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ミライのキャリア#20フリーランスの実際① 起業編(8)

【えりな】
 今回はフリーランスの実際編です。フリーランスとして実際に働いている2人がフリーランスに必要なものを答えていきます。その二人というのは皆さんもご存知の通り、私えりなとCaol先生ですね。ホリデーさんは社長さんですからね。
【ホリデー】
 オレ、フリーランスじゃないんだ。
【えりな】
 そうらしいですよ。
【ホリデー】
 なんだろう。フリーランス気分なんですけどね。

フリーランスの仕事をしている理由


【えりな】
 そもそものところでCaol先生に聞いてみたかったことがあるんですけど、Caol先生がフリーランスの仕事をしている理由って何ですか。
【Caol】
 正直なところ、月給をもらう本業をやっているうちに、個人で請け負う仕事がだんだん増えてきて、それが役に立っているってところです。
【ホリデー】
 だんだんというのがポイントなんですかね。
【Caol】
 本業という言い方をしますけれども、公認心理師、臨床心理士として働いているスクールカウンセラーの仕事は、非常勤の掛け持ちからスタートしたのですよ。その時にクライアントにあたる人に、こういうこともできますよ、みたいな話を振っていたら、だんだんそういう仕事、例えば、 PTA の講演とか、あるいは、先生方の研修みたいな仕事が入ってくるようになったなーってのが、きっかけであり、スタートだったかなというところです 。
【ホリデー】
 フリーランスの仕事と一緒に、元々の勤め人としての仕事もしつつ、そこがクロスオーバーして行ったってそんな感じですかな。

フリーランス一本でやっていくタイミング


【Caol】
 そんな感じです。
 これを聞いている人のために、こうやっているうちに本業や、勤め人のところがとてもとても回らないとなったら、フリーランス一本でやっているんだろうなって、実際自分がやってみて多分こういう道筋になるんだろうなーっていうリアリティを感じています。
【ホリデー】
 フリーランスにすぐとなるみたいなことじゃなくて、どんどんいつのまにかそうなっていくっていうのは、確かになんかこう、フリーランスを続けていくコツみたいな感じであるかもしれないですね。えりなちゃんとこはどうです?
【えりな】
 そうですね、Caol先生の経過は私にも近いような気がしていて、私もフリーランスになったのは、成り行きと言うか、何かこだわってフリーランスになったわけじゃないんですよね。もともと自分のスピーチの仕事を開拓していく上で、スピーチの会社なんてなかったから、自分がフリーランスでやるしかなかった、っていうところが始まりなので、通じるものあるなーって思いました。
 では次の質問行きたいと思います。自分のやっている事業お仕事のアイデアが、どこから生まれてきましたか。

事業のアイディア


【Caol】
 具体的に言うと、スクールカウンセラーとして学校に入ると、さっきの例として出した PTA の講演会とか、先生方が外部から先生を呼んでちゃんとした研修をやんなきゃいけないっ、ていう場面に遭遇して、その時に、今日の講演ギャラはいくらですかとか、あるいはどうやって講師を呼んでいますか、って話を聞いた時に、できるじゃん俺。ここにクライアント受託先があるって事に気付いたんで、「私やれますよ」と話をしたっていうのがきっかけです。
【えりな】
 聞いてみたんですね。
【Caol】
 そうです。聞いてみたら、毎年予算があって誰か頼まなきゃいけないとか、広く公募するわけじゃないから誰に頼むかということで毎年困っているとか、毎年違う人を頼まなければいけないので、ネタに困っているみたいな話が出てきて、そうか、ここにチャンスがあるなあ、と思ったわけです。

【えりな】
 そうなんですね。なんかできるじゃん、っていうのが、さっきの質問の答えにもありましたけど、これ多分自分の枠があるじゃん、っていうのが、だんだん大きくなっていった結果、本業に近づいてきた、みたいなのかもしんないですね。

仕事を見つける視点


【Caol】
 私の話を一般化すると、何か本業として仕事をしている時に、これ個人で受けられるんじゃないかとか、あるいは、クライアント受託先の話を聞いている時に、この仕事は個人の発注ってあり得るかも、というみたいに、仕事を見つけるという視点で働くということなのかなと思います 。
【ホリデー】
 覆面ミリオネラという主人公が自分の身分を隠して、新しく事業を起こすっていうドキュメンタリーがあるんですけど、その主人公のグレンが最初に
「自分の売りたいものを売るよりも、まず先に客を見つけるって事が大事だ。」
 と言っていて確かになぁと思いました。
 Caol先生の話を聞いていると、そうだなーって思って、自分の能力がこうだから、それを売るためにお客さんを見つけるではなく、そもそもお客さんが最初にある、お客さんが先に見つかっているっていう状態が、まさにこの主人公のグレンが言っていたのと同じだと思って聞いていました。
【えりな】
 自分が会社でやっているんだけど、これ個人で受託できない?みたいな話は、デザインの業界にもあるような気がしたんですけど、どうですか?
【ホリデー】
 そうですねデザインもありますね。
 デザインもね、結構売り物がわかりやすいし、お客さんの困りごとも分かりやすいっていうところがあるんで、そんなに難しくなかった気もするけど、それはどうなんだろう。僕のキャリア的に難しくなかっただけで、他のデザイナーはどうなっているのかっていうのは、僕も知りたい感じではあります。
【えりな】
 デザインってフリーでやっている方もいるわけじゃないですか。それで、自分でお客さんを探さなきゃいけないっていう方もいるでしょうから、そういう方もどういうアイデアとか、どういうお客さんを見つけるかでね、お仕事の多い少ないが変わったりするんじゃないかなと思いました。

クライアントの困りごとを見つける


【ホリデー】
 そうですね。確かに、自分が持っているデザインスキルとか、デザインセンスみたいなのっていうのを、なんとかして買ってもらうっていうよりも、そもそもクライアントさんは、何に困っていて、何が欲しいんだろう、みたいな所から考えるって言うのは、むちゃくちゃ大事です。今でもそうしている感じですね。だからCaol先生が言っている「これって仕事になるじゃん」っていうのは、クライアントの困りごとをちゃんと見つけるっていうところが大事。
【えりな】
 私も今フリーランスでやっているアイデアっていうのは、まさにそこからは出てきたもので、自分がたまたま得意だった人の前で話す事っていうのが、みんなにとっては苦手のことだったんですよね。みんなできなくて困っていたんですよ。でも、それを助けてあげる人っていうのが、世の中にはとっても少なかったから、それを仕事にしようって思ったっていうアイデアがありました。
 この質問に関連して、デザインはどんな商品で、どんなサービスで、誰を相手にしているかっていうのは、分かりやすいと思うんですけど、じゃあCaol先生のやっているお仕事っていうのは、どんな商品で、どんなサービスで、誰を相手にしているんですか?

誰がカスタマーか?


【Caol】
 講演や研修会の講師をする、話をする立場っていうのは、目の前にいる観客がお客さんのように思えるんですけども、この人達は私にお金払ってくれないんですよね。こういうテーマで講演をやりましょうという発注元の人が真のクライアントです。
 商品サービスと言うのは、クライアントである講演研修の発注元の人の目的に合うものを提供する、ということが私のサービスしている物ってことになります。
 余談ですけども、私立の学校って誰がお客さんだと思います?
【えりな】
 生徒さんですか?
【Caol】
 保護者なんですよ。学校に金を出すのは保護者で、この人が私立学校のカスタマーです。
【えりな】
 確かにそうだ。
【Caol】
 なので、誰がカスタマーなのかを見誤ると、提供するサービスとかがマッチングしない、ということが起きると思います。今、私立学校にいてそう思います。
【えりな】
 だから講演の話も、聞いてくれている人とかその場にいる人がお客さんになるんじゃないんですよね。それにお金を出して依頼している人がクライアントですよってところですね。こういう誰が カスタマーかと言うことはフリーランスの人が見誤りがちなことかと思います。
 ちなみに、私はこのどんな商品サービスで誰を相手にするっていうのは、今でも画策しているところです。今までは自分がスピーチとか、人と話す方法ってことを教えるのをサービスにしていたんですけど、教える対象っていうのも、いろんな人がいたんですけど、これはフリーランスの人みんな悩むんじゃないかな。より自分のお客さんを限定する、ターゲットを絞るっていうのが、これから必要だなーって思って、私は経営者さんと、ちょっと障害があったりするハンディキャップがある人っていうのを、これからお客さんにして、そういう人をサポートするっていうのをサービスにしようかなーなんて考えていたりするところですね。
【ホリデー】
 なるほど面白い。
【Caol】
 そうすると目の前にいる社長さんに、どうですかスピーチ上手くなりたいですかっていうことが仕事になりそうですね。
【えりな】
 スピーチを教える人って別に他にもいますし、別に滑舌とかだったらアナウンサーさんとかに習ったらいいんですけどね。そうすると自分の競合他社が多くなっちゃうんですけど、じゃなくて、例えば、トーク、商談を成功するにはとか、あとは部下の気持ちがわかってうまくコミュニケーションして、会社を一体化させるには、みたいな、そういうところから全部含めてサポートしたりとかしたいなと思っているところです。
【ホリデー】
 自分のスキルを売る対象を自覚的に考え始めたのって、何かきっかけとかってあるんですか ?
【えりな】
 これまでは、半分雇われて都内のスクールで教える仕事をしていたんですよ。でも自分が先生を教える先生の先生みたいな立場まで来ちゃったんですよね。そうした時に後輩も育ってきたし、自分でしかできないことしなきゃっていうのが、すごく大きくなってきて、年内でやめようと思ったですよ。そのタイミングがきっかけだったかもしれないです。
【ホリデー】
 なるほどね。その時に、どういう人が自分のスキルを求めて、困りごとを解決できる対象っていうのが、こういう人なんじゃないかってのを、色々考えたっていう感じなんですか?
【えりな】
 そうですね。やっぱり私がやっている中で、来てくれる生徒さんにそういう層が多かったっていうのがありました。
【ホリデー】
 分かりやすかったんですね。
【えりな】
 さて、とっても盛り上がってきていますが、私、この話はいくらでも話せるんですか、次回続きをお話ししていきたいと思います。

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