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スケートリンクで泣かされた話
ふとスケートがやりたくなったので、車で片道2時間ほどかけてスケートリンクへ行った。
スケート行ってきたょ⛸️#かなみぃかわいぃ #ぼむず #にゃんぼむ pic.twitter.com/8RtKoa2qZ1
— かなみぃ@Bombs!🍭 (@Candy_Canamy) January 16, 2025
平日の昼間だったから、混んでいなくて快適だった。
混んでいないからリンクですいすい滑ってコースを周回していると、(そんなに他人をジロジロ見るなってご指摘が入りそうだが、)スケート場に来ている人を大体覚えてしまった。
壁を伝いながら摩擦のない大地に適応しようと試みる女子中学生のグループや家族連れ、インストラクターをつけて技を身に付けようとするご婦人、電光石火のごとく駆け抜けていくおじさま、などなど、人が少ない割にバラエティに富んでいるメンツだった。
ちなみに私は1人でのんびり滑っていた。中学生ぶりのアイススケートだった。技はできない。
1人で来ていた人の中で、ひと際目立つ人がいた。
だいたい小6~中学生ぐらいの女の子で、フィギュアスケートをやっている子だった。
私はフィギュアスケートについてあまり詳しくはない。むかし母親と一緒にテレビ中継を見ていた程度だ。
アクセルとかループとか、何回転したかなどは、私には分からない。だけどその女の子は、端的に表現するならば、氷上を舞っていた。
テレビで見たような美しいジャンプやポーズを繰り広げていて、思わず見とれてしまった。
でも、ジャンプをした後に何回も何回も転んでいた。
流行りの音楽のUSEN(?)や人の話し声に混じって、「ドン!」という音が何回も響いた。
転んで、すぐ立ち上がって、飛んで、転んで、これを繰り返していた。
美しい姿に見とれると同時に、転んでも立ち上がって練習にもどるひたむきさに、思わず心が打たれた。
最近、転ぶことを恐れていませんか?
血反吐を吐くような努力、できていますか?
UNIDOLという世界がある。
日本全国の大学対抗の、女子大生アイドルコピーダンス日本一を決める大会である。夏と冬にそれぞれ行われていて、冬大会の決勝戦がもうすぐ開催される。
私は、筑波大学アイドル研究会Bombs!というサークルに入っていて、Bombs!は毎年夏の大会に出場している。
私もUNIDOLの本戦には2023年と2024年に2度出場したことがある。そして、そのどちらも決勝戦に進出した。
私は端的に言えば、ダンスが下手くそな人間である。特に、最初の本戦はすごく苦労した。次の大会では、苦手だった動きも多かったけど多少はダンスが上達して前年ほどの苦労はしなかった。
大会期間は確かに努力していたと言えるだろう。実際、大会を経て人間的に大きく成長したと思う。
でも、最後に出た大会が終わって半年経っているが、何か成長できるような経験があったか?と問われると、現状維持だったような気がする。
大学3年生になると、大学生活やサークル活動に慣れてしまって、特に院進を志して就活をしないような人間は、転ぶことを恐れるようになる。
そして、現状に満足していつの間にか成長することをやめてしまう。
どんな生き方をしようと人の勝手ではあるが、私は、そんな生き方は嫌だなぁと思った。
ヘッセのデミアンという小説に
「鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。」
という有名な一節がある。
成長というのは大げさに言えば創造と破壊だ。筋肉の成長だって筋繊維を破壊して、修復して、を繰り返して大きくなる。
我々は、自分の今いる環境に慣れると、どうしても保守的になってしまうのではないだろうか。
私はやっぱり、今いる景色とは違った景色を見たい。
自分の殻を破るには、転ぶことを恐れてはいけないんだなぁ。そういうことを改めて認識させられた一日であった。
それでは皆様、良い一日を。