野球のデータ活用組織には様々なスタイルがあり、「スカウティング領域」は分析のフロンティアである
SAJ2021での「スカウティングのアナリティクス」の話
1/30にSAJ2021で、ホークスのGM補佐・嘉数駿さんとのセッションをひとつつくりました。
2020年の9月末〜11月頭にかけて、個人的に12球場をまわり、各球団のデータ活用部門の方とのコミュニケーションを重点的に進めていました。
どの球団でもテーマにしていたなと感じたのは「スタッフ教育体制の整備」と「スカウティングでのデータ活用」でした。
具体的には
・プレーデータやコンディションのデータなどはチーム内で計測でき始めていて、活用方法が見えてきているが、実際に体制を組んで運用するところに課題がある。
・チーム内では計測できない情報が必要な「スカウティング部門」の体制をどう整備するかは課題である。
というような内容です。
SAJ2021ではこのうち、今後データ分析を活用した改善可能性が高いと考えられるスカウティング分野について、嘉数さんにお話をうかがいたいと思います。
「データ活用組織はいろんな特徴がある」という話。
1、ホークス(エンジニアリング型)
2、ベイスターズ(データサイエンス型)
3、イーグルス(スポーツサイエンス型)
監督、コーチ、選手との現場との融合はいずれの型でも必要不可欠なのですが、この記事から見えてくる話は「データ活用の中心的役回りを担う人の専門性が違ってくると、目的を達するための体制や具体的な施策が変わってきますね」という点で、これは興味深い話です。
ただいずれも「選手のスカウティング組織をどうするか」についての言及はまだ少なくて、プレーデータをどう活用するか?の話がメインでした。
MLBだとこの辺の話がかなり出てきておりますが、野球の能力は汎用的な指標で評価され始めた一方で、日米のプロ野球関係者からは
・チームの哲学ややり方に合う人間であるか
・変化の激しいプロ野球の環境で今後成長できる人間であるか
など、人間性がチームに合致しているかを多角的に評価することは以前より求められているという話もあり、野球選手のスカウティング、スカウトに求められる能力がより一般的な採用人事に求められる話に近くなっているように感じます。
となると、決して「スカウトはもういらない」という話ではなくて「もっと専門的な能力のあるスカウト、採用担当が活躍できるように、体制を整備する必要がある」という話なんだろうなぁと思っています。
SAJ当日はこの辺を嘉数さんに深掘ってみたいです。
「トレバー・バウアーも出るよ」という話。
なお、SAJ2021では2020年のサイ・ヤング賞投手であるトレバー・バウアー投手も登壇しますので、ぜひ見に来ていただければと思います。
トレバー・バウアーの話については、丹羽さんが「89meetings」でも語っていますので、予習にどうぞ(58分くらいからぼちぼちバウアーの話があり、メインは1時間10分くらいからです)。