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312 サステナブルな街づくりのベースを担う・宇都宮ライトレール乗車記
8月26日、北関東の中心都市、宇都宮市に新たな鉄道が開業し大きな話題を呼びました。
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新たな街づくりの切り札となったライトレール
それが「宇都宮ライトレール」。宇都宮市とその東隣の芳賀町を結ぶライトレールです。宇都宮の都心部に近い区間では路面を走る区間があり、まったくの新設の路面電車の開業は75年ぶりのことでこれが鉄道ファン以外の人たちからも注目を集めることになりました。
「ライトレール」とは「専用軌道を基本とし併用軌道を最小限とすることで、概ね運行が道路交通に影響されない形態の都市旅客鉄道」のこと。バスや路面電車よりは輸送力があり、近距離の旅客輸送に徹する鉄道のことで近年注目を集めています。
宇都宮市の鉄道網は、JR日光線や東武宇都宮線などが市の西側を走り、バスも西側を中心に路線を伸ばしてきました。「駅裏」にあたる東側は新興住宅地や工場などが立地しているにもかかわらずバス便も少なく車での移動が前提となっていて慢性的な渋滞に悩まされてきました。特に鬼怒川を渡る橋の渋滞はひどかったそうです。また、東北本線によって町を東西に分断され、東西を結ぶ公共交通網が脆弱であることも市の課題でした。そこで1987年頃から新たな鉄道を敷いて渋滞を緩和するとともに新たな街づくりを進めようと計画が進められてきました。35年の長きにわたり準備を進め、この8月26日、ようやく開業の日を迎えることとなりました。
黄色いライトレールで一路、東へ。
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そんな新たな街づくりの切り札として生まれた「宇都宮ライトレール」は宇都宮駅東口から東に向かい、芳賀・高根沢工業団地までの14.8キロを45分ほどかけて走ります。
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JR宇都宮駅東口を出て「ライトラインのりば」と書かれた階段を下りると宇都宮駅東口駅。ライトレールの起点となる駅です。
将来は西口方面、二荒山神社や東武宇都宮駅方面まで走ることが計画されています。
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整理券は駅で発券するシステム。これであれば自分が乗った駅とは違う駅で整理券を抜かれる心配はなくなりますし、子供がおもちゃと勘違いして駅ごとに抜いてしまうといったトラブルもなくなります。
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現金精算は先頭車両の運転士に声をかける必要があります。
一方、これまで公共交通機関に乗ることがなかった人が多いことから交通系ICカードを持つ人が少なく、乗降の際に現金精算が多発してダイヤが乱れたというケースが見られました。最近はICカードを持つ人が増えたようですが、いつも乗る方はやはりICカードは持っておいた方がよさそうです。
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おっと、わたしの乗る予定の列車が来てしまいました!
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宇都宮駅東口方面行きがホームに滑り込みます。
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駅東公園駅から列車に乗りました、このあたりは路面電車区間。東日本は路面電車の走る都市が少なくなれていないためか、早速自動車との接触事故もあったようです。慣れていないだけに車の方は電車の動きに細心の注意が必要です。不用意に線路内に侵入しないようにしましょう。
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郊外に進むと専用軌道に入りました。鉄道にとってはそこそこ勾配のある区間をすいすいと登っていきます。
地域交通の軸として機能するライトレール
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高架の専用軌道を降りると平石駅に到着します。片面の駅が多い中、ここは2面4線の交換可能駅。この駅で折り返す列車も設定されています。また、パークアンドライドの駐車場を整備してここから市街地への鉄道利用を促しています。
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平石駅に限らず、宇都宮市はライトレールを軸にして、各駅に地域内交通乗降所を設けています。定時運航のバスのほか、予約して乗車するデマンドバスを用意して地域の足を確保し、ライトレールとの乗り継ぎ割引も行っています。
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列車は芳賀町に入り、終点の1つ手前のかしの盛公園前駅に到着。「工業団地」と名前がつく駅の間にある公園の前にある駅ですが、本田技研工業の門が近くにあるからか最も多く降りていたのがこの駅でした。
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そして終点の芳賀・高根沢工業団地に到着。こちらも目の前が本田技研工業の工場の門の目の前。工場に勤務する方を輸送する目的で作られたこともありこの場所に駅が造られています。
芳賀町でもライトレール開業を機にバスなどの交通網の見直しが行われました。先の清原地区市民センター前駅や芳賀町工業団地管理センター前駅にトランジットセンターが設けられ、町の中心部に向かうバスが発着しています。
車内をご紹介。
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下り列車は通勤、通学時間帯ということもあって混雑し写真を撮る状況ではありませんでした。上り列車はこんな感じ。通勤列車の反対方向は閑散とすることが多いですが芳賀・高根沢工業団地駅から乗る乗客はわたし1人でした。写真は撮り放題でしたがちょっと寂しいです。
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タッチ忘れしないようにしましょう。
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宇都宮市、芳賀町の新しい交通軸として誕生した宇都宮ライトレール。開業はゴールではなく、スタートです。周辺の地域内交通と連携して市民に愛され活用されてもらえる鉄道を目指して日々取り組んでいかれることを願ってやみません。
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