アブソリュートブラックのチェーンオイルを試した結果…
皆さんご存知だろうか?世の中には2万円(140mL)もするチェーンオイルが存在する事を。
チェーンオイルといえば「マックオフ」や「フィニッシュライン」、「呉」が有名どころだろうか?
しかしどれも1000〜2000円で買える。
その中でも価格の高いチェーンオイルといえば、『BOOST OIL』が有名だと思うが15mlで3000円程度だ。
BOOST OIL 駆動抵抗が非常に低くチェーンが汚れにくい事で有名だ。
そんな中2万円のチェーンオイルはどういうものか気になるだろう。
それは、[absoluteBLACK(アブソリュートブラック)GRAPHENlube]だ。
このチェーンオイルは何と2万円もする。
2021年にBMCのロードバイクなどの代理店をする株式会社フタバが日本に20本限定で販売した。
しかし、このチェーンオイルを知っている方は少ないだろう、同年2021年にabsoluteblackの取り扱いを終了したからだ。
現在は本国ホームページで販売をしている。
そもそもabsoluteblackは何を作っている会社なのか?
absoluteblack(アブソリュートブラック)
世界最大の楕円チェーンリングを作っている会社。
ヨーロッパで製造し世界中に優れた性能、品質の製品を提供している。
楕円チェーンリングの他にもビッグプーリーやディスクブレーキパッド、チェーンオイル、小物を販売している。
説明はこんなところだが、absoluteblackはある有名なプロ選手と大きく関係している。
それはタデイ・ポガチャルだ。
今や、サイクリストなら誰もが知る選手だ。
実は、タデイ・ポガチャルの使用するバイクにはabsoluteblackの製品GRAPHENLUBE ®が使用されている。
実は、UAEチームの使用するチェーンオイルはGRAPHENLUBE ®で他にもヴィスマも使用している。
2020年に行われたツール・ド・フランスでも使用されGRAPHENLUBE ®を使用した選手が2020 & 2021 ツール・ド・フランスで黄色、白、水玉模様のジャージを獲得。ラ ブエルタ 2020 の一般部門で赤と緑のジャージを獲得、という素晴らしい成績を残し続けている。
そもそも何故プロ選手はこぞってGRAPHENLUBE ®を使用したがるのか?
それには大きな理由がある。
1. 1回の使用で 900 km にわたって 5 ワット未満の摩 擦損失を維持できる。
2.チェーンが汚れにくい。
3.世界初の炭化水素ベース (ワックス) チェーン潤滑剤
4.乾燥状態で最大1800kmの持ち。
まず、自転車は走行時大きな『摩擦損失』が発生する。ライダーの体力を消費し長く楽に早く走る為にはこの損失が低い事が望ましい。損失は、様々な場所で発生する。その中でも主に駆動部分、チェーン周りで起こる。
例えば、チェーンにオイルを塗った状態とオイル無しの状態で走った場合、オイルを塗っている方が確実に踏む力が少ない。変速もオイルがある方が滑らかだ。
この摩擦損失を減らすには、チェーンオイルが重要となる。
absoluteBLACKのチェーンオイルには『グラフェン』が含まれている。
このグラフェンは、とても高価だが潤滑油としては優秀な性質がある。
・多くの環境下で低い摩擦係数を持つ
・金属に強く張り付き摩擦から保護する
自転車は様々な環境で走る。雨の中、砂池、汚れの多い道など。そんな中求められるのは様々な環境に対応したオイルだ。そこでグラフェンが最適だとされた。
absoluteBLACKは様々な環境で使用できる様に2年もの歳月を掛けてグラフェンの配合など研究を重ね、遂には一回の塗布で900kmにわたって摩擦損失を5W未満に抑えられる。
このグラフは走行距離と摩擦係数を表したものだ。
簡単に説明すると、
数値が大きい程抵抗が増える
見て直ぐに分かるように、GRAPHENlube®はより長い距離を少ない摩擦損失で走ることができる。
※通常新品のDURA-ACEのチェーンに発生する抵抗損失は6.5-13Wでこの損失を避けることは出来ない。
このグラフにはマックオフなどの有名なチェーンオイルが多く載っているがその差は歴然だ。
クランクを踏むパワーで考えると約7.3W節約できる。
これを大きな効果と考えるという人も居れば少ない効果だと考えるという人もいるだろう。
たった7.3Wを節約するのに2万円を掛けるなら脚を鍛えるという人もいるのは承知だ。
しかしよく考えて頂きたい、GRAPHENLUBE ®は一回の塗布で最大1800kmも走れるという事を。そう考えると安く感じるかもしれない。
GRAPHENLUBE ®は140mlの販売以外にも14mlでの販売もしている。14mlで3000円だ。(送料、消費税別)
※初めて使用する場合は最低2本必要。
是非少しだけ試したいという方にオススメだ。
インプレ
前置きが長くなったがここからはインプレッション。
私はAbsoluteBLACKからサポートを受けているがインプレッションはありのまま私の思ったことを伝える。
開封
日本には、DHLで発送され2〜4日で届く。今回は4日で届いた。追跡番号もある為安心出来るだろう。ちなみに国内ではDHLまたは佐川急便が配達する。受取前にDHLからメールが届き消費税、通関手数料の支払いが必要。届かない場合はDHLから連絡が来る。その場合は受取時に支払いをする。
最近は海外からの荷物も国内同様に綺麗に届く。
absoluteblackのビッグプーリー、ディスクパッドも注文した。高級感もありワクワクさせてくれる。
本題の、チェーンオイルは、プラスチック容器に入っている。今回は、140mLのものを注文した。14mLでの販売もあるが初期のチェーンにオイルを馴染ませる作業には最低2本必要だ。
作業開始
まずは新品のチェーン(現在使用中のチェーンでも可オススメは新品)を容器に入れディグリーザーやパーツクリーナー等でチェーンの油分を落とす。
約20〜60分漬け最後に1分ほどは袋に移し良く振る。
その後S字フックなどにチェーンを吊るし一晩乾かす。
速く乾燥するようにドライヤーで今回は乾かした。
完全に乾いたことを確認した後はチェーンオイルに付属しているジップロックにチェーンを入れる。
ジップロックの中にチェーンオイル50mL程20分ほど放置する。
この時に保護メガネ、手袋はしっかりとしよう。
たまに揉んであげると良く馴染みそうだ。
余ったオイルは再利用出来る為躊躇せずしっかりと入れよう。
14ml購入の方は2本分を入れる。
20分経過したらS字フックにチェーンを掛け一晩乾かす。
ここまでかなりの時間が必要だ。しかしここまで手間が掛かるのであれば効果も高いだろうと期待が高まる。
これが20分放置した後の写真。ある程度は乾いた。乾いた部分は黒くなり汚れているように見えるが正常だ。
床には垂れる為新聞紙などを置いたほうが良さそうだ。
約8時間放置した。
乾いた後でもチェーンを触ると手が黒く汚れる。
外側の余分なオイルは完全に取り除いたほうが良さそうだ。
しかし、少し触るとベトベトし潤滑作用はありそうだ。もしかすると、完全に乾いていないのかもしれない。また数時間置いて様子を見る事にした。
自転車に取り付けする。
取り付け方はこちらの動画を参照
走ってみる
見た目は汚れているように見えるがしっかりと潤滑の役目を果たしてくれている。
果たして効果は…
踏む力が軽くなったとは感じることが出来ない。
注油回数が減る為メンテナンスが簡単。
チェーンが汚れているのかは見ただけでは分かりにくい。
チェーンの寿命が伸びる(約8000km)
高価なチェーンオイルだったが軽くなったとは感じることが出来ない。恐らく数値的には摩擦係数は減っているが体感は出来ないと考える。
もし、100km.200km走ると疲労が減るなど効果を感じることが出来るかもしれない。しかしその差は僅かであり気づくことは難しいだろう。
ただ、このチェーンオイルは汚れ難い(見ただけでは分からない)ワックス系のチェーンオイルを使うメリットはやはり汚れ難さだと思う。汚れを引き付けにくくメンテナンスが簡単だ。
また、absoluteblackのチェーンオイルは一回で900km(最大は1800kmドライ)走れるそうだ。チェーンを洗う頻度を減らすことが出来る。更に、追加で注油する場合は軽く濡れたウエスで拭き取り新たに付けるだけで良い。
これを、人に勧めれるかと言うと難しい所だが「少しでも軽い力で走りたい」という方にはぜひとも使って欲しい。走行音も小さく、チェーンの寿命も延ばすことが出来る。(約8000km)この事を踏まえて2万円の価値があるかどうかは読者の捉え方次第だ。
(推奨できる人)
予算に余裕があり少しでも速く走りたい。
最速のチェーンルブを試したい。
走行音を小さくしたい。
チェーンの寿命を伸ばしたい。
手間を掛けても良い。
(推奨出来ない人)
手間を掛けたくない。
予算に余裕が無い。
今使っているチェーンルブに不満が無い。
ピカピカのチェーンが良い。(見た目)
頻繁に洗車する。⬅チェーンルブが高い為
オススメ度
★★★☆☆
品質
★★★★★
性能
★★★☆☆
値段
★★☆☆☆
本国ホームページ
日本代理店
無し
取り扱い店舗
無し
筆者