感性に対する過剰な信仰
感性に対する信仰が強い人、多いですよね。特に芸術系の人で。
ITだけじゃなくて食品だってそう。市場の状態と自分達の力量を客観的に分析して、自分達がターゲットにできる人々が、欲しそうなモノをまず最初に特定してから作品を作る。
どんなビジネスでも、このプロセスは外せない。「1人の天才とおぼしき人間の感性に委ねて、予算を投入して成功を祈る」なんてことは、普通ではありえない。
なんで音楽だけは、それをやらなくて良いのでしょうか?「それをやっちゃいけない」って感覚に、何で人々はなるのでしょうか?笑
現代社会において、マーケティングは必要不可欠です。マーケティングに頼らないで成功する人は、ほとんどいないと思います。マーケティングに頼らない人は相当な強運の持ち主です。
音楽だけじゃなく漫画や映画にしても、まず入念な市場分析があり、その上で作家性を乗せるのが通常です。
あのメガヒットを飛ばした「君の名は。」なんかはその典型で、完全にマーケティングの勝利ですよね。
http://www.cyzo.com/2017/02/post_31616_entry.html
「視聴者の好きそうなものを、てんこ盛りにした作品じゃないか!まるで作家性が無い」といった批判が、クリエイターサイドの方から上がっていました。
作家性をどこまでもどこまでも殺して、市場に合わせたんです。その結果としてのメガヒットです。
人間的では無いですし、視聴者をどこか見下してる風にも感じられます。でもビジネスはお金を稼いでナンボです。なので、これもありなんですよね(笑)
同じように現在の日本の音楽業界は絶賛縮小中です。若い女の子もK-popの「世界で通用するセンス」に惹かれて、「J-popはもう聴かない」って子も増えてきてます。
ネット時代なので当たり前なのですが、本当に良いモノって隠せない時代なんですよね。
つまり西野カナ的な手法って、生き残るのためには極めて当たり前の手法なのです。
ビジネスって生き残ることが絶対条件です。そりゃマーケティング無しで、クリエイターの感性に委ねて、それで顧客が満足すればそれに越したことはありません。
でも世の中にはコンテンツが無料有料問わず溢れかえっているのです。強力なライバルもいる。なので、マーケティング無視するのは、現実的なやり方ではありません。
普通の会社で企画を出す時に、統計データなしで自分の感性のみでプレゼンするところを想像してみてください。上司に張り倒されますよね(笑)
僕が出会った芸術系の方、音楽や漫画などで活動されてる方で、マーケティングをまるでやらない。統計完全否定。断固感性。そんな人が結構な数いたので、今回は書いてみました。
マーケティングをまるで無視するのは、他の業界と比較するとちょっと異常な感覚です。現状の音楽業界や漫画業界などの市場環境から見ても、リスクだらけです。
クリエイターの感性に頼る部分が大きいからこそ、マーケティング色を隠そうとするクリエイターがいるからこそ、このような感性に対する強い信仰が生まれていると思うのですが、この闘争の歴史はまだまだ続きそうですね(笑)
僕の場合は、徹底した市場分析をして、じゃぶじゃぶ課金を生み出すゲームクリエイターなどが、「えげつないけどカッコイイ!!」と思ってしまう人間なので、マーケティングに対する抵抗は、全く無いのですが(笑)