お楽しみに!

以下太字が小宮山さんのお言葉です。

小宮山さんが『ちいさなぱんや』を始めたきっかけ


まずは『ちいさなぱんや』を始めたきっかけの話を伺いました。

「もともとちいさなぱんやの建物は兄のものだったんですよ。物置だったので、ここを利用して、なにかしようよっていうことで、仲間と考えて、一緒にパン屋を始めました。どこかの物件を借りると固定費がかかるので、始めるのが大変です。ここなら、最低のものを揃えれば、そんなに費用がかからずに始められるかな?というようなところから始まりました。」

いろんな方へインタビューをしている中で私が感じたのは、新しいことややりたいことを始めるためには少なからず、お金が関わってくるということです。
いかにそれを乗り越えてきたのか伺うのも、インタビューの醍醐味です。

なぜパン屋を開業したのか?


誰もが新しいことを始めようとするときに、ぶち当たる壁。
それは「今の自分に何ができるのか」だと私は感じています。
小宮山さんの場合どう考えて行動に移したか、お伺いいたしました。


「私の心の中では、この場所で何かやりたいという気持ちがありました。私にできることを探したら、
パンを焼くことだということに気づきました。それまで、家庭でオーブンレンジを買って、必ず活かすぞという思いでパン作りを始めてからは、パンは買わないで作るものとして、家庭でずっとパン作りをやっていました。そこで仲間と相談し、試行錯誤の末、パン屋をやろうと決め、店を始めました。」


毎日何気なくやっていることが、自分の得意分野であり、自分では気づけないことでもあります。
小宮山さんの場合は、新しく購入したオーブンレンジを活かそうと考えた時から、パン屋さんを始めるなんて思ってもみない展開だったことでしょう。

お店に並ぶ前のパン

実は独学!小宮山さんのパン作りへのこだわり


インタビューの流れの中で、驚きの事実が分かりました。

「自慢にはならないことですが、パン作りに関しては独学なんです。」

「数年前に八ヶ岳高原で、たまたま天然酵母のくるみとレーズンがたっぷり入った片手ぐらいの大きさの丸いハードパンを買ったんです。車で帰りに、一口、また一口と、全部食べてしまいました。
その時の感動が忘れられず、私もあんなパンを作りたいという思いで、書店へゆき、図書館へゆき、一からハードパンの作り方の勉強を始めました。」


「また、材料はなるべく国産のものを使っています。

※ちなみに、小宮山さんのパンの根強いファンが沢山おり、特に食パンは店頭に出る前に常連様のお取置きでお店に並ぶことはほぼありません。
が、土曜ならゲットできるかも?!

小宮山さんのエッセイ

小話:パンの種類のご紹介


パンの種類をハード、セミハード、ソフトの3つに分けてご紹介します。

### ハードパン
- バゲット
- カンパーニュ
- チャバタ
- フォカッチャ
- ライ麦パン
- ブール(丸型のパン)

### セミハードパン
- プンパニッケル
- ミニマルブレッド

### ソフトパン
- 食パン
- ロールパン
- クロワッサン
- ベーグル

小宮山さんはハードパンと、ソフトパンを中心にパン作りをされており、特に小宮山さんにとって思い出の味でもある、ハードパンが非常に美味しいです!
思い出の味をエッセイで書かれておりますので、写真で撮ったものをご紹介します。

小宮山さん渾身の作、木の実パン
説明がよりパンを美味しくしてくれます

現在28.5周年!お店を長く続けられた秘訣とは?


1996年の2月から開業した、ちいさなぱんや
28.5周年もの間、お店を続けられた秘訣をお伺いしました。

「楽しくやることが一番です。楽しくなかったらきっと続かないと思います。」

「また、お客様との会話が楽しいですね。遠方から来られる常連のお客様もいます」

「開店当初は、10年続けばいいかなって、思っていました。最初はそのくらいの気持ちでしたね。赤字を出さずに続けられればいいかなという気持ちでした」

ちいさなぱんやさんの入口
小宮山さんは水木担当です!
土曜担当の方々のインタビューもお楽しみに!

お店を開店した一年目の年末に思ったこと


一年目は慣れないことや、色んな予測もできないことが起こるもの。
お店を開店した年の年末に一息ついて考えたことを伺いました。

「最初、お友達関係が来てくれました。で、来てくれた人が、 口コミでお店のことを広げてくれて、新たに来店してくれたお客様もいました。なんとかお客さんが来てくれたといった感じでしたね。」

「でも、これが来年、再来年ってうまく続いてくれるのかなっていう不安がありましたね。」

やはり、新しい何かを始める時の不安はつきものなのだなと思いました。
不安な気持ちや最悪の想定を持ちつつも今の自分にできる精一杯をやればいい、インタビューをしているうちにそんな気持ちが私に芽生え、勇気をいただけました。

お仕事中に撮らせて頂きました

お店を始めたのは40代!パン屋を続けて発見した時代の流れとは?


小宮山さんのところで現在は土曜日の営業を担当されている松田さんご夫妻の話(インタビュー第三弾の方々)について伺い、小宮山さんがお店を始めた年齢をお答えくださいました。

「私だってお店を始めた時は45歳ぐらいでしたよ」

「当時(1996年)私はまだ40代だったので、高齢の方は私の想像よりパンを食べるとは思っていませんでした。朝はご飯に決まってるって思い込みがありました」

「朝、うちパンだからっていう高齢のお客さんが多かったんです。そして、 あんパンとか、おやつになるようなパン持って、お友達のお家にお茶飲みに行くとか、そんな時代の変化を初めて発見しました。そんな私も、いつの間にか高齢者です。」


新しいことを始めてみたら大きな心配が杞憂に終わることはよくあります。
こうして新しいことを始めたら、また、新しい時代の変化を発見できる楽しみもある!
そんなことを学ばせていただき、新しいことを始めるのに年齢は関係ないのだなと、また、勇気をいただきました!

店内

私だって一国一城の主よ!小宮山さんの半世紀以上のご友人との会話で私が感じたこと


私がインタビューに伺った日に、半世紀以上のご友人が突然訪ねてくれたエピソードも話してくださいました!お店を構えていると、こんな素敵なことがあるんだなぁと、思わず、にんまりしてしまいました笑

「今日はほんとに珍しいお客様が来たんですよ!とても嬉しくなりましたよ。
それこそ半世紀以上も前のお友達で、学生時代のサークル仲間なんですけど、本当に、突然訪ねてくれて、びっくりしちゃった!」

「昼過ぎに、ひょっこり現れました。でも50何年も経ってるから、お互い顔なんかわからないと思うの。ただ、私が少し前に電話で話した時に、こういうところで パン屋やってるんだよって話をしたら、お店の場所を調べて、突然来たのよ。
びっくり!最初は誰かなと思ったんだけど、なんだかニコニコしながらこっちを見てるのよ。」

「そのお友達は社長さんになっていました。向こうが社長だとか会長だとかなんとか言ってるものですから、あらそうなの。私だって一国一城の主よって言って笑」


年月を重ねて友と再会する。そんな時に私は冗談でも一国一城の主よ!なんて言えるかな、言えるようになりたいなと夢が膨らみました。

白パンにおみそを塗って頂きました!
おいしい!

感謝しながら生き、自分の経験を還元することが恩返し


土曜日の営業を担当をされている松田さんご夫妻との出会いのエピソードも伺いましたが、想像以上のお答えが返ってきました。

「知り合いの紹介で、パン作りを教えて欲しい人がいるんだけどと、紹介を受けて、うん、いいよって、お受けしたんです。最初は、パン屋やりたいとか、そこまでのレベルではないと思っていました。ただ、自分の家で作りたいぐらいだと思ってましたが、よくよく話したら、実はこれから先のことを考えて将来、こんな小さな規模のパン屋さんをやりたいんだっておっしゃっていて、一年半ぐらい、パン作りを習いに来ていました。その後、私が土曜営業できなくなり、二つ返事で今年の六月(2024年6月)からちいさなぱんやの土曜担当をしてくれています。」

「私が経験してきたことぐらいなら、色々話してあげることもできるし、 何かお役に立てればと思ってパン作りを教えることを引き受けました。
私だって今までいろんな人にお世話になって、ここまでなんとかやってきた経緯があります。だから、その方達への恩返しじゃないけれども、誰かの役に立てれば、それはもう最高じゃないですか。」

「ある程度年齢がいったら、もうこれからは感謝しながら生きるしかない。だから、なにか役に立てることがあればいくらでもするよって思っています。」


小宮山さんのこの言葉は、これまでのご経験や周囲への支えでいまのご自分があるという、本当の感謝がないと出てこない言葉だなとインタビューしながら私は感動いたしました!
本当は「感謝しながら生きる」をタイトルに入れたかったのですが、照れくさいとのことで、次に印象に残った「ありがとう」のエピソードから、タイトルを考えました。

ちゃっかりSakiが購入したパン
特にバゲットは大人気です!

タイトルの「ありがとう」に込められたたくさんの意味とは?


ここでタイトルの伏線回収をいたします。
小宮山さんが実際にお店であった、ありがとうにまつわるエピソードを話してくださり、じーんとしたんです。
追加で小宮山さんが高校時代の恩師からパン屋のことでいいからエッセイを書きなさいと言われて、書いた原稿のコピーを頂き、そちらのエッセイから採用させていただきました。

「お店を開店して一年ちょっと経ってからでしょうか。私も気持ちに余裕が出てきたんでしょうね。
お客様がありがとうとか、ごちそうさまとか言って帰って行くのよ。こちらのほうがありがとうと言いたいのに。」

エッセイも小宮山さんが書かれた原稿をそのままこちらに載せます。小宮山さんはペンネームを美山踊子(みやまようこ)として書かれております。

こちらのエッセイは高校の恩師が声をかけた仲間内で製本されたものであり、大体的に世に出ているわけではございません。
時を経てこうして、私の元に届いたので、写真で撮った画像をそのまま掲載いたします。

エッセイ ありがとう

お店の大ピンチはない!楽しむことが一番!


お店をやって行く中で、大ピンチって時ありましたか?
と伺うと、意外なお答えが返ってきました。

「ない」とのこと!その真意を伺いました。

「だって、のんきだから。いたってのんきだからです。自分の給料がないぐらいのことは、もう最初から思ってますし。給料って言ったって、ほんのお小遣いでもできればいいやぐらいですから。」

「そういう意味では、 もう赤字が出なければいい、自分の方から持ち出しにならなければいいぐらいの気持ちでやってきました。土曜の営業担当の人も同じ気持ちだから土曜担当をお任せしました。自分たちの楽しみでやるからってことを伺いましたからね。私たちは、ここで少し儲けて生活しようとか、そんな考えではないですね。」

「お金は大切だとわかっていますけど、それよりも楽しければいいお客様が来てくれることが一番ですね。だから、値上げだって、結構、お客様の皆さんね、値上げしなくていいの?あれも上がった、これも上がったよって言ってくれますよ。」

「でもね、めんどくさいんだよ笑
だってね、値札、全部変えなくちゃいけないし、値段覚えなくちゃいけないでしょ。めんどくさいんだよ!これでいいんだよってね、持ち出しにならなきゃいいんだよって言って値段は変えてませんね。」


ちいさなぱんやさんの一つ一つのパンは高すぎるクオリティに対して、ありえない安すぎるお値段で売っていて私もいちファンとして心配になっていました笑
安ければいいってものでもないですし、それでお店が成り立たずに廃業することもありますよね。
つぎはそんな、永遠はないというお話です。

一押しの三種の豆パン!
形が美しい!

三十周年を迎えるために


あと一年半で三十周年ということで、小宮山さんに三十周年に向かっての想いを最後に伺いました。

「身体や体力のこともありますし、いつまで続けるとか、目標をおかず、肩ひじ張らず無理せずにできることをやっていたら、いつの間にか三十年となればいいなという気持ちでいます。」

「あと、お店を始めてここまで続けられたのは、ほんとに一緒にやってきた友達がいたから。一緒にやった友達、仲間がいたから始められた。一人じゃ、こんな勇気はなかった。
今は事情があって私一人での営業になりましたけれども、一人で一から始めようなんて、とてもじゃないけどできなかったという、そんな度胸はほんとになかった。だから仲間に感謝しています。」


この話を伺ったとき、永遠に続くものはないし、だからこそ、今、目の前にいる小宮山さんの営業する、水・木曜日のちいさなぱんやさんに出来るだけ通おうと思いました。

もちろん土曜日のちいさなぱんやさんにも赴きます。こちらのインタビューは第三弾として製作中ですのでお楽しみに!

土曜のちいさなぱんやさんの看板をちらり

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