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49 地元民も知らない!大都名古屋を走るローカル線
名古屋のお隣、春日井市の勝川に来ました。
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この駅は中央線の駅ですが少し変わった構造をしています。
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下り線ホームから撮った写真。向かい側には上り線ホームがあるのですが、この間にぽっかりと開いた不自然な空間があるのです。
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実は勝川駅には中央線の他にもう1本、城北線という路線が乗り入れています。今は改札を出て乗り換えるのですが、将来はこの空きスペースに路線を乗り入れさせて構内で乗り換えを可能にする。その敷地が確保されているのです。
それでは今日はその城北線に乗ってみましょう。
駅構内には大々的に「城北線のりかえ」と案内がされています。
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改札を出てさらに案内。階段を降りるのですね。
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北口に城北線のりばの案内。よくある乗換駅ならここを出るとすぐに城北線の駅舎なんかがありそうですが…
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それらしきものはありません。そしてさらに城北線はあっちですよ、と案内が。
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で、案内通り進んでいったら行き止まり!小さく城北線↑なんて書いてあるけどどういくねん!
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と、思ってたらありましたわ、案内。
…って、案内がだんだん雑になってないか?
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矢印の方向に歩いていくと彼方の方に階段っぽいものが…!
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あった!やっと着いた!これが城北線の勝川駅です。
じゃあ、ここを登ってホームに…
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と思ったら登った先はホームではなく通路でした。
どこまで歩かせるねん。
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通路をあるいてようやくホームに到着。奥には効果の中央線があって新型の315系が颯爽と走っていく姿が見えました。
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JR勝川駅との位置関係はこんな感じ。今日は晴れていたからいいですけど、雨の中屋根もないところを7分も歩かされるのは面倒なものです。早くさっきの空いたスペースに乗り入れてくれないものでしょうか。
そう言いたいところですがことはそう簡単ではないようです。
城北線は国鉄時代に貨物輸送を目的として勝川と枇杷島の間に建設されました。貨物輸送目的だったので途中の名鉄などとの乗り換えは考慮されていません。
そのためどの駅も乗り換えはできない、または微妙に遠くなってしまっています。
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そのうえ名古屋を走ると言っても郊外を横断するのみで都心には入らないため需要が多くありません。そのため日中は1時間に1本しか走らないのです。
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また、城北線はJR東海の子会社、東海交通事業が運営していますが設備は同社が所有しているわけではなく、鉄道建設・運輸施設整備支援機構を支払っています。その金額は年50億近く!しかもその負担は、もし城北線を設備強化した時には資産の価値が上がるので負担する額も増えるという国鉄時代の妙なルールに則っています。
そのため城北線は立派な高架なのに非電化、高架なのにエレベーターもありません。JRの系列なのにICカードも使えません。線路は新幹線のお下がりを使うなど設備の強化を全く図ろうとしません。さっきの勝川駅乗り入れなんて夢のまた夢なのです。
2033年に借金返済が終わればJR東海がこの路線を自由にできることになります。活性化させるつもりなら勝川乗り入れや、枇杷島から一駅の名古屋まで延伸することも考えるでしょうが、元来が閑散路線なので過度な期待はできなさそうです。
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と、長々と話しているうちに列車が来ました。1両編成のかわいいヤツです。
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車内はこんな感じ。ボックスシートとロングシートの金剛型で、お昼の時間帯はボックスシートだけでじゅうぶんすわれます。通勤通学時間帯はもう少し混雑するのでしょう、
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名古屋近郊区間にあって唯一非電化区間であるこの路線。1両の気動車がディーゼル音を鳴らしながら走っていきます。この路線は全線高架。そして走行右手にせんろがみえますが基本複線で作られています。ハイスペックで作られていますが走っている列車の本数は残念ながら少ないです。
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効果を走る城北線は見晴らしがとてもよく、名古屋駅周辺のビル群もしっかり見ることができます。正月には初日の出号が運行され、列車に乗りながら初日の出を拝むことができます。このときは多くのお客さんで混雑します。
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途中の小田井駅は名古屋北部では人気のある住宅地で大きな商業施設もありますが人影もまばら。ほとんどは名古屋市街に直結する名鉄や地下鉄の上小田井駅を利用しています。上小田井駅と小田井駅。歩けなくはないですが微妙に離れています。ほかに味美駅も名鉄にも駅があるのですが微妙に離れています。冒頭に紹介した勝川駅といい、乗り換えは本当に不便な路線です。
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そうこうしているうちにしゅうてんのびわじまえきにとうちゃく。この駅だけはJRと一体化されていてスムーズに乗り換え可能です。この先一駅行けば名古屋。同じJR系列なのでできそうなんですが、やりません。そこまでの需要がないということでしょうか。
ちなみに勝川から枇杷島まではこの城北線で乗り通すと450円。大回りになりますが中央本線で名古屋で乗り換えて来ると330円。後者の方が時間がかかりますが前者は本数が少なくそもそも知名度がないので沿線の人は迷いなく後者を選択します。
名古屋という大都市圏にありながらローカル線の地位に甘んじている城北線。10年後にJR東海のものになったとき、どういった変化を見せるのでしょうか。
しかと見届けたいと思います。
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