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強迫性障害について

私は小6から高3くらいまで多分、強迫性障害だった。

強迫性障害とは、不安障害の一つ。意味のない事だと分かっていても、強迫観念が浮かんでは強迫行為を繰り返してしまう。

私の場合は、文字の読み書きに最も苦労した。字を何度も書いては消し、書いては消し、ノートが破れる事も何回もあった。中学生の時はかなり酷かったので、国語の時間の漢字練習タイムが苦痛で仕方なかった。5分間で何文字かしか埋められない事もあった。何回書いても納得出来ないので、友達にふざけた感じで頼んで、書いてもらう事もあった。

自分で丸つけをする時も、納得のいく丸が書けない。結局30回くらい丸を書いてしまったり。そのため、赤のペンはすぐにインクが切れた。

生活ノートという、一日の事を書き込んで先生からコメントを貰うノートも書くのが億劫だった。1日のタイムスケジュール、色を分けて書いていたが、その色が普通に塗れない。やめられなくて、めちゃくちゃ濃くなってしまう。先生から見られたくなかった。

文字も上手く読めなかった。心の中で台詞のように読まないと気が済まず、詰まると読み直し。大好きな漫画も、読むのにすごく時間がかかった。台詞の後の「・・・」の数をいちいち全て数えなければ気持ちが悪かった。とにかく飛ばす事が出来ず、効果音の「アアアア」なども心の中で声に出して読んでいた。

歯磨きの置き方?置き場?が気に入らなかったり、引き出しの閉め方が気に入らなかったり。朝の時間が無い時でも、何度もやり直した。

自分は本当に困った奴だと思っていた。出来るだけ変だと思われないように、バレないように、頑張っていた。「何やってるの?」と言われるのが怖かった。実際言われた事も何度もあるし、変だと思っていた人も沢山いたと思う。

何で意味のない行動だと分かっていても、やめられなかったか。多分伝わらないと思うけど、「これじゃ、こうなってしまう」という強迫観念がいつも頭をよぎっていたから。基本的には家族に関することが中心だった。テスト前や受験前は、それに関連した強迫観念が浮かぶ。

大学2年生の時、心理学の授業で初めて強迫性障害の事を知った。自分は病気だったのだと分かり、すごく安心した。ただの変な、気持ちの悪い人ではなかった。大学生になり字を書く機会が少なくなっていたので、元々かなり症状は治まっていたが、これを知って更に症状は軽くなった。

精神障害、発達障害。

「障害」と判断されること、「障害」のレッテルを貼られることの是非について、しばらく考えていた時期があった。結局よく分からない。ただ、私はあの時自分が強迫性障害だと分かっていれば、幾分か楽になれたと思う。そういう人がいることも、身をもって理解できた。

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