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1. FC Köln22/23


※拙い文章、個人的見解によって構成されています。

昨シーズン振り返り

 降格以降、現代サッカーに適合しようとAnfang氏、Beierlorzer氏、GIisdol氏と監督を転々とした結果、辿り着いた先は現代サッカーとは程遠いドン引きカウンター戦術。挙げ句の果てには、20/21シーズンは入れ替え戦に縺れ込み、なんとかBundesligaに踏み留まるというで20/21シーズンを終えた。
 21/22シーズンに招聘されたBaumgart氏はこの最悪な流れを断ち切った。サイドバックを広く高く位置付けるビルドアップ、サイドハーフの選手が中でプレーすることで中の距離を近づけ、Modesteを軸に攻撃を構成した。その結果、52得点をシーズンを通して成し遂げた。BayernやDortmundなどのクラブに比べたら見劣りする数字である。しかし、20/21の34得点に比べたら見違えるほど進化している。
 またこのオープンな戦術を裏でカバーをしていたのはSkhiriとÖzcanであった。Skhiriに関してはGisdol体制から存在感を示していた。恵まれた体格に豊富な運動量を生かし相手の攻撃の芽を摘むプレースタイルで19/20シーズンからKölnを支えてきた。しかし、Özcanに関してはKielにローンに出されたりと近年は構成外扱いをされていた。そのためシーズン前Özcanは退団の意向を示していた。しかし、Baumgart氏の説得によりクラブに残留した。その決断が彼の転機となった。Baumgart氏はシーズン中彼が本来プレーから一列下げてDMFへとコンバートした。その結果Özcan の元々あったキープ力とパス精度に加えて選手間の距離を意識したカバー能力が開花した。実際に彼の走行距離、デュエル回数はチームの中でも上位に位置付けられれている。21/22、1. FC Kölnの顔と言えるほどの選手に覚醒した。
 Baumgart氏の戦術の落とし込みと、慧眼は本物であるということを昨シーズン証明したといえるだろう。


22/23選手一覧

GK
#20 Marvin Schwäbe🇩🇪(27)
#1    Tim Horn🇩🇪(29)
#40 Jonas Urbig🇩🇪(18)
#44 Matthias Köbbing🇩🇪(25)
DF
#4   Tim Hübers🇩🇪(25)
#15  Luca Kilian🇩🇪(22)←🆕
#24  Julian Chabot🇩🇪(24)
#5    Bright Arrey-Mbi🇩🇪(19)
#14  Jonas Hector🇩🇪(32)
#3    Kristian Pedersen🇩🇰(27)←🆕
#2    Benno Schmitz🇩🇪(27)
#19  Kingsley Ehizibue🇳🇱(27)
MF
#28  Elyes Skhiri🇹🇳(27)
#7    Dejan Ljubicic🇦🇹(24)
#6    Eric Martel🇩🇪(20)←🆕
#48  Georg Strauch🇩🇪(21)←🆕
#36  Niklas Hauptmann(26)
#47  Mathias Olesen🇱🇺(21)
#8    Denis Huseinbasic🇩🇪(21)←🆕
#18  Ondrej Duda🇸🇰(27)
#11   Froian Kainz🇦🇹(29)
#42  Dimitros Limnios🇬🇷(24)←🆕
#29  Jan Thielmann🇩🇪(20)
#37  Linton Maina🇩🇪(23)←🆕
#17   Kingsley Schindler🇩🇪(28)
FW
#13   Mark Uth🇩🇪(30)
#23   Sargis Adamyan🇦🇲(29)←🆕
#27   Anthony Modeste🇫🇷(34)
#9     Sebastian Andersson🇸🇪(30)
#25   Tim Lemperle🇩🇪(20)
#21    Steffan Tigges🇩🇪(23)←🆕
#33   Florian Dietz🇩🇪(21)←🆕


加入選手

Luca Kilian🇩🇪(22)←Mainz
Kristian Pedersen🇩🇰(27)←Birminghamフリー
Eric Martel🇩🇪(20)←Leipzig
Georg Strauch🇩🇪(21)←1. FC Köln II昇格
Denis Huseinbasic🇩🇪(21)←Offenbach
Dimitros Limnios🇬🇷(24)←Twente 復帰
Linton Maina🇩🇪(23)←Hannover フリー
Sargis Adamyan🇦🇲(29)←Hoffenheim
Steffan Tigges🇩🇪(23)←Dortmund
Florian Dietz🇩🇪←1. FC Köln II 昇格


退団選手

Salih Özcan🇹🇷(24)→Dortmund
Yann Aurel Bisseck🇩🇪(21)→Aarhus
Louis Schaub🇦🇹(27)→Hannover フリー
Tomas Ostark🇨🇿(22)→St. Louis CITY フリー
Marvin Obuz🇩🇪(20)→Kiel ローン
Jannes Horn🇩🇪(25)→未定


予想フォーメーション

 マッチアップする相手のスプリント力によってSchmitzに代わってEhizibueが出場する可能性が考えられる。それ以外に置いてはGK、DFラインはSchwäbe、Hector、Schmitz、Kilian、Hübersが固定化されると予測される。
 また、攻撃の起点はModesteであるため、Modeste以外の選手をファーストチョイスするのは考えられない。Modesteの相方選手若しくはModesteをベンチに引き摺り落とす若手の台頭に期待。
 サイドハーフの左はKainzが主力であるが、右サイドはThielmann、Ljubicicの2人どちらがスタメンを勝ち取るのかは現段階では皆目見当がつかない。
 昨シーズンBaumgart氏が用いたフォーメーションを軸として考えるならば、4231と41212の二つのフォーメンションが考えられる。

41212

 41212は昨シーズン前半戦の主なフォーメーションである。PSMでより実戦に近いと考えられたAC Milan戦ではこの41212で挑んだ。結論から述べると、アンカーの負担が大き過ぎる。攻撃時は2CBを残し攻撃に参加する。そのためカウンターを遅行されるためのファーストディフェンスはSkhiriが務めることが大半である。また、Skhiriがボールをロストした際にカバーに入れる選手の距離が遠い。昨シーズンはSchwäbeの活躍により失点数は顕著ではないものの、上記の戦術の穴は露呈している。一定以上の相手には相当キツイ試合を強いられる事が考えられる。
 しかし、攻撃の火力は高く2トップの下でプレーするUth、Dudaが最も活きるフォーメーションである。サイドからのクロスのみの単調な攻撃に真ん中から崩すという選択肢を増やしたり、Modesteによって重心が引いた相手に対してフリーでボールが持てたりと攻撃に厚みが持てる。

 スタメンを勝ち取ったÖzcanとアフリカネイションズカップから戻ってきたSkhiriを同時起用するために4231を採用。その後このフォーメーションが後半戦の主流となった。ドイスボランチにする事でオープンな戦術を人数でカバーする事が可能。カウンターのリスクを41212よりはリスクマネジメント可能なフォーメーションである。今シーズンはSkhiriとMartelの2人が主戦場となる考えられる。Martelが早い段階にフィットする事が今シーズンの明暗を分けると言っても過言ではない。
 また、Huseinbasicのボールキープ力はSkhiri、Martelと差別化する事が可能であると考えているためこのポジションのスタメン争いは注目である。


注目選手紹介

#2    Benno Schmitz🇩🇪(27)
昨シーズン成績 33試合.5A


 18/19に1. FC Kölnに加入したSchmitzはBaumgart氏が就任するまでの間最終ラインどこでもユーティリティな選手としてベンチに控える機会が多かった。しかし、Baumgart体制によって右SBレギュラーの座を勝ち取った。
 Schmitzは、Gisdol体制主力であった同ポジションのEhizibueのスプリント力みたいに秀でた能力がある訳ではない。しかし、堅実に高い位置でサイドに張ってクロスを供給して、アップダウンを繰り返すことによって攻撃の起点となる。実際に21/22は5A記録している。Baumgart氏が目指す戦術の体現者の1人であり、戦術との適合度が極めて高い選手である。


#6    Eric Martel
🇩🇪(20)
昨シーズン成績 33試合.3G.3A

 Özcanの Dortmund移籍に伴いその穴を補填する形で1. FC Kölnに加入。ユース時代同時期に当時Regensburg のSDであったKeller氏のコネクションによって1. FC Kölnに加入したと推測される。
 昨シーズンのKölnを考慮すると4231のフォーメーションが基本ベースとなると考えられる。したがって、ドイスボランチのSkhiriとのコンビを組むことが予期される。しかし、今季はW杯があり、そのSkhiriは🇹🇳代表として選出される可能性が極めて高い。疲労面を考慮するとSkhiriが出場困難な試合が予測される。したがって、昨シーズン序盤の布陣41212のアンカーを一任される可能性があると考える。また、可能性として極めて低いだろうがCB起用の可能性も捨てきれない。
 Özcanの穴を補填する補強として加入した選手であるため、期待が高まる。プレースタイルに関しては試合を随時追って確認していきたい。

#13   Mark Uth🇩🇪(30)
昨シーズン成績33試合.5G.9A


 昨シーズンチームで最もアシストを記録したシャドーストライカー。サイドで停滞する攻撃を真ん中を自由に動き回ることでサイドチェンジ、又は直接2トップにボールを供給するプレーが彼のタスクである。又、スペースを見つけると自身でも得点を狙いに行く。非常にバランスが取れた攻撃の司令塔である。同ポジションにはDudaがいるが、彼との相違点は球離れの良さである。下手の位置でエゴを誇張する事が少ないため、リスクマネジメントが可能な位置で勝負してくれる。30歳となり、ベテランと言われる領域に差し掛かっている。豊富な経験を武器に圧倒的なテクニックで攻撃を牽引するプレーに期待。

#29  Jan Thielmann🇩🇪(20) 
昨シーズン成績32試合.3G.3A


 17歳という若さでトップチームデビューを果たしたポテンシャルを秘める選手。デビュー当時はまだ身体が仕上がっておらず、青二才であった。しかし、才能の片鱗は垣間見えており、あと一歩で得点に関与する事ができるプレーを見せていた。デビューから月日が経ちBaumgart体制では、フィジカル面が成長し、強度が高いトランジションの戦術にフィットしてきた。足元の技術に安定性が増し、直接間接的に得点に関与するシーンが増加。また、左右のサイドハーフプレーする事が可能であるため、試合中の状況に応じて逆サイドのKainzとポジションチェンジを行う策略はKölnの強みの1つである。

今シーズンの展望

 UECL の出場枠を獲得したが、25年ぶりにヨーロッパの舞台に挑んだ17/18をフラッシュバックしてしまう。故に高望みはしないから残留を最低限にこなして欲しい。
 オープンな戦いに持ち込めば主導権は此方にある。故に戦術上カウンターで失点する試合が多くなると予測されるが、それ以上に点を取れば問題ない。
 個人的な見解であるが、Modesteの代わりとなる攻撃の軸を育成する事が今シーズンのサブミッションであると考えている。クラブの財政上Modesteをいつ放出しても可笑しくない。仮に引退までKölnに在籍する、させる判断をしても年齢的を考慮すると第一線で活躍できるのは長くない。その事を考慮してFWがやや多く在籍させており、選定を行うシーズンであると考えている。


最後に

 Bundesliga22/23開幕が間近です。Pokal、Bundesligaに加えて今シーズンはUECLがあります。喜ばしい事なのですが、25ぶりに欧州の舞台に挑んだ17/18の惨劇がどうしてもフラッシュバックしてしまいます。トラウマを克服する意味でもBaumgart氏の今季のチーム作りに期待しています。今シーズンもみんなで1. FC Kölnを応援しましょう、よろしくお願いいたします。

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