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110 西九州新幹線開業に思う

7月9日から10日にかけて長崎を訪ねました。長崎はこの9月23日に西九州新幹線が部分的に開業。博多方面からのアクセス方法が大きく変わります。

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華々しくデビューする新幹線「かもめ」がPRされる中で、長崎県内から消えていくのが885系の特急「かもめ」。

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私の息子が2歳のとき初めて買ったプラレールが特急「かもめ」として使用されるこの885系。思い入れのある車両です。今後も九州各地を走り続けますがこのエリアからは姿を消すことになります。今乗っておきたい列車です。

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長崎駅は2年前の3月に高架化された駅が開業。スタイリッシュな駅に生まれ変わりました。

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ちなみにこちらは2年前まであった平面ホーム時代の長崎駅。函館駅のような港町のターミナル独特の哀愁を感じさせてくれる駅で好きでした。

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かつての長崎駅も壊されて今はごらんのような状態。いまここは新しい駅ビルと駅前広場の建設が進められています。駅ビルは来年秋完成。あたらしい長崎の顔になる予定です。

親しんでいたものがなくなっていくことは寂しいですが、これも長崎の未来のため。新しく変わっていく長崎駅の姿を期待して待ちたいと思います。

西九州新幹線は九州新幹線の新鳥栖駅から長崎駅までを結ぶ計画ですが、このうち武雄温泉から長崎駅までが先行開業。博多駅から武雄温泉駅までは当面在来特急の「リレーかもめ」や「みどり」が連絡する役割を担います。

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【 ↑ 長崎県のHPより】

武雄温泉駅では新幹線と在来線との対面乗り換えを行い、乗換え手間はあるもののスムーズに移動して3分の乗換え時間で連絡を行う予定です。

この方法はかつて九州新幹線が新八代駅から鹿児島中央駅までを先行開業させたときと同じ。スムーズに移動できるかシミュレーションも実施済で、開業時は混乱があるかもしれませんが混乱自体はいずれ解消していくものと思われます。

問題は西九州新幹線全線の開業はいつなのか、という点。

国がフリーゲージトレインの開発を断念して以来、フリーゲージトレインでの開通を推し進めたい佐賀県とフル規格で建設したい国との間の距離が縮まらず、どの方法で、どのルートで新鳥栖駅と武雄温泉駅を結ぶのか全く決まっていない状態です。

佐賀県は総じて博多との距離も近く、新幹線ができても短縮できる時間は限られるのにフル規格の新幹線の建設費を負担する必要はない、という立場。最近になって少し態度を軟化させたと聞きますが、用地買収もこれからの状態でいったいいつになったら全線開業できるのかわからない状態です。

長崎県も無関係ではなく早く全線開業して博多まで直通してほしいと願ってるんでしょうが、県としては武雄温泉駅で分断されても時間が短縮できるメリットのある部分開業の方を選んだということなのでしょう。利用者としては乗り換え手間というのは結構なデメリットだと思うんですが。

在来線では特急が停車していた地域では猛反発も起きました。北陸新幹線以降、新たな新幹線が開業すると並行在来線はJRから切り離されるのが通例ですが、沿線の鹿島市などは反発、交渉の結果上下分離方式でJR九州がしばらく列車を運行し続けることで合意、肥前鹿島駅までの特急「かささぎ」を運転する約束まで取り付けました。

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西九州新幹線建設では佐賀県と長崎県の県同士の立場の違い、同じ佐賀県の中でも自治体によって立場が大きく異なり対立が浮き彫りになりました。そして残ったのがいつ全線開業するかわからず西の端で往復運転するにとどまるに至った部分開業の新幹線。佐賀県が安易に国に妥協せず地域の未来のためにどんなインフラが必要か真剣に考えて答えを出そうとしている姿は評価できます。ただ一部でも県内を通る新幹線を作ってしまったのは事実なので一刻も早く国との協議を進めて最適な答えを見つけてもらいたいと思います。

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地域の人々が、そして旅行者が利用しやすい鉄道の早期の実現を。

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ミヤコカエデ(Miyako Kaede)
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