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301 線路は消えても幸せへの思いは続く~帯広・愛国駅&幸福駅
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士幌線探訪に続き、再び帯広駅です。
今でこそ高架化され分岐する路線もなくさっぱりとした駅になってしまいましたが、かつては北へ南へ支線が伸びる十勝の鉄道の一大ターミナルでした。
先日は帯広から北に延びていた旧・国鉄士幌線の廃線跡をご紹介しましたが、今回は南に延びていた旧・国鉄広尾線の廃駅を訪ねたいと思います。
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国鉄広尾線は帯広と十勝南部の広尾町の広尾駅を結んでいた86kmの路線でした。1929年に開業し、当初は襟裳岬を周って浦河に到達、そのまま苫小牧までつなげようという計画でしたが計画は頓挫、1987年に廃止されました。日高山脈の反対側を走っていた日高本線も2015年に高波で大きな被害がでて運転を休止、苫小牧ー鵡川間を残して2021年に廃止されてしまいました。ここは広大な鉄道空白地帯です。
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廃止されてから35年が過ぎようとしている広尾線。ですがこの路線には帯広市きっての観光名所があり、今も観光客が絶えることがない場所があるのです。
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それが愛国駅、そして幸福駅。昭和48年にNHKの番組で縁起のいい地名として取り上げられたことから人気に火が付き、「愛の国から幸福へ」と謳った2つ先の駅「幸福駅」までの切符は昭和53年に1000万枚売れる記念切符としては異例の大ヒットとなりました。
愛国駅、幸福駅とも交通公園として整備され、今も観光客が絶えずやってきます。ちなみに愛国、幸福とも地元の地名からつけられた駅名です。
愛国駅
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愛国駅のホーム跡には蒸気機関車9600形が保存されています。保存状態もよく今にも走り出しそうですね。
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駅舎の中は交通資料館になっていて、広尾線の歴史や鉄道機材を展示。無数の切符も貼られていました。
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愛国駅は広尾線が途中の中札内まで開業した昭和4年に営業を開始しました。広尾線の中でもっとも古くからある駅であり、多くの市民を運び活躍した往時の姿をもっともよく知る駅でもあります。
幸福駅
愛国駅からさらに車を南に走らせて幸福駅へ向かいます。こちらは昭和31年に開業した全線開業の後にできた駅です。
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お札のように張られている切符は、駅前の土産物店で購入してこの地を訪れた観光客が幸せを願ってお札のように貼っていくもの。
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駅舎の中にもこのようにびっしりと幸福の切符が貼り巡らされています。世の中幸福を願わない人はいないですもんね。
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愛国駅とは異なり、こちらに展示されているのはキハ22形。キハ20形の寒冷地仕様版としてこの地を走りました。
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雪に濡れた靴が滑らないように床は木張り。今こんな車両みかけないですよね。時代を感じさせます。
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冷房はなく扇風機のみ。青い直角のボックスシートも懐かしさを感じさせます。北海道には今も冷房のないキハ40がありますが、今後は北海道でも冷房があるのが当たり前になりそうですね。
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鉄道は消えてしまいましたが、幸福を願う人々の気持ちは永遠に消えることはありません。「愛の国から幸福へ」は廃止から35年の月日を経た今でも人々の心に生き続け、両駅は幸福を願う人たちでにぎわいを見せています。
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