ミライのキャリア 第6章 キャリアとチャンス
この文章は、ミライのキャリア#29”より良いキャリアのために自分ができること”〜#30”番外編アートは生き方”を加筆し再構成したものです。
(1)より良いキャリアのために自分ができること
【えりな】最終章です。今回は「より良いキャリアのために自分ができること」というテーマでキャリア形成に役立つやり方考え方について、Caol先生にお話していただきたいと思います。
キャリアに計画や戦略が持てるか?
【Caol】キャリアと言うと、これまでは計画とか戦略とかいう言葉が使われていたのですが、これはこれから述べる二つの理由により、計画とか戦略を持って行動することはとても難しいです。
一つには、自分のキャリアを計画的に作るとか、戦略的に動くといったビジョンを持つことが難しいです。えりなさん、ホリデーさん、30年後の自分のキャリアを考えて「戦略的」に動いていました?そもそも大学1年生ぐらいの時に30年後の自分のビジョンなんて持っていました?
【ホリデー】そう言われるとね。なんかお金を稼ぎたい。金を稼いでいる人でいたいぐらいは、確かにね、思っていましたけど、それはキャリアじゃない。
【Caol】ビジョンでもない。
【えりな】確かに、今でも30年後の自分のビジョン持ってないなぁ。やばいなぁ。
キャリアのゴールを決めない
【Caol】言った私もそんなビジョンとか計画なんか持ってないです。
二つ目の理由としては、こっちがより重要だと思うのですが、キャリアって偶然の出来事で決まることが多いです。偶然は自分でコントロールできません。これは私の経験だけで言っているのではなくて、クランボルツという心理学者の研究で明らかになっています。
じゃあ、どうすればいいのか。考え方は二つあって、一つはキャリアのゴール目標を決めないということです。
【ホリデー】何?決めない。
【えりな】決めるのじゃなくて。
【Caol】クランボルツさんは、キャリア形成は偶然の出来事で起きるということを理論化し、計画的偶発性理論としてまとめました。この理論の結論の一つが、ゴールを決めないことで先の目的にこだわらずに、今の状況でより良い方を選択するというやり方です。いかがですか。
【ホリデー】いやなんか、そりゃそうだろうよっていう感じだけど、なんか騙されている感じもちょっとある。分かんないことが分かった理論みたいな、なんかちょっと若干狐につままれた感じがしません?
【えりな】より良い方ではなく、悪い方向方法を選択したい人なんていないですからね。より良い方法ってどう選んだらいいのでしょうね。
キャリアアンカー
【Caol】ゴールを決めないってやり方をする時に役に立つのは、実は今までやってきたキャリアアンカーです。
【ホリデー】ここでキャリアアンカーが出てくるのか。
【Caol】キャリアアンカーは、仕事に対する価値観を見るもので、自分の大切にしている価値観が分かっていれば、偶然の出来事に対し、どっちが自分の価値観に合ってそうかと選ぶことができます。
【ホリデー】なるほど、確かにそういう風にして、自分の判断基準を持っておくと、自分の価値観と照らし合わせて判断がしやすくなるっていうのは、まあなんか理解できますそうですね。
【えりな】キャリアアンカーの回を聞いてくれた私と同世代の友達が、やっぱり迷ってどっちの価値観に合っているのかなっていうのを、このキャリアアンカーを材料にして考えたって言っていたので、確かにこれは、使えるんじゃないかな、と思いました。
【ホリデー】良い補助線になりますね。
【Caol】8つあるキャリアアンカー、全部欲しくなりますが、全部得られる職業や仕事はないですよね。ほとんどあると言った創業社長ホリデーさんも、安定と保証はないと言っていましたよね。
【ホリデー】今日も奥さんと、貴族と労働者みたいな話になって、「貴族になりたい」って言ったら奥さんが、「いや貴族も大変だよ」って言われて、確かにそうかもしれない。安定しているように見えるけど、それはその立場での悩み苦しみとか不安ってあるのか、っていう風に思うと、安定はどこにもないのだな、っていうのが分かるランチの会話でございました。
【Caol】貴族を不労所得で生活する人と捉えると、その立場になったから失うものもあるよね、ということは分かります。
【ホリデー】人の上に立つっていうことは、それはそれで大変ですね。
キャリア形成に役立つ5つの行動特性
【Caol】キャリア形成に役立つ考え方、2つ目は、「取るべき行動」ですね。これも度々名前を挙げているクランボルツさんが、計画的偶発性理論で明らかにしていることです。以下の5つの行動特性がチャンスをつかむ、偶然の出来事をプラスにできる人、とされています。
・好奇心
・持続性
・楽観性
・柔軟性
・冒険心
ホリデーさんいかがです?
【ホリデー】別に自慢するわけではないのですけど、僕結構全部持っているかもしれないですよね。
【Caol】それが社長の資質ということですかね。
【えりな】私、楽観性がないかもしれないですね。結構なるようになるさ、って思えなくて、思いつめちゃいがちなのがいつも自分の好奇心をさえぎってしまいます。
【Caol】この5つの行動特性は、行動特性という形で現れている通り、生まれ持った性格特徴というよりは、マインドや姿勢ということですよね。なので、この5つのマインドを意識して行動すると、チャンスを得るのにプラスになると言われていますし、実際そうだろうなと思います。
【ホリデー】なるほど、自分は性格的に今の5つの行動特性が持てないのじゃないか、っていうのは思い込みで、そういうのは全然持っているよ、っていうことを知っておこうって事ですね。
【えりな】なるほどじゃあ私もまあチャンスはいつかやってくるし、って自分で楽観的になろうって思っていれば、チャンスが来るかもってことですね。
【Caol】では実践編として、好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心を、そういえばこういう場面でこれ使うとか、私これ意識して行動してますみたいなことあります?
楽観性を発揮するために寝る
【ホリデー】あるある。楽観性を使うのは、どんなに仕事が切羽詰まっていても、もうなんか夜眠たくなったら「もうええか」で寝ちゃいますね。もうだめだと思って「これできないわ」と思って、もう起きてやっていてもしょうがないから、もう寝た方がいいなと思って寝ます。きっとなんとかなるからまあいいや、って寝るみたいなことが結構ありますね。だから大分僕、楽観的なのだと思う。明日の自分が何とかしてくれる。
【えりな】必要だなあ。私も眠たくなったら寝よ。
【Caol】私がよく使う言葉で「敢えて寝る!」
【ホリデー】これも経験上学んでいるところがあって、結局寝ずにやっても、たいして成果が上がらないっていうのがよく分かっていて、寝ずにやって成果が上がらないと、さらに自分を不安に思い、メンタルの状態が悪くなって、次の日になっても結局生産性が上がらないのだったら、もう諦めて寝ちゃった方が、まだなんとかなる確率が少しだけ高い。
楽観性って削られていくのですよね、睡眠不足によって。楽観性をキープするためにも寝る。
【えりな】楽観性を寝ることによって作り出しているのですね。それは大切だなあ。
【Caol】この5つの行動特性は生まれ持った特性ではなく、意図的に作り出すものなので、「こうやって楽観性を作り出す」というのは良い話ですね。
【ホリデー】みんな僕にそこまで期待してないから、これぐらいでいいんじゃないって思う。とか人間そんなにできないよ、とか、仕事だとなんかこうすごい完璧にしなきゃいけないって思っちゃうのだけど、結局でも仕事をするのは人間なのだから、まあ人間なんてそんなもんじゃないと思うけど、まあいいのかなっていう気持ちで、寝る。
【えりな】一番最後にとにかく寝るのが重要だ、みたいな話になっています。
好奇心と冒険心
【Caol】この5つの行動特性は、どれも重要ですが、好奇心と冒険心の2つはポイントになるとこだと思います。
チャンスというのは、好奇心とか冒険心とか新しいことを探索する事によって掴めるんじゃないかなと私は思っているんですけどどう思います?
【えりな】5つの行動特性の中だと冒険心と好奇心が私は一番強い。なんならそれだけでがんばっているのですよね。冒険心と好奇心ってなくならないのですよね。何か達成したところで、また出てくるものだから、無限に自分がエンジンをふかしてがんばっていけるガソリンみたいなものだと思うのですよ。
それで私は何かに成功したわけじゃないけど、でもこれがある限りは折れずにがんばれる気がするので私もこれは大事かなと思いますね 。
【Caol】キャリアの話に戻すと、何か新しいオファーが来た時に、駄目かも、というよりは、何それ面白い、そういうのが多分チャンスを呼ぶんだろうなと思います。
【えりな】それ大事ですね。
【Caol】終わって成長を感じると美しい。
運転免許理論
【ホリデー】僕が運転免許理論と呼んでいるものがあるんですね。車って子供の頃は運転できないじゃないですか。だからものすごい遠い存在で、ちょっと憧れの存在。
子どものころ思ったのが、俺にも車運転できるようになるのかな?思ったんだけど、よくよく冷静に考えると、大人になって特に僕は田舎の出身なので、田舎だと車が運転できないと、そもそも生活ができないし、だいたいほとんど、どんな大人も車を運転しているのを見ると、今の自分にはなんかできないと思っているかもしんないけど、多分自分もできるようになるんだろうな。だってみんなできているんじゃん、という考えが、運転免許理論の主軸。
それを他にも当てはまると、自分ができなくても誰かできている人がいる、これが大谷翔平みたいなレベルになると、さすがに無理なんだけど、そこをぐっとレベルを下げて、草野球でヒットを打つだったら、俺もできるかもしれない。音楽とかできないかもしんないけど、なんか音を鳴らすことぐらいは出来そう。そういう風に考えると、誰かが何かできているんだから、これでやってみたら自分もできんじゃねーみたいな、なんかそういう気持ちでやっていると、結構何でもできるようになる、というのが運転免許理論です。
【えりな】なるほど、できない今の自分は、それはできないと思っていますからね。運転と同じでやってみたらできるようになる、ということですね。
【ホリデー】やってみたら別に、そこまでレベルが高いことをやっているわけじゃない。そういうことが結構多いということが分かる。それを突き詰めると、それこそ野球の大谷翔平とか将棋の羽生さんとかのようにすごい人たちになるのは、さすがに無理かもしれないけど、その手前ぐらいまでは、やったらできるよね。大体はそんなものだよなーって思うと、やってみたらいいじゃんって思っちゃう。
まとめ
【えりな】今日の話をまとめまると、
キャリア形成にプラスになるのは、自分の価値観キャリアアンカーを知っておくこと。
新しいことに興味を持つ好奇心
失敗してもくじけず続ける持続性
ポジティブに考える楽観性
あとはこだわらずに考える柔軟性
そして、結果がわからなくてもチャレンジし続ける冒険心
この五つのマインドを持つっていうことが大事で、もともと持ってなくても自分の意識次第で持つことができますよという話でしたね。あと寝るのは大事だ、という話でしたね。
(2)番外編「アートは生き方」
職業?人間だ
【えりな】今回は番外編としてこれまでのキャリアとは全く違う話、アーティストとして生きるには、という話をしていきたいと思います。
【Caol】かの画家岡本太郎さんは「職業?人間だ」といっていました。これは確かにそうでアーティストと言うのは表現活動や作品制作をすることが先で、それで生計を立てることはあと。他の職業のように、まず生計を立てるためになる、ということがない。なので、アーティストと言うのは「表現活動をする」という生き方である、と言えます。
【ホリデー】そうですね。職業選択の中でアーティストを選ぶというよりも、やむにやまれずアーティストになる。職業というか商業アーティストというかいると思うのですけど、多分やむにやまれずそういうことをやるしか自分には生きる道がない、みたいな感じの人が、たまたま作品が売れたから、まあ自分も一応アーティストとして食べていけているのかな、みたいなことになっている。アーティストになろうと思って、職業として、それを選ぶっていう人って、そんなにいないのだろうなっていうのは、そうだなと思いますけどね。
【Caol】じゃあ、そういう美術や音楽などのアーティストになるためにはどうすればいいのか。結論から言えば、表現活動や作品制作を続けること、どうしたら続けられるかを考え、実行すること、ということですよね。
【ホリデー】そういうことでしかない。
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