四国グリーン紀行+αでJR四国完乗の旅~cannotの夏旅2024~ ②四国完乗編:前編
※この記事は連作の二本目です。一本目を読んだほうが多少は面白くなるかもしれませんね。
↑が一本目になります。
JR四国全線踏破へ
①では四国に上陸するまでのルートと上陸してから一日分の行程を書いてきたが、題名になっている『四国グリーン紀行』は一度も登場しなかった。ここからはいよいよその最強の切符を使って旅をしていくことになる。JR四国区間全線と、土佐くろしお鉄道全線が4日間乗り放題、特急券はグリーン席以下無償発券の力を存分に使っていく。
1日目(土)
第十四走者:丸亀市コミュニティーバス レオマ宇多津線 宇多津駅北口行
NEWレオマワールド06:45→琴電栗熊駅06:55
いくら四国を乗り回すと言っても、まずは駅に行く必要がある。
前日泊まったホテルレオマの森は琴平駅までの送迎バスが出ているものの、多分最寄り駅は琴電琴平線の岡田駅。宿から歩くと大体40分くらい?
このあとの行程上8時までにJR琴平駅に行く必要があるが送迎バスは出ておらず、ことでんまでは歩けなくもないが体力消費がもったいない。
これを解決するのが、今回乗車した丸亀市コミュニティバス。なんと朝の6時45分にレオマの森を出発し、琴電栗熊駅に7時前に到着する。最終目的地は宇多津駅。
レオマの森から琴電栗熊駅まではバス停4つほどだが、乗客は筆者以外に誰もいなかった。
※注意事項※
この便、筆者が乗車した2024年9月までは日祝運休だったが、2024年10月からは土日祝運休となっている。
そのため、もう筆者が実際に乗車した土曜日にこのバスは使えないのて注意してほしい。
もし土日祝にレオマの森を利用し、後述の列車(第十六走者)などに乗車する場合は覚悟をしよう。大人しく琴平駅周辺の宿で妥協するのが賢明だ。
(大江戸温泉物語系列に一人で泊まるような人はそれほど多くはないと思うが…)
丸亀市コミュニティバス レオマ宇多津線 NEWレオマワールド→琴電栗熊駅 ¥200
第十五走者:琴電琴平線 普通 琴電琴平行
栗熊07:18→琴電琴平07:32
琴平線のいわば末端区間である滝宮↔琴電琴平は朝でも30分に一本のダイヤ。学生が3割ほどいたが、筆者も問題なく着席できた。逆に言えば、乗客があまり多くなくても30分ヘッドを敷いている地元密着型の路線ともいえる。
第十六走者:土讃線 31D 特急 南風1号 高知行
琴平08:06→高知09:39
ということで、四国グリーン紀行の旅は琴平からスタート。そして、早速のグリーン車。
南風1号の停車駅は阿波池田、大歩危、大杉、土佐山田、後免、高知。
南風号は四国2700系で運転される、本州と高知県を一本で繋ぐ非常に重要な特急列車である。基本3両編成だが土休日などの需要が大きい列車は一両増結されることもある。ただし、今回乗車した南風1号は5両編成だった。
ん?5両編成?
正確に言えば南風1号自体は3両編成なのだが、後ろにしまんと1号(2両編成)を併結している。南風は岡山→高知の運転だが、しまんとは高松→高知の四国内の運転。
南風号のグリーンは1号車、高知寄りの半室に設置されている。座席は2+1の3列シートで、1列~4列の12席のみである。繁忙期の混雑を考えると、1両全部をグリーンにしてしまうのは都合があまりよくないのだろう。
実際、12席のうち11席が埋まっていたので、需要的にはちょうどいいのかもしれない。
2700系(実はグリーン車があるのは2800系)の車内は全席にコンセントを設置済み。グリーン車は電動フットレストあり、読書灯ありのリクライニングシートである。(山間部で本を読む人がいるか分からないが…)
土讃線は四国山地のど真ん中を、吉野川と穴内川に沿った形で通り抜ける。線形はお世辞にも良いとは言えず、かなり波打った形をしている。この区間を高速で通り抜けるには線路の改良だけでは難しく、車体も非常に高性能なものになっている。
2700系は、高速化のために制御式振り子装置を搭載している。
運転の高速化は色々な方法で図られてきたが、一部の列車、主に特急列車には振り子装置が搭載されることが多い。
制御式振り子装置は線路の形状をあらかじめ把握しておき、カーブに差し掛かったところで自ら車体をカーブの内側に傾ける仕組みである。
乗った感想は在来線としては頑張っている、という感じ。通過区間があの山の中なので仕方ない気もするが、振り子だけではどうしようもない。
四国新幹線を求めるのも分からなくもない。
高知駅には定刻で到着。向かい側に停車中のあしずり1号に乗り換え
…
せずに、高知から発車するある列車に乗車して伊野・窪川方面に向かった。
(琴平→高知 グリーン券 ¥4,660)
第十七走者:土讃線 8073D 特急 志国土佐時代の夜明けのものがたり 立志の抄 窪川行
高知10:02→窪川12:32
JR四国には非常に有名な観光列車として、『ものがたり列車』というものがある。予讃線の松山↔伊予大洲・八幡浜を走る『伊予灘ものがたり』、先ほど通ってきた土讃線の大歩危↔多度津を走る『四国まんなか千年ものがたり』が有名だが、2020年の7月から3つ目のものがたり列車として走っているのが、今回乗車した『志国土佐時代の夜明けのものがたり』である。
列車は2両編成。各号車にコンセプトがあり、1号車はクロフネ、2号車はソラフネ。クロフネは幕末の歴史を象徴する色使い、ソラフネは坂本龍馬が夢見た新しい夜明けを連想させる色使いで設計されている。今回筆者は1号車・クロフネの1Aがとれた。
筆者の皆さんは、四国グリーン紀行予約時に指定席券の申し込みが可能だよ、という話を覚えているだろうか。
筆者は切符の申し込みの際に、この『時代の夜明けのものがたり』の指定券を申し込んだ。
結果は…『満席のため手配できませんでした』。
許せないよなぁ⁉
『JR四国ツアー』という名前付けときながら争奪戦負けるなんてことがあっていいのか⁉
そこでどうしてもこの列車に乗りたかった筆者は、自腹負担で指定券をとることにした。ちなみにものがたり列車は全車グリーン車指定席で高知から窪川駅までは¥2,900。
空席状況を出してくれるサイトもあるので、キャンセル待ちは比較的しやすい状況。無事に指定券を手に入れた筆者は、四国の窓口で一度払い戻しをしてから四国グリーン紀行で取り直すという方法をとることにした。
払い戻しの手数料¥340を支払い(これも大分納得できないが)差額の¥2,560を四国に上陸してから回収できた。
クロフネの車内は非常に豪華。
列車名の通り、坂本龍馬らが活躍した幕末から明治時代に移り替わる、新たな時代への志をイメージし、蒸気船などをモチーフとした内装があしらわれている。
ものがたり列車では車内販売も充実していて、申し込みをすればセット料理も食べることができる。
今回はセット料理の申し込みはしなかったが、出発直後にやってきた車内販売のワゴンからドリンクを注文。さすがに朝10時から酒を入れるのはちょっとな…と思ったので、ノンアルコールカクテルにした。
その後、2杯目のカクテルとスイーツを注文。車内販売のワゴンのほかに、2号車のカウンターに直接注文しに行くことが可能。
ものがたり列車は、沿線住民や沿線自治体の熱烈な歓迎も一つの醍醐味である。特に伊予灘ものがたりと時代の夜明けのものがたりは比較的住宅がある場所を通過するので、駅や途中の民家から直接歓迎をしている方々を見ることができる。
例えば上の写真は土佐加茂駅での歓迎の様子。
列車の中でも沿線紹介がふんだんに行われており、日下駅はJR四国で唯一の村に置かれている駅。日下駅がある日高村は、村おこしのために特産品のトマトが使われるオムライスを使い、『日高村オムライス街道』としてPRしている。列車の停車時間で日高村の特産品販売もおこなっている。
これも車内アナウンスで知った情報である。
途中の安和駅は海岸線にとても近い場所に駅が設置されている。ここで長めの停車時間が設定されているので、ソラフネ側で記念ボードを持って記念写真を撮ることが可能。筆者も撮ってもらいました。
高知を発車してからしばらくはどちらかと言えば山の中だったが、須崎市あたりから海沿いの景色に変わっていく、高知ならではの山と海の景色を両方とも楽しむことができるのが、この時代の夜明けのものがたりの特徴と言えるかもしれない。
JR四国と沿線住民が協力し合って、観光列車の運行ができていることを痛感し、また沿線住民の皆さんの活気を非常に感じる乗車体験になった。
列車の中では記念グッズ販売のワゴンも移動し、筆者もクリアファイルを購入した。途中唯一の途中下車可能駅である土佐久礼で停車した後は、軽快に走って終着駅の窪川に到着。
窪川駅にはお遍路の岩本寺があったが、観光するには乗り継ぎ時間が不十分だった。
(高知→窪川 グリーン車指定券 ¥2,900)
ノンアル KUROFUNE ¥600
ノンアル SORAFUNE ¥600
はりまやプリン ¥600
クリアファイル 2種 ¥350+¥350=¥700
第十八走者:土佐くろしお鉄道中村線 2073D 特急 あしずり3号 中村行
窪川12:58→中村13:34
香川県の多度津駅からずっと続いていた土讃線は、この窪川駅で終わりとなる。
高知駅からここまで土讃線を走ってきた特急あしずりは、この窪川駅で乗務員を交代し土佐くろしお鉄道に直通していく。
土佐くろしお鉄道は第三セクター鉄道会社で、元々は今のごめん・なはり線と宿毛線の運営を目的に設立された鉄道会社だったが、直後に当時第三次特定地方交通線に認定された国鉄中村線の運営も引き受けることになったという経緯を持つ。
そんな中村線を走る特急あしずりには、2000系または2700系が充当されるが、このうち2700系の1編成を土佐くろしお鉄道が所有しているらしい。
あしずり3号は通常2000系の担当のようだが、2000系は1号車前寄りが指定席で、半室グリーンならぬ半分指定席。
元々あしずり3号の指定券は高知→中村で取っていたが乗変をしていなかったので、JR四国には少々悪いことをしてしまった。(自由席も空いてたので許してください)
窪川からは車掌が土佐くろしお鉄道の社員に変わっている訳だが、抑えられているのにもかかわらず高知から空席だった席に、途中から座った乗客(筆者)への検札をしなかったのが少々気になるところであった。
それにしても、土佐くろしお鉄道の制服ってすごくいいですよね。明るい水色のポロシャツがすごくいい。
グッズとかで売ってないんですかねあれ。
あしずり3号は窪川を出ると土佐佐賀、土佐入野、終着中村に停車。途中駅て降りる人はほぼ居なかったように見えた。中村駅でも対面に宿毛行普通が停車中で、非常にスムーズな乗り継ぎになった。
(窪川→中村 指定席 ¥630)
第十九走者:土佐くろしお鉄道 宿毛線 617D 普通 宿毛行
中村13:39→宿毛14:10
乗り継ぎ時間5分と余裕を持ちながら対面での乗り換えが可能になっていたこの宿毛行普通だが、既に車内は学生で埋まっていた。この日は土曜日だった訳だが、高知県では土曜授業を行っていたりするのだろうか。
中村から先は特急列車の運転はほとんどなく、一日に1.5往復の運転にとどまっている。あしずり7号(宿毛行)とあしずり6号(高知行)、しまんと8号(高松行)が運転される。
元々は宇和島から海沿いを通り、宿毛を経由して中村までを繋いで四国循環鉄道を完成させるという計画が立てられていた。しかしながらさすがに実現はせず、中村から宿毛までの建設にとどまった。この名残で、宿毛線の起点駅は中村ではなく宿毛らしい。
途中駅は中村側から具同、国見、有岡、工業団地、平田、東宿毛。途中の平田は1.5往復の特急がすべて停車する。
人口密集地に的確に駅が配置されているようで、同族(広義)以外は各駅で少しずつ下車していった。それでも乗客の多くが宿毛まで乗車していた。
宿毛到着後はすぐに折り返しの列車に乗ってもよかったのだが、当時計画されていた宇和島方面へのルートをなぞっていくことにした。
琴平→窪川→宿毛 ¥5,590
第二十走者:宇和島自動車 J20松山線 宇和島駅前行
宿毛駅15:07→宇和島駅前16:58
この日の最終目的地は松山。鉄道のみで移動する場合は宿毛からは再度窪川まで戻り、JR予土線で宇和島→宇和海利用が一般的だろう。
今回は別の日に予土線に乗ることが分かっているので、別の経路での移動を計画した。それが今回乗車した宿毛→宇和島の路線バスである。所要時間は1h51minにわたる。
このバスの走行ルートの大半は国道56号線上にある。この国道56号が先程宿毛線でも言及した未成線とほぼ同じルートになっているようだ。
道中では愛媛県愛南町、津島町に民家が集中しているところがあったが、それ以外には人口密集地はなく、途中56号を外れて集落に立ち寄る事はあっても乗降客はほとんどいなかった。
宇和島の市街地が近づいてくると、高校生の乗客が増えてきたが、ついに座席が埋まることはなかった。
宿毛駅→宇和島駅 ¥1,850
第二十一走者:予讃線・内子線 1074D 特急 宇和海24号 松山行
宇和島17:08→松山18:34
バスは宇和島駅に定刻で到着した。到着後急いで窓口へダッシュ。筆者はまだ指定席を取っていなかった。
無事に窓側席を確保し既に停車中の宇和海に乗車。24号は二両編成で、一号車半分が指定席。あしずりと同じ配置だった。
途中停車駅は伊予吉田、卯之町、八幡浜、伊予大洲、内子、伊予市、終点松山。
内子線は元々は予讃線の五郎駅(伊予大洲から一駅北)から内子までを繋ぐ盲腸線で第一次特定地方交通線に指定される水準であったが、現在の内子−向井原(伊予市の一つ南)の短絡線の開業とともに特急の走行経路に組み込まれた。
この新線区間にはトンネルが多く、四国最長の鉄道トンネルである犬寄トンネル(全長6,012m)もここにある。伊予長浜経由のルートは線形が悪く、また土砂崩れの可能性をがあることが懸念されているようで、現在はある観光特急列車以外の宇和海は全て内子線を通る。
八幡浜と伊予大洲、伊予市からの乗客が多く、特に伊予市→松山の一駅区間では立ち客が出ていた。
宇和島→松山 ¥2,010
宇和島→松山 指定席 ¥1,730
松山市街でどこに泊まるか
無事に最終目的地の松山に到着した。松山で宿泊といえば道後温泉なので伊予鉄の市内線には乗らずに、駅前のビジネスホテルにチェックイン。
観光需要の大きい昨今だが、四国のビジネスホテルは本州と比べると全体的に安い。素泊まり一泊¥5,000前後のところが多く、一人旅にとって大変ありがたい。
もちろん観光にも興味はあるが、到着時点で既にかなり暗かったし、松山ならそのうち再び来訪するだろう。観光はその時に。
夕食にちょうどいいものを探していた結果、ラーメン屋に決定。
おいしい味噌とんこつらーめんでお手軽な夕飯。旅先でラーメンを食べるのがとても良い。
余談だが、注文直後に隣に韓国人女性が一人で座った。やはり松山は外国人にも人気のある観光地なのだろうか。
それにしても、女性一人で味噌とんこつ…?
お店から伊予鉄の松山市駅が近かったので、外観だけでも見て帰ることにした。
可能なら伊予鉄の郊外電車の乗りつぶしもしておきたかったが、翌日も朝早いので、おとなしくホテルで休んでおくことにした。
大手町駅の目の前の、市内電車と郊外電車のダイヤモンドクロスも動画に収めた。暗くてあまりいい動画にはならなかったかな…
伊予鉄 市内電車 松山市駅→大手町駅前 ¥210
2日目(日)
第二十二走者:予讃線 1008M 特急 いしづち8号 高松行
松山07:20→丸亀09:20
四国グリーン紀行の旅、2日目。本日の最終目的地は宇和島。
宇和島へ行くために、まずは高松方面のいしづちに乗車(???)
この旅の目的はJR四国全線乗車。もちろん予讃線にも乗らなければ。まずは予讃線を単振動しよう。
堂々の7両編成でやってきたしおかぜ・いしづち8号だが、筆者は8号車先頭の指定席を取ってある(presented by JR四国ツアー)。なお、今回乗車した2両のいしづちの場合、グリーン車はない。
岡山行しおかぜが5両、高松行いしづちが2両というかなりアンバランスな組成だが、これがかなり正しい需要予測であった。
途中丸亀までの停車駅は伊予北条、今治、壬生川、伊予西条、新居浜、伊予三島、川之江、観音寺、多度津、丸亀。
丸亀より先は、いしづちは宇多津、坂出、高松。しおかぜは宇多津、児島、岡山。
予讃線の松山より東の区間は電化されており、しおかぜ・いしづちは電車特急で運転される。単線ではあるが高速化が図られており、一線スルーの分岐器や遠隔操作化が実施されている。
筆者は8号車指定席に着席していたが、各駅の乗客をチラ見するとみんなしおかぜの乗車位置に並んでいる。伊予西条・新居浜の乗客が特に多かった印象だが、いしづちの乗車位置に並んでいたのは数名だったと記憶している。
それと、揺れもかなり大きい。数日前に多度津→観音寺の一区間だけ乗車した際にも「相当揺れるな」と思ったわけだが、他の区間でも同じような乗り心地だった。
松山→丸亀 指定席特急券 ¥2,530
第二十三走者:予讃線 1224M 普通 高松行
丸亀09:27→宇多津09:30
ちょうど2時間特急に乗車し、丸亀で下車。午前中はただ予讃線を往復するだけなので当初は丸亀城でも見に行こうかと思って特急券は丸亀までにしていたが、ちょっと遠かったので断念。宇多津まで乗車すれば予讃線全線乗車につながる事がわかったので、普通列車で一駅移動することに。
香川県の中心部に差し掛かっているため、休日でも立客が多数。丸亀からの乗車も多かった。
松山→宇多津 ¥3,630
宇多津駅の滞在時間は30分程度。駅近くを観光してもいいかと思ったが、宇多津駅はホーム上でも飽きない場所だった。
例えばこれはサンライズ瀬戸の回送。この日は琴平延長運転があったので、それの折り返し回送と思われる。
琴平から回送するときって、もう一度高松に送り込んでから再度折り返して車両基地にいれるんですかね?
うずしお号が宇多津にいる…?
これは一日に数本だけ存在する岡山発着のうずしおだが、岡山行うずしお号は宇多津で南風と併結する。noteの都合上動画をうpできないのが悲しいが、併結の動画を収めたりもした。
第二十四走者:予讃線 5M 特急 しおかぜ5号 松山行
宇多津10:06→松山12:10
短い30分の滞在を一瞬で消化し、折り返し松山へ。
行きが指定席だったので、もちろん帰りはグリーン車。
四国で乗れる定期特急列車のグリーン車は予讃線と土讃線だけなので乗り得である。特急券は0円だし。
8600系と比べると製造年が古く、車内設備も若干古いのは否めないが、二度目のリニューアル工事も進めている最中であるから、今後も使いやすい特急として活躍していくのだろう。
それにしても揺れがすごい。実際に知り合いは酔ったという話もしていたし、こういったところに四国の限界が見え隠れしているような気がしないでもない。
それ故に四国新幹線が望まれているわけなのだろう。
ちなみに、多度津でグリーン車にマダム4人組が乗ってきた以外に、終点まで目立った乗降は無かったような気がする。
宇多津→松山 グリーン車指定席 ¥4,800
第二十五走者:予讃線 8093D 特急 伊予灘ものがたり 八幡浜編 八幡浜行
松山13:31→八幡浜15:50
さてやってきました四国メインその②。前日は時代の夜明けのものがたりに乗車した筆者だったが、この日は全国でもトップクラスの知名度を誇る伊予灘ものがたりに乗車。
伊予灘ものがたりは3両編成。1号車が茜の章、2号車が黄金の章、3号車が陽華の章という構成。上の写真で見えている黄色い塗装のほうが陽華の章である。
茜の章、黄金の章は一人で乗車可能だが、陽華の章は2名以上での乗車が必要である。
今回筆者は2号車黄金の章に乗車。
ちなみに今回もJR四国ツアーは争奪戦に敗北しているので、地元の窓口で自腹でキャンセルを拾ったあとに、四国の窓口で払い戻して再度グリーン紀行で取り直している。
時代の夜明けのものがたりは急遽10時打ち前日に言ったから取れなくてもいいけどさ、伊予灘ものがたりは最初の申込みで言ってあるんだから取ってほしかったなぁ。
しかも席はペア席確定で既に片方は取られており、相席確定。何度も窓口で粘ったが、結局ペア席の方と同席することになってしまった。
伊予灘ものがたりは今年で運行開始から10周年。車内展示スペースには歴代の周年記念の缶バッジが展示されていた。
沿線の最大の目玉は絶景の駅、下灘駅。下灘駅に関しては今更説明する必要もないだろう。ここでは10分間の停車があり、記念ボードを持った撮影が可能。乗客で混雑していたため、筆者はボードは持たなかった。
伊予灘ものがたり到着時には、普通列車や自家用車などでやってきた人たちはホームから出される。個人的にはこれは良い点だと思う。列車のウリになっているし、高いグリーン券払って乗ってるわけだから、一般客との区別は必要だろう。
(筆者は四国グリーン紀行でタダ乗りしてるわけですが。)
車内では食品の販売も当然行われる。
tabiwaから申し込みをすれば専用の食事もつけられるが、今回は選択せず。代わりに車内注文でこちらを注文。
他には地酒飲み比べセットや和菓子なども提供してもらえる。
お土産グッズも充実していて、運行開始10周年記念の商品も販売されていた。
ただ、2日連続でものがたり列車に乗車した身から述べると、悲しいことに伊予灘ものがたりは時代の夜明けのものがたりに比べてだいぶ不親切に思えた。
まず名所である下灘駅での停車時間は10分。
時代の夜明けのものがたりは途中日下、安和の2回の下車タイミングがあり、どちらも10分の停車時間がある。こちらも決して長い停車時間ではないが、伊予灘ものがたりは3両(2両+最大8人)、時代の夜明けは2両であり、知名度の分伊予灘ものがたりの方が乗車率も高いことを考えると、沿線最大の目玉と言って差し支えない下灘駅での停車時間は明確に足りていない。
実際に筆者は安和駅での記念ボードを使った撮影はできたが、下灘での記念ボードを使った撮影はできていない。
愛ある伊予灘線は特急列車の運転もなく、普通列車の本数も残念ながら多くはないので、逆に言えばもっと下灘の停車時間を伸ばせないものか。
次に、伊予灘ものがたりではドリンクやデザートは乗務員に注文をして持ってきてもらう形式。四国まんなか千年ものがたりもこの形式のようだが、肝心の声を掛けるタイミングが全然ない。
満席かつ事前注文が多かった影響もあるかもしれないが、2~3人のアテンダントがずっと食器を運んでいる。当然食器運搬中に声をかけてもいいのだろうが、何となく申し訳ない気がする。筆者の控えめな対応も悪いが、フリーのアテンダントがほとんど見当たらないのはどうなんだろうか。
筆者の注文数が控えめだったのもこれが理由である。適宜注文を取る形式なら、注文を受け取る担当がいるのが普通ではないか。
当然ながら満足度は十分に高く、再び四国に上陸した際にはまた乗りたいのは事実。伊予大洲発車後には、アテンダントがひとりひとりに直接お声がけをしていた。それだけに、こういった点も印象に残ってしまった。
次回乗車した際には、料理の事前予約はしておいたほうがいいだろう。
(松山→八幡浜 グリーン車指定席 ¥2,900)
季節のカクテル ¥800
クリアファイル3枚セット ¥1,000
第二十六走者:予讃線 1069D 特急 宇和海19号 宇和島行
八幡浜16:14→宇和島16:50
伊予灘ものがたりを楽しんだ筆者は八幡浜駅の窓口で直後の宇和海号指定席を要求。無事に発券されたところで駅構内に再入場し、2・3番線に移動。20分程度の短い待ち時間で後続の特急が到着。筆者と同じようにこの列車に乗り込む人も何人かいたような気がした。
指定された座席は進行方向右側だったが、宇和島行が南行なのでこの時間は右側からの太陽光が凄まじい。筆者はたまたまサングラスを持っていたので良かったが、そういった類のものがなければ景色はおおよそ見れたものではないだろう。
幸い、やってきたN2000系にはカーテンが付いているので、車窓を犠牲に遮光することは可能だ。
(宇多津→宇和島 ¥5,500)
(八幡浜→宇和島 指定席 ¥1,290)
宇和島街歩き
宇和島駅に到着したのは16:50。翌日は予土線に乗車する予定なのでここで一泊。予土線の窪川行き最終は17:30なので、実はまだ窪川まで移動できる。窪川到着は19:44で、そこから高知方面の列車は…ない。
土讃線の上りの最終は窪川19:24発のしまんと8号で、以降は列車が運転されない。
それならば、宇和島で宿泊して次の日に日中の予土線の姿を見るほうが良いだろう、という判断。
宇和島駅徒歩1分くらいのビジホにチェックインして荷物をおろし、早速宇和島の街へGO。
筆者の皆さんは宇和島の名物は当然ご存知だろう。
そう、鯛めし。
駅の周りには鯛めしを扱う店が多かったが、今回はかどや本店を選択。どうやらつい最近移転したようで、落ち着いた店内は非常に綺麗。正直筆者の場違い感がすごかった。
注文したのは宇和島彩り鯛づくし膳というもので、値段はなんと¥2,800。
読者の皆さんの中には知ってる鯛めしと違うと思った方もいるかもしれないが、実は鯛めしは愛媛県内でも地域によって種類が異なる。
松山や今治などの東予地方・中予地方では鯛をご飯といっしょに炊き込むものが主流だが、宇和島を中心とする南予地方では鯛の刺身を醤油ベースのタレに薬味を混ぜたものに和え、ご飯に乗せて食べる方式である。
一説には、かつて漁師たちが海上で火を使わずに魚を食べたことが由来らしい。
宇和島鯛めしは「鯛めし協同組合」なるものが、美味しい食べ方を紹介している。
筆者もこれに従い、新鮮で美味しい鯛めしをいただいた。
鯛めしを完食した筆者は、観光のために現存12天守の一つである宇和島城に行…こうとした。
当然ながら、城郭というのは敵から攻められにくいところに作られるのが普通だ。県内に小田原城というアクセスしやすい城があって感覚が麻痺していた。
一際目立つ高い丘の上に建立された宇和島城を丘下から眺めて、大人しく宿に帰った。
あとがき
気づけば文字数が1万字を超えていて驚きました。
4日分の四国グリーン紀行旅行のうち、これでようやく半分です。ただ後半はものがたり列車もないし、特急もあんまり乗らないので、8000字くらいで収まると思っています。
年が明けるまでには後編も書き終えたいなぁ