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おとなになった君となれない僕。

10/19。ギタリストのCANDYMANです。
先日、大学時代の友人から「東京に出張で来たから会いませんか」という連絡を貰ったので、よく連絡を取ってる別の大学時代の友人も誘ってご飯を食べに行った。連絡をくれた友人は地方出身で、卒業してから数年に1回会うか会わないか、という感じの頻度だ。大学時代は「クズのみ」というグループを作り、適当な理由を付けて(返信が来ない女の子から返信が来たとかね)飲み歩いていた。
久しぶり、といっても一年ぶりだが彼はずいぶん大人になっていた。俺はどうだ?

ということで今日のテーマは「おとなになった君となれない僕。」です。

大学生ご用達のお店には行かなくなった時分で、少し高めの静かな居酒屋を選び久しぶりの友人と会話を交わす。友人はアルコール飲み過ぎて20にして医者に禁酒を言われるくらいだったのに、いつの間にか全く飲まなくなり、地元に家を買い子供もいて、最近転職して人の人生に寄り添う仕事をしてる、などと言うようになった。
かたや俺は「バンド解散したのにギター2本買っちゃってさ、ローンどうすんねん」などと言って笑いを取る。本当に笑えてるのか知らんけどさ。
友人がひどく大人に見えて、とても焦った。飲み会の終わりに一人帰路につく中、いろいろと考える。

じゃあ結婚して子供がいりゃそれで大人になれるのか?と言われると疑問符。もちろん大人にならないと結婚も子供も出来ないんだけど、「自分が大人である」というアイデンティティの証明のために家族がいるわけでもない。というか今更アイデンティティが何だなんて言うのもダサすぎるし、また大学生になるつもりもない。

大人になるとはなんだろうか。中学生のころは「30歳はもう立派な大人」だったはずだけど、今の自分は大人なんだろうか。物事を捉える感覚が高校生くらいから変化してない気がするんだよな。

疑問符を少しでも減らそうと最寄り駅のコンビニに立ち寄り、適当に気になるスナック菓子とアイス、キャンディを取りレジに向かう。名前にいれてるだけ伊達ではない。レジ機に表示された値段は1,000円を超えていた。そういえば大学時代は1,000円もお菓子を買えなかったな、と思い出す。これが大人になった証拠なのか?頭に一つ増えた疑問符とともにコンビニを出る。
自宅まで5分、頭の中には疑問符が残ったままだ。帰宅し風呂に入る。湯船に浸かりゃ疑問符も疲れとともに消え去るのかなと思っていたが、どちらも大して消えなかった。それでも今日は楽しかった、大学生に戻った気分だ。そんなことを考えていると昔の記憶が思い出される。大学時代にも同じことを考えていたなと。あのときは学生インターンに行ってる友人の話を聞いて「大人だなぁ」と思って焦って急いでインターンに応募したり、就活サイトに登録したな、と。でもあれだけ焦って入った新卒の会社は「バンドがやりたい」という理由で半年足らずで辞めた。そして事務所に入りデビューに至るのだった。きっとこの繰り返しだ。大人にならなきゃと思って焦って行動して、また焦っての繰り返し。それが答えだろうからそれで良い。ひとまず結論付けてギターを持つ。それでいい。

買ったのを忘れたアイスが溶けるのに気がつくまでは、まだまだ大人にはなれなさそうだ。

おまけ

夜のコンビニはなぜあんなに魅力的で、全てを赦してくれるのだろうか。普段ならカロリーを気にして買わないようなスナック菓子。光って見えるのは時間の問題なのか。次の日の朝に、机の上に広がる昨日の赦しの残骸にため息をつくまでがセット。

以上。

今日の一曲 千綿ヒデノリ「カサブタ」

大学時代の友人が、当時カラオケに行くと必ず歌っていた。ガッシュベルは全く通っていないので、彼の歌で初めて知った。
今になって響くのは、大人になれたから、なのか。

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