♪はーるのーうら〜ら〜の♪瀧廉太郎の「花」は4曲で構成された組歌《四季》のうちの1曲です
23歳10ヶ月で亡くなった瀧廉太郎が、1900年21歳の時に作曲した組歌《四季》。
それまでの外国曲に日本語の歌詞をつけた唱歌ではなく、日本語の歌詞に質の良い音楽をつけて発表することで、少しでも日本の音楽の発展に役立つことができれば、という思いで作曲されました。
すでにあった「花」と「雪」の詩に先に作曲し、夏の詩は先輩の東くめに依頼し、秋の「月」の詩は瀧廉太郎自身が作詩してから作曲したようです。
①四季それぞれの詩を見てみましょう。
「花」
作詩:武島又次郎(武島羽衣)
「納涼」
作詩:東くめ
「月」
作詩:瀧廉太郎
「雪」
作詩:中村秋香(あきか)
文語で書かれているので、一見難しそうですが、内容は日本の四季の美しさを詠っているので共感できる部分は多いのではないでしょうか。
現代の言葉の意味と違うという部分で気をつける言葉は次の2つです。
かげ🟰光
あやしき🟰神秘的だ
②演奏形態は?
「花」二部合唱曲
「納涼」独唱曲
「月」無伴奏四重唱曲
「雪」ピアノとオルガン伴奏の混声四部合唱曲
演奏形態だけを見ると、独唱曲「納涼」ならメロディを覚えて歌えそうに思えますが、長調→短調→長調と展開する上に、その中でも揺れ動く曲調はまるでシューベルトの歌曲のようで、音楽経験者でなければさすがに「花」のように気軽には口ずさめそうにありません。
他の2曲も、メロディは美しいのですが、やはりハモってこその美しさと歌う喜びがあります。
そういうわけで、明るくのどかな、流れるようなメロディで、ハモりやすい「花」が広まっていったのも納得です。
それでも、日本の音楽の発展のために、熱い想いで作曲されたこの組歌はどの曲も美しく、その季節ごとの情景や温度が表現されていて、ピアノパートも素晴らしいです。
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