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17年ぶりに小説を書いた

タイトルの通りです。私的には、大事件です。

きっかけはSNSの広告で「坊ちゃん文学賞」の作品募集を見つけたことでした。
小説募集といった類の広告を自分のアカウントで見るのは初めて。普段エッセイを書いて投稿していますが、ひょっとしたら小説を書くのもありかな、と思い、軽い気持ちでブックマークに保存しました。なぜ、軽い気持ちだったかというと、自分が小説を書けると全く思っていなかったから。

これまで、一度だけ小説のようなものを書いたことがあります。小学校高学年の時の国語の授業で、「教科書から好きな写真を選んで、物語を書く」という課題が出ました。読書好きなのに国語が苦手な私は、頭を抱えてしまいました。写真を見ても、何もストーリーが浮かばない。周りの子は原稿用紙に書き進めているのに、私はその3分の1にも及ばないスピード。とりあえず、落ち着いて写真を観察することにしました。

じっくり眺めて、ある写真に目が留まりました。猫が大きく写っている後ろで少年が笑っている。きっと同級生は猫を注目するだろうけど、私はこの少年を主人公にしてみよう。そう決めた途端、ぶわっとストーリーが浮かび、言語化して書き進めました。

物語を書き終え、原稿用紙を見て驚きました。教師から言われた目安の枚数を大きく上回っていました。しかし、提出前に私が書いた小説を読んでみると、一気に恥ずかしくなりました。単純なストーリーとありきたりな言葉。自分の想像力と語彙力の無さに落胆しました。締切直前だったので、渋々提出しました。返ってきた原稿用紙はどこに行ったか分からないし、教師のコメントも全く覚えていません。ただ、自分は小説を書くことに向いてないということはハッキリ自覚しました。

小説募集の広告を見つけてから2、3週間後、いきなり1つのストーリーが頭に浮かびました。それは、ここ1年くらいで私が興味を持ったものや印象的だった出来事が絡み合って生まれたものでした。普段、頭に思い浮かんだものはノートに落としたりエッセイとして投稿したりするのですが、何となく「小説として残したい」と感じたのです。どうせなら、坊ちゃん文学賞に応募しようと、執筆を決意しました。

しかし、そう思った頃には締切がすぐそこに近づいていました。仕事の合間を見つけて、構成を練り、執筆しました。なんとか締切までに提出できました。

まさか自分が再び小説を書くとは思いませんでした。しかも、義務ではなく自分の意思で。
小説の書き方が分からないまま書き連ねたので、客観的には読みづらい作品かもしれません。でも、自分が描きたかったストーリーはしっかり残したつもりです(4000字に収めるの大変でしたが…)。

記念受験的な応募なので、結果は期待していません。でも、読書が生活の一部で、数年前まで文章を書くことに抵抗を示していた私にとって、大きな出来事になりました。こっそり大切に小説のデータを保存しようと思います。

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