ズボラ人間のエコ挑戦記「マイストロー攻略法」
ストローいりません、自分のを持っているので。
注文を取りに来た店員の方にそう言うと、鼻で笑われた。
ランチタイムで忙しかったのだろうか、その後に運ばれて来たウーロン茶には思い切りプラスチックストローが差さっていた。
マイストロー生活を始めてしばらく経つが、その攻略はなかなかやりがいがある。
まずもって店員の方に上手く伝えるのにコツがいる。
単にストローはいらない、とだけ伝えると、は?と怪訝な顔をされる。
だから、自分のストローを持ってきているので、と説明すると、ああと相手は頷くものの、忘れられて伝えた意味を成さないことは日常茶飯事だ。
他に難しいのは伝えるタイミングだ。
飲み物を手渡されるときに伝えようと構えていると、既にストローを添えた状態で手渡されて、ああーと落胆することが何度あったか知れない。
気まずい場面でいうと、もともとストローは添えないタイプのお店で、先走ってストローはいらないですと伝えたときだ。
飲み物が運ばれて来たときにストローの姿はなく、よしよしと内心頷いて、ふと周りを見渡すと誰のグラスにもストローなんてものはないときの居心地の悪さといったら。
そんな幾多の失敗や気まずい場面を越えてきて、最近の自分の中でのベストアンサーは飲み物注文時に「ストローが付いているのであれば、自分のを持ってきているので、いらないです」というフレーズである。
やはり店員の皆さんは、曖昧な頷きを返してくれることばかりだが、今のところ、この伝え方だと一番打率が良い気がしている。
店員の方々が上手く主張を汲んでくれたとき、冷たいスムージーなんかを持参した太めのストローで啜るのは気分が良い。
使い捨てストローとは距離を置こうと思い立って手に入れたマイストローは太めのものと細めのものが2本セットになっており、水色の涼し気な色のステンレス素材でできている。お気に入りだ。
ストローを選びに行ったとき、スムージーを飲むこともよくあると伝えると、それなら絶対太めのものもあったほうがいいと売り場で勧められて、それならとセットになったものを買うことにした。
スムージーはもちろん、タピオカやらシェイクやら、そういったものも何でも来いという気持ちになるので、セットで持っておくと自信満々に何でもオーダーできる。
自分がストローを1本、2本減らしたところで何が変わるわけでもないとは思う。
ただ、これまで店員の皆さんとの幾多の押し問答がありながら、減らしたストローの数は片手で束ねて溢れるくらいはあると考えると、少しだけ愉快だ。
マイストローでの挑戦はゲーム感覚で取り組むと楽しい。
ちなみに、ストローを断るとにっこり笑顔で応じてくれて、会計時に「ストローありがとうございました」とお礼まで伝えてくれたお店もあった。
そんなお店には積極的に通うようにしている。接客も丁寧でご飯も美味しい静かなお店だ。
マイストローは良い店を見つけるバロメーターにもなる。