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時を超えて

この場所には、須賀神社という碑が建立されている。
半世紀ほど前、須賀の森公園と私たちは呼んでいて、下校後定番の遊び場だった。
この立派な碑の後ろに見えている楠の朽木は中が空洞になっていて、小学生の頃には中を通り抜けたりしてジャングルジムのように遊んだものだった。
碑も含めて柵が設置され、現在は近寄ることもできない。
公園の面積はその場所を横切る幹線道路ができたためだろう、約半分に縮小されている。

この公園には樹齢600年と伝えられる楠と、秋にはたわわに銀杏が実るイチョウの巨木が当時と変わらない姿で、憩うまばらな人を見下ろしている。
雨の日や夏の日には庇になって守ってもらったものだった。


樹齢600年とされる楠
秋には銀杏がたわわに実るイチョウの木


定年を機に親と同居するため、この街に戻ってきた。
半世紀余りを超えて様変わりした街を散策していると、時を超えて残っているものに目が留まり足も止まる。

最寄駅も川の護岸も場所が同じなだけで姿を変える中、わずかに残った場所、モノ、店。

懐かしいというのでもなく、回想を促されるわけでもなく・・・。


この駅前の空き地もマンションが建つわけでもなく、奥の白い縦縞は塗装し直した貨物列車。
昔からここには黒い貨物列車がポツンと置かれていたが、当時は見えている土地の中心辺りだった。


アイスモナカ、ソフトクリーム、冷やしコーヒー、冷やしあめ、回転焼きが当時のメニュー。
店構えは多分当時のまま。


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