【CANSLIM85点】3915 テラスカイ
※次回更新予定 25年2月期中間決算 10月中旬
CANSLIM分析評価
1.C (Current Quarterly Earnings)
点数: 13点/15点満点
評価:
2025年2月期第1四半期の四半期EPSは前年同期比で393.5%増加、売上高は33.5%増加しています。オニールの基準である25%以上の成長を強く超えており、業績は非常に良好です。また、複数四半期連続での増加傾向も確認できるため、高得点を与えています。
2.A (Annual Earnings Increases)
点数: 12点/15点満点
評価:
通年EPSは87.4%増加と好調で、売上も25.5%増加しています。過去2年の成長率も安定しており、ROEは57.8%とオニールの基準である17%を大きく上回っています。持続的な成長が期待できるものの、利益の成長率が少し低下しているため、満点には届きません。
3.N (New Product or Service)
点数: 8点/10点満点
評価:
テラスカイはクラウド関連市場で新サービス「mitoco AI」の提供を開始し、生成AI技術を活用して市場での差別化を図っています。また、NTTデータとの提携も成長を促進しています。株価は堅調ですが、年初来高値の更新は確認されていないため、満点には達していません。
4.S (Supply and Demand)
点数: 10点/15点満点
評価:
出来高は増加傾向にあり、株価も上昇しています。しかし、信用倍率が2.62とやや高く、需給バランスが不安定な面が見られるため、点数はやや控えめに設定しました。
5.L (Leader or Laggard?)
点数: 8点/10点満点
評価:
レラティブストレングス値は全銘柄中208位と高い順位に位置しており、市場のリーダーとしての地位を維持していますが、トップ銘柄には少し及ばない点がマイナス要因となります。
6.I (Institutional Sponsorship)
点数: 7点/10点満点
評価:
NTTテクノクロスや日本マスタートラスト信託銀行など複数の機関投資家が株式を保有しており、機関投資家からの支持は安定していますが、保有の増加傾向は限定的です。
7.財務の健全性
点数: 9点/10点満点
評価:
自己資本比率57.8%、流動資産増加、キャッシュフローも安定しており、財務状況は非常に健全です。負債も適度にコントロールされており、財務的リスクは低いと評価されます。
8.成長株としての成長余地
点数: 8点/15点満点
評価:
時価総額は285億円で、まだ成長の余地があります。クラウド市場の拡大やNTTデータとの提携によるシナジー効果が期待されるものの、競争の激化や市場の成熟に伴うリスクも考慮しています。
総合評価
点数: 85点/100点満点
総合評価:
テラスカイはCANSLIMの基準を概ね満たしており、特に四半期業績と年間成長率の面で高評価を得ています。新製品や提携による成長のポテンシャルもありますが、需給バランスや機関投資家の保有動向に多少の不安が残るため、投資対象としては非常に魅力的であるものの、一部のリスクを留意する必要があります。
財務諸表・株価・出来高・信用残高評価
(1) 過去5四半期から見える財務諸表に関する評価・変化点
貸借対照表:
テラスカイの貸借対照表を振り返ると、総資産が2024年2月期末から2025年第1四半期にかけて約2.6%減少しました。特に投資有価証券が約22%減少しており、資産の減少に大きく寄与しています。これに対して、現金及び預金は増加しており、財務の健全性は引き続き維持されていることがわかります。負債に関しては、流動負債が増加し、主に契約負債が大きな要因です。これは、事業拡大や前受け金の増加を反映しており、短期的にはキャッシュフローの圧迫が見られますが、将来的な収益拡大への備えとも解釈できます。
損益計算書:
売上高は2025年第1四半期で前年同期比33.5%増加し、約58億円に達しました。この成長は、同社のクラウド事業における持続的な需要を背景にしたもので、特にSalesforceを中心としたクラウドサービスの導入が大きく貢献しています。営業利益も前年同期比207.6%の大幅な伸びを示しており、事業効率の改善が大きな要因と考えられます。ただし、今後の課題として、販売費及び一般管理費の増加に注意が必要です。
キャッシュフロー計算書:
2025年第1四半期の営業キャッシュフローは前年同期比で大幅に増加し、企業の収益性の改善が明確です。一方、投資活動によるキャッシュフローは引き続き負の値を示しており、特に投資有価証券の売却が減少の主な原因です。財務活動によるキャッシュフローは安定しており、企業の資本調達が計画的に行われていることが見受けられます。全体的に見て、企業の資金運用は安定していますが、さらなる成長に向けた投資が進行していることがうかがえます。
(2) 直近1年の株価・出来高・信用残高/倍率に関する評価・変化点
銘柄株価推移と日経平均株価推移との比較:
テラスカイの株価は2024年初頭から顕著に上昇し、特に2024年8月以降に急騰しています。これはクラウド関連事業の堅調な成長が市場に好意的に受け止められていることが要因です。一方、日経平均株価は一貫して上下に揺れ動く動きを見せており、テラスカイの株価上昇は独自の成長トレンドを描いています。日経平均を超えたパフォーマンスを見せており、個別の成長株として投資家の注目を集めています。
出来高:
2024年8月以降、出来高も急増しています。これは、特に2024年8月末にかけてテラスカイへの投資家の注目が一気に高まったことを示しており、成長期待が高まっていることがうかがえます。この出来高の増加は、株価上昇とともに投資家の関心が短期的に集まっていることを反映しています。今後は出来高の持続性が鍵となり、過度な売買が落ち着くかが注目されます。
信用残高/倍率:
信用倍率は、直近で3.42倍と比較的高い水準にあり、信用買い残が多いことを示しています。これは市場における投資家の強気な姿勢を反映していますが、同時に高倍率は株価の変動リスクを伴う可能性があるため、注意が必要です。全体的に見ると、信用残高の動きは市場の期待感を裏付けていますが、過度の信用買いには慎重さが求められます。