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物流 meets Art 川上産業さんと京都精華大学さんのプチプチクリエイティブな取り組み
5月25日13時。ぼくは京都精華大学の教室にいた。
「皆さんこんにちは。私は株式会社CAPESという物流に関する仕事をしています。物流の仕事と聞いてもちょっとぴんときませんよね?皆さんは通販を使ったことありますか?当然あるという人が多いと思います。ではその注文した商品が自分の家に届く裏側について知ってるよ、という人どれぐらいいますか?」
約30名ほどの学生さんの前でそんな挨拶を行っているだなんて予想だにしなかったわけだが現実にそんな大変貴重な時間を過ごさせていただいた。今回その機会に恵まれたその経緯とそこで感じた業界にとっての意義について記しておこうと思う。
京都精華大学さんとご縁が生まれたきっかけ
今回、京都精華大学さんとどんな取り組みをさせていただいたのかをもう少し正確に記述させていただくと、こんな感じになる。
イラスト学科3年生のイラストコミュニケーションという授業の1つの取組課題として
期間は4月・5月の約2ヶ月間で
川上産業さんのプチプチを活用して
ペアグラスを魅力的に包むというWorkを通し
川上産業さんのPRや物流業界のイメージチェンジを実現する
この3年生というのが京都精華大学さんにおいては基礎力アップや自己表現を中心に行ってきた1・2年次から社会接続を意識してより具体的な課題解決の手段としての表現を学んでいくタイミングだそうで、こうした産学連携プログラムも力を入れられているそうだ。
そんな京都精華大学さんだが、なぜ弊社と接点があるのかというと実はイラストコミュニケーションの授業を受け持たれているイラスト学科専任教員の岸本さんにはCAPESで創業時期からずっとお世話になっていて、何度も素晴らしいイラストを描いて助けてもらっているのだ。
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岸本さんと仕事の話をしていた時に今回の授業の相談をもらって、これは物流業界にとってもきっと素晴らしい機会になる!と直感的にピンときて、急いで誰に声掛けをするか、どんな内容にするかを整理していったのだ。
すぐにお声がけさせて頂いた”先輩”であり”同士”の川上産業さん
そんな時に秒で頭に浮かんだのが川上産業(https://www.putiputi.co.jp/)さんだった。川上産業さんのご紹介を簡単にさせていただくと、もはや誰もが一度はつぶしたことがあるだろうあのプチプチの製造メーカーさんだ。そして意外と知られていないのだが、プチプチは川上産業さんの商標で、他メーカーさんのものは見た目は同じでも”プチプチ”ではないのだ。
川上産業さんとはいちユーザーとしては接点はもちろんあったものの、お仕事としてやり取りさせていただくようになったのはほんとにこの数年。弊社のブランドであるメリーロジスティクスで商品を仕入れさせていただいたり、川上産業さんで販売されているデカボをポップアップ什器として使わせて頂いたり、というお付き合いをさせていただいている。
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自分で言うのもなんだが、物流業界の中では他社がやってないような変わった取り組みを多くやっている弊社ではあるが、川上産業さんもなかなかにぶっ飛んでいらっしゃる。もちろん、良い意味で。
そういう点においては弊社よりもずっと前から業界や自社商品のブランディングに力を入れておられる先輩であり、自分たちの活動の道標にもなるような同士でもあるのだ。
川上産業さんのぶっ飛びな取組一例
・プチプチ文化研究所の運営
・山形県の空気まつりへの参戦
・つぶすためだけのプチプチの開発
などなど、挙げれば枚挙に暇がないのだが、とにかく
「この取り組みやったらいくら儲かるの?どういうリターンがどれぐらいの期間で得られるの?」
という評価基準だけではない活動を次々繰り出されているのである。
そんな川上産業さんにこの話をすぐにご相談させていただいたところ、二つ返事で「是非!!」と回答いただいて取り組みがスタートしていった。
学生さんの発表がもう刺激的すぎて
4月の上旬からスタートした授業の成果発表を5月25日に行うということで、その場に川上産業さんと弊社も呼んでいただいて皆さんの発表を聞かせていただく機会を得た。普段企業の人と接する機会のほとんどない学生さん。授業が始まる前から皆さん緊張の面持ちで、実際に一人ひとりのプレゼンが始まっても
「すみません、すごい緊張していて、、」
と言われてて、聞いてるこちらもとてもフレッシュな気持ちになり、ぴしっと背筋が伸びた。全員の発表に対して聞いている我々もコメントをお返しする形だったので、めちゃくちゃ真剣に約4時間、プレゼン内容と良かった点をメモ取りながら聞かせてもらった。こんなに真剣に授業を聞いたのは人生で初めての経験だったかもしれない笑
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全員の発表を聞かせていただいて、岸本さんのご指導があるもはもちろんなのだが皆さんちゃんと企業のことや製品のことをリサーチして、ターゲットや課題についても情報やトレンドを整理した上でコンセプトメイキングをし、決して独りよがりにならないプレゼン内容になっていてほんとに感心した。アプローチや発想方法なんかもすごく勉強になってものすごく学びの多い有意義な時間だった。
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この出来事の可能性
今回のこの取り組みにはどんな意味があったのかを改めて物流視点考えてみると、やはり一番大きかったのはこれから社会にでる学生の皆さんに物流の楽しい側面を少しでも知ってもらえたことなのかなと思う。普段生活していると、物流の情報で触れるのはネガティブなもの、例えば宅配クラッシュや昨今だと2024年問題などに代表されるような、物が届かない!大変だ!みたいなそんな情報がニュースになりやすい。そんなネガティブな情報でなんだかよくわからないけど大変そうな業界、という単一的な印象から少しでも違うポジティブなイメージを持ってもらえる機会になったのならこれは業界全体として、とても良いことだなと思う。
また、物流にクリエイティブの掛け算をすることで新しい価値を創出できる可能性を感じられたことも大きな意義があったと感じる。物流はコストセンターゆえ、手がかけられていないある種生のままの状態であることがほとんどだし、創意工夫と言えば聞こえはいいけどお金をなるべくかけないようにしようとする領域だ。働き手が不足している時代においては選んでもらうための職場づくりは必要不可欠。そんな時、クリエイティブがその力を貸してくれるとぼくは信じていて、そのきっかけになるんじゃないかなと感じた。
また今後もこうした取り組みが続けられるといいな、と思いながら次回授業と生徒さんたちの発表を聞く日を楽しみに過ごしていこう。
川上産業さん、京都精華大学の岸本さん・学生の皆さん、素晴らしい機会をありがとうございました。また面白い取り組みやっていきましょう!
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