「禁忌の子」に感じた3つの違和感
「禁忌の子」は2024年10月10日に発売された医師である山口未桜さんのデビュー作である。読書垢界隈で人気となっており、手に取った。
読み終えた率直な感想としては、医師ならではのリアルな理療現場の描写とテンポのいい展開からの終盤のシリアスな帰結に読む手が止まらず面白かった。やや無理やりというか都合が良すぎる展開もあるが、ロジックもよく練られて新人賞投稿作としては完成度が非常に高いと感じた。
恐らくこの作品は著者が鮎川哲也賞に応募するために書き下ろし、そのまま出版されたものと推測する。素人の私でも違和感を感じるシーンが多いからだ。
しかしそうであるならば、税込み1870円という価格設定は高すぎると思う。
なぜ出版社はもっと内容をブラッシュアップしなかったのか。もっと素晴らしい作品になる素質があったのに、この状態で世に出てしまったことを残念に感じた。
具体的に私がどこに違和感を持ったのかを記そうと思う。
ネタバレになってしまうためここからは100円の有料記事にさせていただく。
内容を知らないと理解が追い付かないと思われるため、すでに読了した方のみに購入いただきたい。
ここから先は
2,169字
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?