【CANSLIM87点】3498 霞ヶ関キャピタル
※次回更新予定 24年8月期本決算 10月上旬
CANSLIM分析評価
1.C (Current Quarterly Earnings)
点数: 14点/15点満点
評価:
2024年8月期第3四半期の売上高は前年同期比で82.0%増、営業利益は249.2%増と強力な増加傾向が確認されています。EPSは289.29円で前年同期比381.3%増加しており、基準の25%を大幅に超えています。このように四半期ごとの利益成長は非常に強力です。
2.A (Annual Earnings Increases)
点数: 14点/15点満点
評価:
通年EPSも大きな増加を見せており、2024年8月期予想では前年比2倍を記録しています。ROEも20.25%と、オニールの基準である17%を超えており、持続的な成長が確認されます。2年以上の増加傾向も続いています。
3.N (New Product or Service)
点数: 8点/10点満点
評価:
霞ヶ関キャピタルは冷凍自動倉庫や環境配慮型物流施設の開発を推進しており、物流業界での差別化が図られています。さらに、FAV HOTELシリーズなどのホテル事業でもブランド展開が進み、成長の余地がありますが、革新性においてはさらなる進展が期待されるため、満点には至りません。
4.S (Supply and Demand)
点数: 13点/15点満点
評価:
出来高は増加傾向にあり、信用倍率も9.01倍と高い水準で需要の増加が確認できます。株価の上昇と出来高の動向は需給バランスが良好で、買い需要が高まっている状況が伺えます。
5.L (Leader or Laggard?)
点数: 8点/10点満点
評価:
レラティブストレングス値は全銘柄で95位と高水準にありますが、トップクラスのリーダー銘柄とまではいかないため、リーダー性は評価できるものの、満点には至っていません。
6.I (Institutional Sponsorship)
点数: 9点/10点満点
評価:
機関投資家の保有は複数確認されており、特に大手機関が主要株主に名を連ねています。機関の安定した保有は、株価の安定と成長に寄与しており、高評価となります。
7.財務の健全性
点数: 9点/10点満点
評価:
自己資本比率は36.5%と健全であり、キャッシュフローも強力です。借入金も増加していますが、それを上回る成長を示しており、財務的には安定しています。
8.成長株としての成長余地
点数: 12点/15点満点
評価:
時価総額は1,296億円で、冷凍自動倉庫市場やホテル事業での成長余地は大きいと考えられますが、競争が激化する市場においてさらに競争力を高める必要があります。
総合評価
点数: 87点/100点満点
総合評価:
霞ヶ関キャピタルは、CANSLIMの多くの基準を高いレベルで満たしており、特に四半期および年間業績の成長が顕著です。今後のさらなる製品やサービスの革新性、競争力の強化が期待され、成長株としてのポテンシャルは非常に高いと評価されます。
財務諸表・株価・出来高・信用残高評価
(1) 過去5四半期から見える財務諸表に関する評価・変化点
貸借対照表:
過去5四半期の貸借対照表からは、霞ヶ関キャピタル株式会社が大規模な資産増加を実現していることが読み取れます。特に総資産は5四半期で67,597百万円まで拡大しており、これは販売用不動産や開発事業支出の増加が主要な要因となっています。この点から、同社は積極的な不動産投資を行っており、さらなる売上拡大を狙っていることが伺えます。しかし、流動負債や短期借入金も増加しており、特に短期借入金は8,907百万円に達しています。このため、事業資金の調達依存度が高まっている点には注意が必要です。資金繰りにおいては短期的なリスクがある一方、長期借入金の増加も伴い、企業が資金調達に強い意欲を持っていることが明らかです。財務健全性の維持が今後の課題となるでしょう。
損益計算書:
売上高は前年度比で大幅に増加し、2024年8月期の第3四半期までに33,595百万円と82%増加しています。特に、不動産販売セグメントでの伸びが顕著で、同事業が収益の大部分を占めています。一方で、販売費及び一般管理費も増加しており、収益拡大に伴うコスト増加が見受けられます。営業利益は249.2%増の3,643百万円と大幅な改善を見せており、効率的な経営が進んでいることが伺えます。為替差益や利息収入も寄与しており、経常利益はさらに上昇しています。しかしながら、営業外費用も増加しており、特に利息支払の負担が見逃せません。総じて、同社の成長は顕著でありながらも、コスト管理が鍵となる局面が続いています。
キャッシュフロー計算書:
営業キャッシュフローは3,643百万円のプラスとなっていますが、販売用不動産の増加が大きな要因です。また、キャッシュフロー全体において、財務活動によるキャッシュフローが増加し、長期借入金の調達に支えられています。このため、成長を加速させるための投資が続いている一方、資金繰りの観点からは慎重な管理が求められます。投資活動によるキャッシュフローは増加傾向にあり、開発プロジェクトへの積極的な投資が続いていることが分かります。しかし、これらの投資がどのように収益に転じるかは今後の焦点となるでしょう。
(2) 直近1年の株価・出来高・信用残高/倍率に関する評価・変化点
銘柄株価推移と日経平均株価推移との比較:
霞ヶ関キャピタルの株価は、2024年8月以降に急激な上昇を見せています。日経平均株価の推移と比較すると、同社の株価上昇は独自のトレンドを描いており、特に2024年8月16日以降に劇的な上昇を記録しています。これは同社の事業戦略や業績改善が投資家に高く評価されている結果と考えられますが、急騰に伴う一時的な市場の過熱感も否定できません。長期的な成長性を維持できるかが重要なポイントとなるでしょう。
出来高:
出来高は2024年8月以降、特に急増しており、投資家の関心が高まっています。出来高が顕著に増加していることは、株価の上昇に伴い、短期的な投資家の売買が活発化していることを示唆します。特に一時的な投機的動きが目立ち、出来高の増加は市場の期待感とともにリスク要因も伴っている可能性が高いです。長期的な視点での出来高の推移を注視する必要があります。
信用残高/倍率:
信用倍率は非常に高い水準に達しており、特に2024年8月には659倍という異常な数値を記録しています。これは、信用買い残高の急増と売り残の極端な少なさが原因で、投資家の強気姿勢が続いていることを示しています。しかし、この高い信用倍率は、将来的に大きな下落リスクを孕んでいる可能性があり、注意が必要です。