見出し画像

【ゆっくり学ぶシルバーバーチの霊訓】26

※本文中の引用文は記載のあるもの以外は、
『シルバーバーチの霊訓(一)』潮文社刊
アン・ドゥーリー編
近藤千雄訳
よりの引用です。

私どもは許される限りの手段を尽くしています。今こうして私が行っている入神談話も、一種の変圧器にも似たものを使用した波長の下降操作を要します。そのために、私なら私の本来の個性が大幅に制限されます。その辺のところはお分かりでしょう。

これをもっと物的要素の濃い現象にしようとすると、さらに波長を下げなくてはなりません。物質化して出る時などは本来の霊妙で迅速でデリケートな波長から一気に地上の鈍重で鈍速で重苦しい波長へと戻さなくてはなりません。これも一種の犠牲、完全な個性の犠牲を強いられる仕事です。

続けて、『ベールの彼方の生活』から、高級界から地上付近の暗黒界へと降下していく様子を記載した部分をご紹介します。

さて、地上を去った者が必ず通過する(すでにお話した)地域を通りすぎて、吾々はいよいよ暗さを増す境涯へと足を踏み入れた。すると強靭な精神力と用心ぶかい足取りを要する一種異様な魂の圧迫感が急速に増していくのを感じた。

それというのも、この度の吾々は一般に高級霊が採用する方法、つまり身は遠く高き界に置いて通信網だけで接触する方法は取らないことにしていたからです。

これまでと同じように、つまりみずからの身体を平常より低い界の条件に合わせてきたのを、そこから更に一段と低い界の条件に合わせ、その界層の者と全く同じではないがほぼ同じ状態、つまり見ようと思えば見え、触れようと思えば触れられ、吾々の方からも彼らに触れることの出来る程度の鈍重さを身にまとっていました。

そしてゆっくりと歩み、その間もずっと右に述べた状態を保つために辺りに充満する雰囲気を摂取していました。そうすることによって同時に吾々はこれより身を置くことになっている暗黒界の住民の心情をある程度まで察することができました。

『ベールの彼方の生活(三)』潮文社刊
G.V.オーエン著
近藤千雄訳

高級霊は波長(あるいは波動)を下げて地上圏まで降下して来るのですが、そうすると、どうしても本来の軽妙で迅速な状態から鈍重な状態にならざるを得ないようです。

これは、肉体を失って霊界へ移行した人々からのメッセージからも推測される事ですが、肉体を持ってこの地上で生活するという事は霊にとって大変な束縛状態にあるのだという事が窺えます。

また、幽体離脱して高次の世界で活動する記憶を維持できるなら、それが実感として理解できるのでしょう。

その他にも霊媒の精神ないし霊的体質によるエクトプラズムの微妙な個体変差があります。エクトプラズム(※)は決して一様のものではありません。いちばん元になるものが霊媒から抽出されるからです。霊媒の体質が粗野であればエクトプラズムも精神的ないし霊的に程度が低く、精妙度が劣ります。

精神的に霊的に垢抜けした霊媒であれば、その性質がエクトプラズムにも反映します。(※元になるものをエクトプラズミック・フォースと言い、これに霊界の技術者が特殊な成分を混ぜ合わせてエクトプラズムをこしらえる。──訳者)

 こちらの世界の霊が地上と交信したいと思えば誰にでもかなえられるかといえば、必ずしもそうではありません。折角そのチャンスを与えられても、思うことの全てが伝えられるともかぎりません。その霊次第です。

しっかりとして積極性のある霊は全ての障害を克服するでしょう。が、引っ込み思案で積極性に欠ける霊は得てしてそれに必要なだけの努力をしたがらないものです。

ここまで読んできただけで、霊界との交信が大変入り組んだ、複雑なものであることが分かります。しかし、忘れてはいけない重要な事実があります。

私たちがこの地上で交霊会などを行なって交信している相手は、必ずしも霊とは限らないという事です。

この地上を取り巻いているエーテル界と言うものがあります。そこは人間たちの作り出した想念や記憶が堆積しており、私たち地上で暮らす者たちに影響を及ぼしているのです。

突然やって来る希死念慮や、不安、恐怖、欲望などの感情のエレメンタル(想念形態)はこのエーテル界に存在しており、地上の人間と波長が合うことによってその人に影響が現れます。

同じく記憶のエーテルもここにあり、地上から交信して何十年も前に他界した人と会話しているつもりでも、実際はその人物が残した記憶のエーテルと話しているだけ、というケースがよくあります。当の本人はとっくに向上して他の境涯へ移っているのですが…。

そのあたりの見分けがつかない為に低級霊やエレメンタルに騙されたり、ただの記憶のエーテルと交信している事に気づかず、事実を見誤ったりしているのです。

コナン・ドイルはこの事を特に注意するように言っていました。どうかスピリチュアリズムを伝えるのならば正しい知識を伝えて欲しいと。

私たちは本当にスピリチュアリズムの事を理解できているでしょうか。見えない世界のことです。十分に注意して、惑わされないようにしなければいけません。

それでは、今日はここまでとします。
いつもご覧下さりありがとうございます。

Capella✝️


いいなと思ったら応援しよう!