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徒然なるままに

どぼどぼどぼどぼと、
重くてうんざりするような、
大粒の雨が夕べからずっと降り続いていたのに

朝刊をとりに外に出たとき
我が家の前を、小学生くらいの女の子が一人
自転車で通りすぎていった

しかも雨のなか、トトロの唄を大きな声で歌っていた

誰も聴いていないと思って
無防備に歌うその姿が
屈託がなくてとても微笑ましかった

今日は終戦記念日

終戦記念日には雨が降る
それは兵隊さんの涙なんだよ、と
祖父母から耳にしたことがあった

子供の頃の自分にとって
それは悲しいような、恐ろしいような話でもあった

いつだったか、まだわたしが子供の頃の
雨が沢山降っていたお盆時期のこと

雨で傘を差していたせいもあって
よく確認もしなかったので
斜めお向かいさんの三角屋根のついた角提灯が
傘を差して立っている人に見えて
前を通る時、こんばんはと会釈をして
通り過ぎたことがある

何の返事もなかったのだが
別に気にもせず通り過ぎた

しかし、帰ってきたとき
まだ同じ場所にその人(その角提灯)が立っているのが見えて不気味になってしまった

『あれー、まだ、あの人(あの角提灯)立っている』

もしかしたら兵隊さんの亡霊なのかも知れない!…

と思い、急いで帰宅した

家に帰ってから
変な人がずっと立っていたことを
早速家族みんなに伝えた

母が見に行く
わたしも付いていく

ここで、私が挨拶をしていたのは
何と角提灯であったということが判明するのだが😞💦

そこで、角提灯の意味を教えてもらった

故人が、故人となってはじめてのお盆に帰省する時、迷子にならないよう目印として家族が角提灯をさげておくのだという

この夏は父のために実家の玄関先にも角提灯が立っている

しかし父ならば、迷子になる前に
キュウリの馬に乗っていても
寄り道満載で、遅い到着になったのだろうなー、
と思ったりする

そして、今頃はもう茄子の牛に乗って戻るところか

想像していたら、父が沖縄に旅行したときの
牛車に乗った写真を思い出して笑ってしまった

あのあと、急性腰痛(所謂ぎっくり腰)で
八重山病院に入院し10日程もお世話になったんだったな、、、

この時一緒に旅行していた母や友人ご夫婦は
そのまま旅程を全うし、
父は何とか飛行機に乗れるまでに回復を、
と静養を続けた

その間、入院中に知り合って仲良くなった地元のかたから、退院したらサトウキビの収穫に来ないか?と誘われたこと、
その時、『腰が悪いので無理』と返事をしたけれどもうっかり連れていかれそうになったこと、等々の
エピソードが思い出される

その時の話を思い出して
つい可笑しくなる

さてさて、
少しは小降りになってほしい、と思っていたら
やっと雨は小降りに、空はいくらか明るくなってきたではないか

これがいつまで続くのかわからないところが
また悩ましいのであるが。

それにしても
徒然なるままに過ごす週末には
意図せず色々な思い出に再会できるものである

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