大手英語教室での苦悩
某大手全国チェーン英語教室で先生をしていた頃のはなし。
レベルごとのカリキュラムがかっちり決められていて、こと細かなマニュアルがありました。
何月の何週目にはこのページのココ。
やるゲームはコレ。
なんと、生徒や先生のセリフまで書いてあったんですから・・・!
それを完全に再現するわけではないけれど、
レッスンが始まる遅くとも2時間前には教室に入って準備をしました。
レッスンプランをたて、シュミレーションし、必要ならば手作りの教材を用意し、子どもたちを待っていました。
新規の生徒さんは営業さんが獲得してきてくれましたけど、
例えば兄弟の入会や、サマースクール、文法コースなどの営業をするのは講師でした。
生徒の退会手続き、退会抑止、休会、異動、教材管理、支社への報告書・・・
大量のペーパーワークがありました。
「教えること」以外の仕事があまりにも多すぎました。
そしてそれらは、しばしば、
子どもたちの成長のため、ではなく、
会社を守るため、の仕事でした。
エリアマネージャーの目の前で、サマースクール勧誘の電話を掛けさせられたり、
クラス枠の無理な異動を推し進めるよう、強いられたり、
一体誰のための英語教室なのか、見失いそうな日々でした。
ペーパーワークに追われ、数字に惑わされながらも、
それでも、
わたしを含め同じ講師たちは、
やっぱり英語が好きで、子どもが好きで、
カリキュラムを自分たちの生徒に合わせてアレンジし、より分かりやすく工夫したり、時間外のレッスンをしたり・・・
かわいい生徒のため、なんとか成果をあげさせようとがんばっている人ばかり。
そんな先生たちの、愛とプライドでもっている。
そういう教室でした。
でも・・・
思うような成果が出ない・・・
何週かかけて、取り組んだ英文も、テーマが変わると忘れてしまう。
小さいころ、あんなにきれいな発音で言えていた単語はきれいに忘れ、いつの間にかカタカナ読みになってしまっている。
もちろんわたし、
あのカリキュラムとマニュアルを丹精込めて作った方を悪く言うつもりはありません。
あれはあれで、素晴らしいお仕事だと思います。
でも何か違う。
マニュアルを読んでは、
「こんな風にはいかない。」
いつも思っていました。
子どもたちは楽しそうにはしている。
でも
”楽しいだけじゃだめでしょ?
なんとなく耳が英語に慣れた、だけではだめでしょ。
スイミングを習いにいけば、人それぞれ上手になるスピードは違えど、必ずみんな泳げるようになる。
なんとなく水に慣れました、よかったよかった!
では終われんもん!
じゃ、英語を習うゴールって何?
テストで点をとること?
話せるようになること?
子どもたちは、保護者はどう考えているの??"
なんて思いあぐねて・・・
はっきりとした答えも見出だせないまま、3年が過ぎていきました。
つづく。