零細企業と金融機関の関係
こんにちは。今日は午前中に金融機関の営業さんが訪問してくれたので、その中でのやり取りを書きながら零細企業と金融機関の関係を自戒の念を込めて書いておきます。
投資してもらうのか、補填してもらうのか。
事業者にとってキャッシュフローは、毎日気になる部分です。もちろん、気にしなくても済むくらいになれれば事業者としても一人前なんですが、私はまだまだ気にしながらの綱渡り的な事業継続中です。
事業に必要な資金は大きく分けて3つの調達の仕方があるのかなと、「売上」「融資(投資)」「自己資金」
今回はこの中の「融資(投資)」について。
金融機関はお金を融資してその利息を売上にして経費に充てているわけですから、もちろんこの会社には融資しても返済能力があるのかを判断して融資するかを決めるわけです。
我々事業者側は、今回金融機関から調達する資金が自社から見て「投資を受ける」のか「補填してもらうのか」を考えなくてはなりません。
投資してもらうスタンスの場合には金融機関側は、融資する側の会社の今後の成長や売上の増加、利益の増加を計って融資するかを決めるはずです。一方で補填してもらうスタンスの場合には過去の会社の経営状況を鑑みた上で、いったん補填という形にはなるが今回補填してこの会社が生き延びたことによって今後金融機関としてもプラスになる。もしくはこの会社を生かしておくことが社会的にプラスになるという部分で判断すると思います。
一方で我々事業者側は、投資してもらうスタンスの時には「攻める」タイミングの時、補填してもらうスタンスとの時には「守る」タイミングの時ですね。
攻めても勝てるのか?守る必要があるのか?
攻める時には夢や希望や目標に向かって邁進できる推進力と自らの中にキラリと光る可能性があります。こう言う時には金融機関相手のプレゼンや交渉も言葉を選べるほど話したい事があります。守る時はどうでしょう、守る時と言うのは売上が足りない時、経営がうまく言っていない時なのでどうしても「お願いします」「どうにか」等と金融機関との上下関係みたいな部分ができてしまいますね。
自らの中では「この事業はいける」と思っているので攻める時にはたくさんの言葉がでてきますが、その可能性を客観的に尚且つ多くの経験とデータに基づき資金を導入すべきか判断してくれるのが金融機関の立ち位置でもあります。「北原さんは成功すると言いますけど、私たちは成功するとは思えません。ですから今回の融資のお話は。。。」となる事もあるわけです。
非常にドライに書きますが、この会社と雇用をどうしても守りたいんです。どうにか融資していただけませんかという守りの時には「北原さんが守りたい気持ちはわかりますが、守るほどの価値を感じませんので今回の融資のお話は。。。」となる事もあるわけです。雇用と言ってもウチみたいな零細企業は数名の雇用ですから、この数名であれば仕事は探せば他にもある。だから守る価値が無いと思われるかもしれません。
人に融資する、事に融資する時代
現在ほとんどの金融機関が融資するかジャッジするのは、決算書や入出金データがメインでしょう。もちろん事業主側からの提案資料などがあれば越したことはありませんが、いずれにせよ「机上の判断」の部分が大半でしょう。社会や経済は地球の回転のようにほんの少しずず変化していっています。これからの時代は「人」や「事」に融資していかないと金融機関側も生き残っていけないはずです。なぜなら冒頭にも書きましたが、金融機関側も融資によって得られる利息が経営資金として必要な部分と言うのもありますから。
事業主側も意識を変える
今日来てくれた金融機関の方に私はこう言いました。
「私は金融機関に融資をお願いする時に、私たち融資してもらう側が下で金融機関が上ですとは考えていません。なぜならばあなた達も融資する先がある事で経営できている部分がありますから」
この文章だけを読むと偉そうに話したようにとらえられる方もいるかもしれませんが、会話の雰囲気や話し方では決して偉そうには伝えていません。その辺りは誤解しないでくださいね。金融機関に伝えたかったのが、お互いがあるから成り立つのですから、どちらが上とか下とかありませんよね。私はそう考えていますとお伝えしたのです。
先ほどの攻めると守るの、守る時の話がわかりやすいと思います。もちろん経営がうまく行かなかったから補填してもらう事になったわけですから、自らの経営能力は反省しなければなりませんが「お願いします。」「どうにか」という言葉を多く使ってしまうからと言って「弱い立場」になる事は無いという事です。もし補填してもらえたら最大限の感謝をし結果や成果で恩返しすればお互いに不幸は無いはずです。この守る時に「融資してもらう側が弱い立場」になりがちな部分を事業主側もマインドを変えていく必要があると思っています。
地域経済を担う双璧
日本全国規模や世界規模の話は置いておいて、今回の記事で書きたかったことは、地域経済において規模にかかわらず会社と金融機関の二つががっちりとタッグを組むことが非常に重要だという事です。
会社は自社の事業で売上や利益を伸ばすのが役割、伸びた分は従業員や金融機関、国や行政に還元できるわけですから。同時に金融機関は地域の中で生き残るにはいかに可能性のある、価値のある小規模事業者を見出すかだと思います。小規模事業者が小規模を脱するくらい成長すれば金融機関も売上が伸ばせる、地域住民などの預金顧客にも還元できる。そうすると預金数も確保ができるという好循環につながります。
1990年以降に生まれた地銀に勤める方には特に読んでもらいたい記事です。今いる決裁権限者の多くに反対されることも多いでしょうし壁は高く険しいですけど、今回の記事をきっかけにしっかりと考えて地域の金融マンとして活躍してもらえることを願っています。
地域の経済を発展させる中継を担うのが金融機関ですよね。
同時に私たち事業主は、規模の経済に麻薬のように侵されてしまっている市場をしっかりと理解し、少しずつむしばまれている病のような地域経済を病元から直していけるようなチャレンジと経営と勉強が必要だなと日々感じています。頑張ります。
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