178 JRからトロッコ保津峡駅まで京都近郊の秘境を歩く
10月、紅葉シーズン前に旅色記事を書くために嵯峨野観光鉄道を訪ねました。
その際、沿線随意つの観光スポット、保津峡にも立ち寄りました。
嵯峨野観光鉄道の終着駅「トロッコ亀岡」駅から徒歩10分ほどでJR馬堀駅に到着。ここからJR山陰本線で京都方面に1駅戻るとJRの保津峡駅です。
車窓からも峡谷の美しい景色を眺めることができます。平成2年の線路の付け替えでトンネルの多くなったこの区間ですが、それでもこのような景色を見ることができます。
保津峡駅に到着しました。トンネルを抜けるとすぐホーム。こちらも山陰本線の線路付け替えの際に移設開業した駅。旧駅は嵯峨野観光鉄道の駅になっています。
新駅になっても保津峡駅は山の中。桂川の支流の橋梁の上にホームが造られています。周りはすべて山、そして川!観光都市嵐山と京都のベッドタウン馬堀。その間にあるのに周りに民家は一切ない都会の中の秘境駅です。
JR保津峡駅からは清滝、高雄など京都の奥座敷にハイキングすることができ、リュックを背負ったハイカーもちらほらとみられます。トロッコ保津峡駅までまでも歩いて10分ほどでアクセスすることができるのですが乗換駅として案内されているわけではないのでここを歩く方はわずか。今日はここを歩いてみることにします。
まだ10月中旬で木々は青々としていますが、ところどころ黄色く色んだ木もみられます。向こうには山陰本線の走る鉄橋も眺めることができます。
10分も歩けば嵯峨野観光鉄道の「トロッコ保津峡」駅。
看板はあるのですが、駅は橋を渡った向こう。
高所恐怖症の方にとってはなかなかつらそうな橋。平成2年まではここがJR保津峡駅。夜ここを渡って帰るのはなかなか怖そうです。まぁ、利用者のほとんどはハイカーでこんな橋をこわいと思う人はほとんどいないんでしょうが…。
橋の上からの保津峡の景色は絶景!保津峡下りもここを通ります。
橋を渡ると「トロッコ保津峡」駅。ここでトロッコ列車を乗降するお客さんは少ないですが、若干ながら先述の清滝方面へのハイカーが利用することがあります。
なお、トロッコ列車の運賃は嵯峨や嵐山から乗ってもここからのっても全区間均一880円です。
ホームから先ほど渡ってきた橋を眺めることができます。
サスペンスドラマなどの撮影でも使われたことがあるそうです。峡谷の上に懸かる橋は絵になりますね。
ホームでトロッコ列車をお出迎えするのはタヌキの置物たち。タヌキは「他を抜く」に通じます。嵯峨野観光鉄道の業績向上を祈願してこのタヌキたちが設置されたそうです。大きな親タヌキから小さな子タヌキまできちんと並んでお出迎えしてくれます。
ホームから川をのぞいていると保津峡下りの船が流れてきます。わたしを見つけておーい、と手を振ってくれましたので振り返します。
JRの方でも見かけましたが結構速い流れの皮を上手に岩や河岸にあたらずに上手に通っていきます。実際乗るとスリルあるでしょうね。
もう一艘きたので、今度は先におーい、と手を振りました。が、1人しか手を振り返してくれませんでした。船によって個性があることを知りました。
少し待っていたらトロッコ嵯峨行の列車がやってきました。ヘッドライトを灯した列車がトンネルを抜けて駅にやってきます。
機関車に引かれたトロッコ列車が颯爽とホームに滑り込んできました。全席指定のこの列車。この駅は券売機などはなく指定券を買うことはできませんが、空席があれば乗車可能です。
紅葉シーズンが終わり、12月から春まではトロッコ列車も運休。この駅もしばし眠りにつきます。また春が来たら深緑を見に保津峡を歩いたり、トロッコ列車を楽しむたびに出かけてみるのもいいと思います。