悪銭身につかず。タカハシ(仮名)の話。※最下部に凱旋門賞のスカーフェイス新聞付き
カポ峯だ。
儲かってるか?
毎日のように詐欺の受け子や出し子が逮捕されるこの令和の時代。
逮捕者の9割がツイッター上で仕事を斡旋されていると聞く。
最近はネット社会の影響もあってか受け子の低年齢化が著しい。
まあ別に犯罪だからリスクがどうだとかの話じゃないんだけど、こういう受け子は実際に被害者と会ってキャッシュカード等の金品を取りに行くわけだから逮捕される可能性もかなり高いのにも関わらず志願する若者が後を絶たないんだよな。
だから今回は突然だがそんな若者達のために悪銭身につかずの話をしようと思う。
わざわざ凱旋門賞の話だけのnoteを書いても面白くないしな。
しかし悪銭身につかずの話とは言っても何を書こうかと5分くらい悩んでいたんだが、思いついたぜ。
流石はこの俺の脳だ。
2月くらいに発売した俺の本の最終章に「タカハシ(仮名)という男」というまさに悪銭身につかずの話があったから今回はその部分をnote限定で公開しようと思う。
DMとかでちょくちょく本の感想を貰うんだけどこの話が一番好評だったしな。
最下部には凱旋門賞のスカーフェイス新聞を差し込んであるからしっかり読んでくれよな。
~タカハシ(仮名)という男~
俺の古くからのツレにタカハシ(仮名)という男がいる。
コイツとは中学校と大学が同じで学生時代は一緒に競馬に行ったりと楽しく過ごしていた記憶がある。
身長185センチを超える大男でありながら周囲に明るく振舞い中学校時代から常に周りに人がいた。
ギャンボー好きで常に金はなかったが、土日は工事現場で内装のバイトをして凌いでいた。
大学もそろそろ卒業という時期に差し掛かった辺りでタカハシの金回りが急激に良くなった。
聞けば工事現場の内装の仕事を辞めてリフォームの営業のアルバイトをしているらしい。
週3回の出勤で収入は月70万。
親父の紹介だから給料が高いんだとタカハシは言っていた。
週3回の出勤で70万ももらえるってどんな仕事なんだ?とは思ったがその時は自分のシノギが忙しくて気にも留めていなかった。
程なくして大学を卒業した俺たちは各々の道を歩き始めた。
俺は自分で商売をする道へ。そしてタカハシは就活をせずにそのリフォーム会社に就職した。
タカハシはリフォーム会社で働いてから悪い意味で大きく変わった。
まずは見た目だ。
全身をブランド物で固めて時計はウブロ。
そのいでたちは上品なものではなくどう見ても一発当てた詐欺師のような格好だった。
行動はもっと酷い。
大学を卒業してから初めてみんなで飲みに行く機会があった。
駅近くのチェーン系の安い居酒屋に入り乾杯を交わすとタカハシはいかに金が重要か、世の中金がすべてだ的なことを語りだした。
そして運ばれてきた軟骨の唐揚げに対してこんな安いものは食えないなどとほざいていた。
これは今まで貧乏だった奴に突然金が入った時にありがちな行動でタカハシはその典型のような人間だった。
金を持っているから偉い、稼げる俺は有能だと考えてしまう思考。
俺はその時すでにある程度稼いでいたから妙なライバル心を燃やされて面倒だったし、他のツレには月20万でよく仕事なんてできるなあなどと煽り倒していて最低の飲み会となった。
人は金でここまで変わるのかと心底思った。
飲み会の件があって初めてタカハシはどんな仕事をしているのか気になり調べてみるとゴリゴリの悪徳リフォーム会社であることが判明した。
親父の紹介というのは明らかなウソでその実態は営業先である自宅訪問前に瓦を割ったり、シロアリを流し込んだり、必要のない柱を増やしたりと最低な仕事だった。
当時悪徳リフォームが儲かるという話は俺のところにも来ていたが、専業主婦や老人の不安に付け込み金を毟り取るという卑劣極まりない内容だったから考慮の余地もなく断った。
そもそも犯罪だしな。
俺はタカハシに電話をして悪徳リフォームで働くのはやめろと説得した。
ただ犯罪だからやめろと頭ごなしに言うのではなく、相手が満足していない商売は長くは続かない事などを含めて諭したつもりだったが小金を掴んだタカハシには何も響かなかった。
日本が資本主義社会である以上多少泥を被ってでも金を稼いだほうがマシだ、とタカハシは言った。
俺はタカハシの親御さんの顔も知っている。
常識があって良い人だ。遊びに行ったときは昼食で牛丼を作ってくれたこともある。
息子のこと宜しくね、といつもお袋さんは言っていた。
だから親御さんのことを考えると本気で辞めさせたかったが金の魔力には勝てなかった。
周りに迷惑をかけるなよ、と一言伝えて電話を切った。
そこからタカハシは消息を絶った。
あの電話から何年の月日が流れただろうか。
日々仕事に追われもうツラも忘れかけていたある日、俺の会社にタカハシが来た。
タカハシはひどくみすぼらしい格好になっていて、まるで子犬のような表情だった。
それに顔は痣だらけで明らかに何かのトラブルに巻き込まれたとしか思えないような雰囲気だった。
その様子を察した俺は社長室へ案内した。
昔からの友人が深刻な表情をして突然現れたりするケースは俺の経験上約95%の確率で借金の申し込みだからだ。
話をする前にまず電話の件を謝られた。
そんな昔の話はどうでもいいからいきなりどうしたんだ、と聞くとやはり借金の申し込みだった。
あれからタカハシはしばらく悪徳リフォームを続けていたが、やはり長くは続かなかった。
警察の手入れが入り逮捕。
初犯だったため大した罪にはならなかったが職を失ったらしい。
そもそも人を騙して稼いだ金なんて職でもなんでもねえだろ、と思ってはいたが話を続けさせた。
それから再び工事現場で働いていたが一度生活レベルが上がるとそこから元に戻すことは容易ではなく、その仕事もすぐに辞めてしまい遂には地元の悪い先輩の運転手的なことをやっているという話だった。
その悪い先輩は実は俺もちょっとした知り合いでそこそこ金は稼いでいるけどめんどくさい奴だったからあまり関わらないようにしていた人間だったから少し驚いた。
タカハシが俺の会社に来た経緯はこうだ。
ある日先輩が遂に念願のマイバッハを購入しタカハシはその運転を引き続き任せられた。
呼び出されたらすぐにその場所に車をつけることができるように管理はタカハシの担当。
最初の頃は当然運転手として使う時しか車を出さなかったが、ある程度慣れてくるとタカハシは先輩のマイバッハで遊びに出かけるようになったらしい。
もうこの時点で嫌な予感しかしなかったが話を続けてもらった。
ある日、いつも通りマイバッハを自分の車のように流して遊びにいった。
途中銀行で簡単な用事があったため鍵を刺したまま近くの路地に駐車して銀行に向かった。
通常5分くらいの手続きらしいがその日は窓口が混んでいたらしく20分くらいかかったという。
そして銀行から戻るとマイバッハはなかったらしい。
そもそも人のマイバッハを勤務時間以外で乗るなんてご法度だし、ましてやいくら慣れがあったとしても路駐して鍵さしっぱなしなんてにわかに信じられないような話だったが、その後俺が調べたところ悪い先輩がマイバッハを買ったことやそれが盗まれたことは本当の話だった。
おそらく身内の犯行だろうとタカハシは言った。
当然悪い先輩はこの内容に激怒。
当然だ。激怒するに決まっている。
悪い先輩と記載しているがこの話に関して悪い先輩は悪くない。
だが悪い先輩は文字通り悪い先輩なので警察には行けない。
となると当然タカハシに請求するしかない。
ということでタカハシはボコボコにされた挙句とりあえず1000万を3日以内に持って来い、無理なら強制的に用意できる方法を使うという話になったそうだ。
俺はくだらなすぎる内容に心底腹が立ったが、悪い先輩がどういう人間か知っていたしかなり悩んだ。
俺は基本的に金の貸し借りはしない。
約50%くらいの確率で借りた側から恨まれることを知っているからだ。
だがタカハシは学生時代からのツレだったし親御さんがいつの日かに言った息子のこと宜しくね、という言葉が頭をよぎり最後の情けとして貸すことにした。
とはいえ流石に1000を貸す事は出来ないが300だけ貸してあげることにした。
俺の中では貸すというよりもあげるという感じだったけどな。
タカハシは今にも泣きだしそうなツラをしながらありがとうと深く頭を下げ300を持って帰った。
真冬の金曜日、寒い夜だった。
貸してからタカハシの交友関係を思い浮かべてみたが、どう考えても残りの700を埋められる奴なんていなかった。
だから俺としてはこの300はタカハシが飛ぶための資金として渡したつもりだった。
300あればタイのバンコク辺りに飛べばひとまず生活のベースは作れるだろう。
一度失敗したとしても新天地で頑張ってやり直せばいいじゃねえか、くらいに考えていた。
もうタカハシに会うこともないんだろうな、と考えながら朝方深い眠りについた。
次の日土曜日で休みの為16時頃に起きるとタカハシから何件も着信が入っていた。
またトラブルかと思いかけなおすと俺の300を元手に競馬で1700を当てたという。
到底信用できなかった。
大学時代たしかアイツはギャンボーの類はヘタクソ中のヘタクソで麻雀に限ってはヘタクソのくせに金は持っているからタカハシが来るとなるとみんな大喜びしていたレベル 。
だから俺は悪い先輩が残りの700も俺に押し付けようとしているんじゃないか、と推測していたがそれはそれで俺が話をつけてやろうと思っていた。
だがタカハシはその日の夜に1人笑顔で300を返しに来てくれた。
俺が渡した300は三井住友の帯封がついていた筈だが3つともJRAの帯封に変わっていた。
そこで俺はタカハシの話が本当なんだと確信した。
話を聞くと負けたら沖縄に飛ぶ予定だったらしい。
当たった時は自然と涙がこぼれたと言っていた。
俺が貸した300で運否天賦なギャンボーなんかしやがって、とは思ったがタカハシも緊急事態だったのだろう。
マイバッハを盗まれておいて1000で済んでよかったな、もう危ない橋は渡るなよと言い笑顔でこの一件は幕を閉じた。
この話で俺が言いたいことはまさに悪銭身につかずってこと。
不当な手段で得た金銭はつまらないことに使ってしまい残らないものという意味なんだがまさにその通りだろ?
タカハシは結局リフォームで稼いだ金はブランド物だったり時計だったりに全部使っちまって何も残っていないし、そういう手段で稼いでいても成長がないからずっとそのままだしな。
結局逮捕リスクや諸々含めて割に合わないことが多いんだ。
だからこれを読んでいるみんなは表で真っ当な仕事をすることをオススメする。
悪い仕事で稼げるのは一瞬なんだ。
よく覚えておけよな。
PS タカハシは現在自分の生き方を見つめなおすため悪い先輩とは縁を切って再度工事現場で働いている。悪徳リフォームで稼いだ金と工事現場で稼いだ金はどちらも同じ福沢諭吉が印刷された紙に過ぎないが意味は全然違う。努力して得た金は重みが全く違うからな。これからは親御さんの為にも真っ当な人生を送ってほしいもんだぜ。
とまあこんな感じかな。
キッズ達はこのタカハシを反面教師にして勉強に励むことだな。
さて、まだかと待ちわびている奴らも多そうだからそろそろ凱旋門賞の話をさせてもらう。
今年の凱旋門賞はもうクロノジェネシスからいくと決めている。
実際まともに予想したらクロノジェネシスからは買えないと思うが、俺にとって今回の凱旋門賞はそういう話ではない。
これまで幾度となく世話になってきたクロノジェネシス。
これまでにブロック超えの配当は2回貰ったし帯なんて言い出したら何回当てたか覚えていないくらいこの馬には世話になっているんだ。
そんな馬が世界一のレースに出走して戦おうとしているんだからこれはもう応援するしかねえじゃねえかよ。
まあでも重い馬場はある程度走れるし、ここ最近の日本馬の挑戦の中ではかなり期待できる方だとは思う。
ということで現物のお米を用意させてもらった。
まあこれ全部いくわけじゃねえけどスプリンターズSの結果次第では厚く張るつもり。
久々に日本馬がやれるんじゃないかという希望がある今年の凱旋門賞、かなり楽しみだな。
凱旋門賞のスカーフェイス新聞はこれ。
有能な予想師達が揃っているからみんな参考にして当ててくれよな。
流石に新聞の公開は凱旋門賞だけだぜ。
スプリンターズSとか他の新聞もみたいならスカーフェイスグループに入団してくれ。
じゃあお前らの幸運を祈っておくぜ。
またな。
スカーフェイスグループ入会は↓
https://scarface-group.com/plan/
※この記事を書いたのは10月2日土曜日の夜なんだけど日曜日の16時の今、オッズを確認したらこれ。
流石にいくら応援とは言ってもこのオッズの差だと考えちまうな。
まあレースまではまだまだ時間があるしよく考えてからやる予定だ。