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【24-25 Champions League 2回戦アストン・ヴィラvsバイエルン・ミュンヘン】マッチレビュー
【はじめに】
おはようございます、Cannyです。
只今の時刻は朝6時過ぎ。試合終了と同時に興奮冷めやらぬまま執筆し始めています。
41年ぶりのCL挑戦となった今シーズン。初戦AWAYでのBSCヤングボーイズ戦を戦い抜き見事3-0で勝利を収めた我が軍。続く2戦目、我らのホームスタジアム「ヴィラパーク」に迎え撃つはCLで6度の優勝を誇るブンデス・リーガの超名門・強豪クラブ、バイエルン・ミュンヘン。
試合開始前から厳しい展開、困難なゲームになることが予想されていましたが、なんと、、、なんと、、、!!
勝ちましたーーーーーー!!!!!!!!!!!!
やったーーーーーーー!!!!!!!!!
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結果は1-0で見事バイエルンを下してグループステージ2連勝を飾りました。サポ歴2年の新米ヴィランズですが全然泣けます(泣)
ということで、今回はヴィラの保持・非保持での狙いや良かった点を挙げつつ、簡単にマッチレビューをしていきたいと思います。
※内容の薄さ、拙い文章構成、誤字脱字などはお許しください。
【用語説明】
ここから先のマッチレビューで使いそうな言葉を載せておきます。
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【スタメン】
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ウナイ・エメリ監督はコンディション不良のベイリー、負傷で離脱中のマッギンの代役として、この大舞台でフィロジーンをスタメンに抜擢。
【ヴィラの保持(バイエルンの非保持)】
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まず、ヴィラは自陣(ゾーン1)ではGKも含めた[1-2-4-4]でビルドアップを試みます。
この時特徴的だったのはLSHのラムジー(27分以降はフィロジーン)の立ち位置で、大外で幅をとるのではなく早い段階からハーフスペースにポジショニングしていました。
これは、①相手が人基準で捕まえてくることで広がるライン間のレシーバーを増やしたい、②ロングボールを蹴った後のトランジション(ポジトラ/ネガトラ両面)対策としてワトキンスの近くに人を配置したい、などが大きな狙いではないかと推察します。
対するバイエルンはオリーセがジャンプして[4-4-2]で構えたところから画像のように、
・ニャブリがパウ・トーレスに外切りプレス
・オリーセとパヴロヴィッチがドブレを管理
・ライマーはディーニュの管理をしつつラムジーもケア
・キミッヒはラムジーの管理をしつつライン間をケア
・ロジャースにはミンジェが迎撃
といった形の外切り中嵌めハイプレスで捕まえてきました。
GKに対してはニャブリがそのまま外切りプレスorオリーセがティーレマンスを背中で消しつつプレスで制限をかける形でした。また、ハイラインを敷くことでできる裏のスペースはノイアーが積極的に飛び出してケアするのも特徴的でした。
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続いて、ヴィラはゾーン2以降になるとディーニュの2-7移動で[3-2-5]を形成します。
ただ、RSHのフィロジーン(ベイリー)と比較すると、大外高い位置で相手SBをピン留めするというよりかは、中盤と同ラインぐらいの高さを保っており、①バイエルンのハイプレスに対して出口になる、②ライマーを高い位置へ釣り出す、③チームとして保持で押し込む意図はあまりなく、ネガトラ対策、などの狙いがあったと推察します。
対するバイエルンは先程と同様、スペースを守るというよりは人基準で捕まえにきました。
【ヴィラの非保持(バイエルンの保持)】
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ヴィラの非保持は、ロジャースがジャンプしてミドルサード[4-4-2]で構えます。普段の試合と比較してライン設定はやや低めで、縦によりコンパクトな陣形を形成しているように見えました。また、バイエルンの左大外の選手対してはフィロジーンがポジションを下げて5バック気味で対応することも。
①中央/ライン間はできるだけ使わせず、外回りのパスを強いること、②バイエルンの強力アタッカー陣に対して枚数を揃え、スライド距離を短くしアプローチ速度を上げることで対応のしやすさを確保すること、などが狙いだったと推察します。
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対するバイエルンの保持は、両SBの2-7or8移動とキミッヒの右斜めサリーで[3-1-5-1]を形成します。
両SBは周囲の状況に合わせて2-7移動か2-8移動を選ぶ形です。
【前半】
やはり前評判通り、序盤からバイエルンがボールを握る展開が続きました。
・バイエルンの狙い
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バイエルンの狙いが最も出たのがこのシーンだと思います。
ヴィラの2トップに対してキミッヒの斜めサリーで3バックを形成し、数的有利を確保。3-1のビルド隊を経由した丁寧な揺さぶりと、キミッヒ、パヴロヴィッチの対角フィードによる大胆な展開を織り交ぜ、ヴィラを自陣低い位置に閉じ込める。
そして揺さぶってできた2トップ脇のスペースからバックドアで奥を取りに行く。
このシーンは幸いオフサイドでしたが、08:10〜、38:00〜のシーンでも同様に2トップ脇のスペースを使われてピンチを招きました。
ただ、ヴィラもチャンスを作られてはいますが、対角フィードに対しては素早くスライドし、ピンチのシーンでもバックラインの粘りや、エミリアーノ・マルティネスのビッグセーブもあり、肝心のゴールは割らせることなく試合を進めていきました。
・ヴィラの狙い
防戦一方かと思いきやそうではありません。ヴィラの狙いは明確にカウンターでした。
特にバイエルンが押し込んでいる/ハイプレスを仕掛けている状況では、後方に広大なスペースと、ウパメカノとワトキンスの1vs1の状況が発生しているので、そこを目掛けたカウンターアタックはバイエルンに対してかなりの脅威を与えていたと思います。
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ヴィラの狙いが最も出たのがこのシーンだと思います。
自陣深くでボールを持つヴィラに対してバイエルンはマンツーマンで前から捕まえに来ました。
ドブレ(オナナ、ティーレマンス)もペナルティエリアに入るぐらい低い位置をとっており、ライン間と裏には広大なスペースが生まれています。
この状況でキム・ミンジェはライン間で受けようとするロジャースが気になって裏ケアに入れません。
また、キミッヒもラムジーが気になって裏ケアに入れず、結果ウパメカノとワトキンスの1vs1が成立しています。
そして、ワトキンスは一度ライン間に落ちて受けようとする素振りを見せ、ウパメカノが食いついた瞬間に素早く反転して前を向き、ロングボールに抜け出そうとしたところをウパメカノは咄嗟のファールで止めてしまい、イエローカードが提示されました。
※ちなみにこのファールで得たFKからパウ・トーレスの先制ゴール未遂が生まれました。
このシーン以前にも、12:10〜や15:10〜のようにウパメカノはワトキンスに対して後手を踏んでおり、ヴィラは的確にここでの優位性を活用することで、回数は少ないながらもバイエルンに多大な脅威を与えることに成功しました。
【後半】
後半も前半同様、押し込むバイエルン/カウンターを狙うヴィラという大枠の試合内容は変わりませんでしたが、ヴィラのいくつかの修正点によってその比率はややヴィラが巻き返す形となりました。
・ヴィラの修正点
チームコンセプトとしてカウンターを狙うという大枠は前半と変わってないですが、後半開始から(前半終盤頃から?)、非保持のライン設定や[4-4-2]陣形のコンパクトさが普段と同じぐらいに修正されており、前半と比較して自陣でどっしり構えるというよりは、敵陣高い位置からもプレスに行くようになりました。
また、保持でもバイエルンのプレス強度に慣れてきた前半30分あたりぐらいから、ロングボールでのプレス回避ではなく、自陣で揺さぶる/プレスのベクトルを折ってからの楔パスを選ぶシーンが主に左サイド(パウ・トーレス、ティーレマンス、ディーニュ)で散見されるようになりました。
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個人的に好きなシーンです。
パウ・トーレスが偽のパスコースを見せた上でバークリーに楔パス(インサイド裏)。
バークリーはパヴロヴィッチがプレスに来てることを認知し、ライン間に落ちてくるワトキンスに半身でワンタッチフリックからそのまま反転してライン間へ侵入。
ワトキンスもウパメカノが迎撃に来てることを認知し、ワンタッチで前向きのバークリーへ落として一気に加速。
大外から飛び出したフィロジーンへのスルーパスは惜しくもカットされましたが、そこまでの個人の技術、生み出したスペースを連続で利用していく流れが非常に良いと思いました。
他にも、29:45〜、30:30〜、45:00〜、62:20〜あたりも綺麗に楔が刺さっていておすすめなのでお時間のある方は是非。
・得点シーン
Pau Torres' vision and pass 🤌
— UEFA Champions League (@ChampionsLeague) October 2, 2024
Zappacosta's perfect cross 👌
Two brilliant assists 👇@Lays_football || #UCLassists pic.twitter.com/W8FUEFLJKZ
相手FKのクロスボールをエミリアーノ・マルティネスがキャッチし素早くパウ・トーレスにリリース。
相手の帰陣が間に合ってないことを確認したパウ・トーレスは、ノイアーがギリギリ出て来れない絶妙なフィードを奥を取りに行ったデュランへ届ける。
抜け出したデュランは思わず飛び出してしまったノイアーのポジショニングを見て、不意を突くようなダイレクトでのループシュートでゴール。
パウ・トーレスの絶妙すぎるフィード、デュランの笑ってしまうほどのスーパーサブぶり、大盛り上がりのヴィラパーク、何回見ても最高ですね。
【あとがき】
デュランのゴールが決勝点となり、1-0で見事バイエルンに勝利しました。42年前にバイエルンを破った時も1-0だったそうです。なんだか運命を感じますね。そしてこの試合はアストン・ヴィラの歴史に残る一戦になったと思います。
ヴィラは、バイエルンが3-1のビルド隊を使った丁寧な揺さぶりと、キミッヒ、パヴロヴィッチらの大胆な対角フィードを織り交ぜた攻撃に対して出遅れることなく、素早いスライド、チャレンジ&カバーを怠らずに徹底できたことが勝因だと思います。
あと、この試合のエミリアーノ・マルティネスはまさに”守護神”と言える活躍でした。正直、ディブがいなければ結果が変わっていたかもしれません。現世界No.1GKに認定します()
Welcome to Villa Park @ChampionsLeague #UTV pic.twitter.com/A1NPluR3Oc
— Emi Martínez (@emimartinezz1) October 2, 2024
バイエルンからすると、マンツーマンハイプレスと左右に揺さぶってズレを突くという狙いを持って挑んだ中で、前線のプレス強度がヴィラの左サイド(パウ・トーレス、ティーレマンス、ディーニュら)を抑えるには足りなかったこと、ウパメカノがワトキンスにかなり苦戦したこと、ライン間を活用できずサイド一辺倒になってしまったことは誤算だったでしょうか。
というわけで、CL2回戦 アストン・ヴィラvsバイエルン・ミュンヘンのマッチレビューは以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました。