#15 世界遺産の運河でプラスチックフィッシング〔オランダ滞在記〕
アムステルダムの、
世界遺産に登録されている4つの運河の1つ
Amsterdamse Grachten で、
プラスチックフィッシングに参加してきた。
簡単に言うと、水上ゴミ拾い。
これの主催は、Plastic Whale という会社。
Plastic Whale
概要はこの記事が分かりやすい(↓)。
プラスチック自体を悪としてるんじゃなくて、
使い方に問題を向けてるのがいいなと思った。
情報を加えると、
もともと一般企業に勤めていた Marius Smit さんが
活動を始めるきっかけとなったのは、
マレーシアのリゾート地で
キレイなビーチがプラごみで覆われたのを見て
ショックを受けたこと。
2011年に開始して、
その活動を通して集まったプラスチックを使った
最初のボートが2014年にできたらしい。
今は、ボートのみならずオフィス家具も作ってる。
廃棄物が経済価値のあるものに生まれ変わるのも、
サーキュラーエコノミーのひとつ。
ゴミ拾いというエンタメ
ゴミ拾いを最後にしたのはたぶん中学生の時。
部活がない日に学校から袋を配られて、
道端に落ちてるゴミを拾いながら友達と帰る
みたいなことをしてた学校は
自分のとこだけじゃないと思う。
あの時は特に好きでも嫌でもなかったけど、
今回やったプラスチックフィッシングは、
「タノシ~イ!!」ってなるものだった。
ここでは、実際に参加してみて感じた楽しさを紹介。
周りの人を巻き込む
ボートに乗ってる人は網でゴミを捕獲するけど、
この活動と関係ない周りの人もどんどん関与させるのが
おもしろかった。
今回担当してくれたハーパーさんが、
「意図的に運河にゴミを捨てる人はいない。
地上でポイ捨てされたものが、風に流されたりして、
低地にある水にたどりつく。
だから、運河の近くに落ちてるゴミも回収する。」
って教えてくれた。
見つけたら、運河沿いにいる人に声をかける。
「このボートはプラスチックボトルでできてるんだよ!
そこに落ちてるボトルも材料にできるから拾ってくれる?」
こうやって拾ってもらうことによって、
自主的にゴミ拾いに参加してない人でも、
ゴミについて考えるきっかけになる。
声かけられて嫌な顔する人はいなくて、
皆快く協力してくれるし、
中には自ら近づいてきて
「君たちのやってることは重要なことだよ、
本当にありがとう!」
って言ってくる人もいたり、
すれ違うクルーズの船長が感謝の気持ちを込めて
挨拶してきたり、
船の上でパーティしてる人に
シャンパングラス片手に「Cheers !」って
言われたりもしたw
ミニゲーム
この活動に個人で参加することもできるし、
学校とか企業とかの団体で参加することもある。
団体の場合は、ミニゲームで勝負するという
楽しさもあるらしい。
ミニゲームの種類は2つ。
1. チーム戦: 取れたゴミの量を競う
2. 個人戦: クリエイティビティを競う
後者がどういうことかというと、
拾ったゴミから物語を創造するゲーム。
例えば今回の回収物の中だと、
バラの花と風俗店のチケットが変わりダネ。
プリンセスにバラの花を渡そうとしてナントカヒントカ~
みたいな感じで物語をつくる。
よりクリエイティブな物語をプレゼンした人が勝利。
景品ゲット。
モノの行先を想像する
地上にあった割とキレイな NIKE のスニーカーとか、
まだ全然使える頑丈なカゴとか、
そのまま使えるものはリユースへ。
リサイクルよりもリユースが優先。
この靴はサイズが合う誰かにあげるね~!
ってハーパーさんが言ってた。
どこに行くんだろう。
誰の手に渡るんだろう。
って想像してわくわくするのも1つの楽しみ方。
驚いた。皆はどう思う?
1つびっくりしたのは、
水のきれいさ基準の乖離。
「手が汚れたら川に手突っ込んで洗いな!」
って言われて「!?」ってなった。
拾ったボトルに入ってる得体の知れない液体は、
ボートの袋に入れる前にそこらへんにこぼす。
その上、色も濁ってて、
自分はきれいとは思えなかったけど、
「魚も泳いでるからキレイだよ!
自分は今日泳いだぐらいだしね!」
って言ってた。
日本人だからか自分だけなのかは分からないけど、
手は洗えたとしても泳ぐのはさすがに。。
びっくりびっくり。
おわりに
水の都「アムステルダム」の街並みを楽しみながら、
周りの人との交流を楽しみながら、
運河のゴミを釣る2時間は充実だった✨
コロナで人が外で活動しなくなって
ゴミの量も減ってたけど、
また人が集まり出したのに伴って
運河のゴミの量もやっぱり増えたらしい。
ゴミ・環境への関心の輪を広げていくことは
アムステルダムに限らずあらゆる場所でできる
ことだし大切なこと。
沖縄の将来を考える上でも、質高い学びの時間になった。