『セカンド・ラブ』をどう歌うか、楽譜を眺めて考えてみました
2月から3月にかけて、中森明菜さんの『セカンド・ラブ』をいくつかのグループ講座で取り上げてみました。
来生えつこさん作詞・来生たかおさん作曲の1982年の作品です。
音源を聴いていると、切なさが素敵で、どう歌えばこんな風に聴こえるのか、もちろん明菜さんの歌唱力が大きいですが、私たちにもできることは何かしらと、楽譜を見ながら考えてみました。
①まずは歌い始めは、裏拍とも言いますが、手拍子をした時に、パンパンという音と音の間のタイミングから歌い始めますので、はっきりとした強い歌い出しではなく、やはりどこか儚げに、ふと呟いたように歌い始めると良さそうです。
そして語尾の「なら」は、短い音符なので、声を伸ばさずにスッと消えるように歌うと、より儚げに。
②そしてようやく手拍子と同時に歌い始めがくるのが「うつむくだけなんて」の所からです。
③ここからは、思いが募って募って、ワンフレーズごとに溢れ出るように歌いたい感じです。
この辺りの語尾は、最後から2番目の文字を少し後ろへ引っ張るように(「かーえーりたくなーい」「そーばにいたーいーの」)歌うようになっているので、訴えている雰囲気が出ています。
そして、この感情の高ぶりと、それを口に出せない落胆も音に表されていました。
「帰りたくない」から始まりの音が階段を登るように一つずつ高くなっていきますので、歌う時も意識してみたい所です♪
ファから始まる「帰りたくない」
ソから始まる「そばにいたいの」
ラから始まる「その一言が」
1番高いラの音で始まる「その一言が」の後、「言えない」は、低い音のレに降りて、さらに最初と同じ弱く儚げな歌い出しへと戻ります。
グッときます。
④感情の高ぶりと落胆の後、サビです。
「抱き上げて」から「私を運んで」まで休符がありません。そして言葉を後ろへ後ろへずらしていくようなリズムになっていますので、切なさが最大限に出ています。
重要なのは「ほしい」の前にやっと出てきた意味ありげな休符のタメを意識して、「ほしい」に臨みます。
この「ほしい」は、自分なりに工夫できそうです。儚げにでも良いし、明菜さんのように少し鼻にかかった甘えているような声を使っても良いし、もう少し強めに、など、色々試してみると楽しいと思います♬
最後の「せつなさの〜とまどうばかりの私」は、休符なしで、終わりに向かって音も段々低く消えるように作られています。
そうなると、やっぱり先ほどの「ほしい」がとても大切な箇所に思えてきました。
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