【大阪→門司港・下関・小倉観光】1日目 阪九フェリーいずみ乗船
きっかけは、
「結婚して子どもできたらなあ、母親と2人旅なんてできひんで。今のうちにいっぱい行っときや」
という恩師の言葉がずっと心に残っていたことでした。
確かに……母親と泊まりの旅行なんてここ数年全く行ってません。
旅行に行きたい。行き先はどこでもいいから観光地をのんびり回りたい。
車は運転できないし、人混みは苦手だし、時間に追われるのも嫌いだけど旅行はしたい。
そんな折、YouTubeで大阪→九州フェリー旅行という動画を目にします。
フェリー泊かあ……話には聞いてたけど乗ったこと無いなあ……ええやん?
という訳で、
[金]夕方 大阪出発
↓(フェリーで1泊)
[土]朝〜夜 北九州観光
↓(フェリーで1泊)
[日]朝 大阪到着
行きます!フェリーで北九州日帰り(2泊)旅行。
11月なら人も少なかろう……と大して調べないままフェリーを予約。
ですが予約した後で全国旅行支援が開始され、日本中が一気に旅行ムードに。
混雑した観光地が苦手な私たち親子はソワソワしながら旅行の日を待つのでした。
乗船
11月18日金曜日、来たる出発の日。
数日前に阪九フェリーさんから「乗船日が近づいております。」というメールをいただき旅行気分も良い感じに高まっております。
今回乗船するのは阪九フェリーのいずみ 泉大津港(17:30発)→新門司港(翌朝6:00着)。
泉大津港へは南海泉大津駅から送迎バス(無料)が出ているのでそちらを利用します。
16:13、泉大津駅到着。
阪九フェリーのHPの案内(めちゃくちゃ分かりやすい)を見ながらバス停に向かうと、同じく送迎バス待ちのと思しき方がちらほらと。
この送迎バスというのが内装はまんま南海の路線バスで(つまり座席数が少ない)、その座席が埋まり立ち客が数人出る程度でした。
なるほど、旅行支援があるとはいえ、さすがにこの紅葉シーズンに海に出る人は少ないようです。
16:30、バスが出発し10分ほどで泉大津港に到着。
ここから乗船手続きに入る…んですが、混んでます。明らかに混んでます。
いえ、正確には「混んでいる」という言葉の印象ほどごったがえはしていないのですが、既に列が出来ているところへ我々送迎バス組が合流したものですから、少し心配になる程度の行列に。
どうやら全国旅行支援の手続きに時間がかかっている様子です。
これ、本当に17:30に出港するんだよね?と不安になりつつも、17:10頃にようやく搭乗手続きが終わり、乗船。
夕日はすっかり雲の向こうに隠れていました。
気を取り直して、フェリーに足を踏み入れます。今回の旅行はフェリーに乗ることがメインといっても過言ではないですからね。阪九フェリーいずみ、一体どんな船なのか……
見て下さい。この、船の中とは思えないほどの豪華さ。ロビーは3階ズドンと吹き抜けで、真ん中にはエレベーターまであります。
今すぐにでも探検したい気持ちを抑えてまずは部屋に直行します。
なんてったって2泊の旅ですから、荷物もそれなりの量。先にこの大きな鞄を下ろしたいです。
部屋(スタンダード洋室)
私たちが泊まるのはスタンダード洋室(レディース)。
お値段は1人8,680円。2人で17,360円……のところをインターネット予約割引(20%OFF)を適用し13,900円。
から更に全国旅行支援で40%割引されたので……2人で8,340円!?
なんと正規料金の半額以下で九州に行けてしまいました。
部屋には写真のカードキーで入れます。
このカードキー、下船時に返そうとしたら「返却は不要ですよ」とのこと。
デザインも可愛いし日付も入っているのでチケットの半券を取っておくタイプの人にはたまらん記念品ですよね。
ベッドは160cmの私が悠々と足を伸ばせる広さでした。
16人部屋ですが1番奥のベッドだったこともあってお隣さんくらいしか見かけず。
やはり閑散期なためかなり空いていたみたいです。
枕元にはランプとコンセント。壁にロングコートも掛けられるハンガーが2つ。
荷物を置く場所に迷いましたが(鞄は床に置きたくない派)、ベッドの足元の方に置いておけば足を伸ばしてもギリギリ当たらないことに気付きそこへ。
小さな貴重品ロッカーもありますが、財布とスマホは小さなポーチに入れて持ち歩いていたので使用しませんでした。
ある程度荷物を整理したら、出港の様子を見るために甲板に出ます。
17:34 出港
「〜〜(聞き取れず)クリア」「〜〜クリア了解」
ライトに照らされた甲板の上、スピーカーから船員さんの声が響きます。
まるでロボットアニメの出撃シーンみたいでちょっとワクワクしますよね、こういうの。
17:34、船がゆっくりと動いて無事出港。
それまでピリッとしていた作業員さんたちの空気が緩んで、笑顔で声を掛け合っていたのが印象的でした。
さて次はレストランでお腹を満たそうと思ったら、同じ考えの人たちで長蛇の列が。
行列と聞けば絶対に並ばない私たち親子、回れ右で船内の散策に向かいます。
とりあえず時間を潰し、明石海峡大橋を見てから食事をする算段。
船内には施設の営業時間の案内と共に、3つの橋の通過時間も表示されています。
明石海峡大橋通過時間は18:35なので多少前後したとしても18:25に甲板に出れば間に合うでしょう。
1時間弱、売店を覗いたり展望ラウンジに行ったり部屋でくつろいだりして過ごします。
18:43 明石海峡大橋通過
18:25頃、明石海峡大橋を見るために再び甲板へ。
ですが扉を開けた瞬間、物凄い強風!
寒いとか言っている暇もありません。気を抜いたら飛んでいきそう(誇張表現)。息も若干しにくい気がします。
このフェリーは最大時速43kmくらいだそうで……あんまりピンと来ないかもしれませんが、嵐山のトロッコが時速25kmなことを考えればそりゃあ風も強いですよね。
出港前の甲板とは訳が違います。
右手に神戸、左手に淡路島の夜景を望みつつ……
18:37、明石海峡大橋が見えてきました。
18:43、明石海峡大橋通過!
船がイルミネーションを背負っているみたいでめちゃくちゃ綺麗でした。
やっぱり大きいものは良いですね。単純に迫力があります。
もう少し夜景を堪能したいところですが、風に体温を奪われて体力の消耗が激しく……余韻もそこそこにレストランへ急ぎます。
18:55 レストランで夕食
幸いすぐに船内に戻って来たため並ぶことなく夕食にありつけました。
阪九フェリーは1皿毎に値段がついているので、自由に取ってから精算するスタイルです(カフェテリア方式と呼ぶそうです)。
バイキング方式よりもお値段はかさみがちですが、その分お味が良いとのこと。
確かに、普通のレストランと比べても何ら遜色ありません。
お腹が空いていたこともあり、あっという間に完食。
ちなみに今回のお値段は2人あわせて2,500円……ですが、乗船時にフェリー内で使えるクーポン2,000円分をいただいていたのでそれを使い、500円に。
ワンコインでこの料理を、しかも船の上でいただけるなんて本当に良いんですか!?と逆に聞きたくなるくらいです。
20:00 露天風呂
夕食後は時間を潰し、21:40の瀬戸大橋通過を露天風呂から見る計画。
そう、阪九フェリーにはなんと露天風呂があるんです。
私、露天風呂に入りながら瀬戸大橋の下くぐってん〜なんてちょっと言ってみたくないですか?
……と思っていたんですがお互い潮風で髪はパサパサ、顔には疲れが見え始めています。
「もうお風呂入っちゃおか」「せやね〜」
意志の弱い親子、瀬戸大橋はさくっと諦めて風呂に直行します。
阪九フェリーいずみは入り口のランプの色で風呂の混み具合が分かる仕組み。
私たちが行った時は黄色ランプでやや混み状態でしたが、入ってみればそんなに人はおらず。感染症対策で入れる人数を絞っているみたいでした。
(めちゃくちゃ綺麗な大浴場は阪九フェリーさんのHPからご覧下さい。)
シャワーは温泉でよくある押したらしばらくお湯が出るタイプです。
備え付けはボディソープとリンスインシャンプーのみ。
ただ各シャワーに一つ三角コーナーが置いてあり、使い切りシャンプーなどのゴミが捨てられるようになっていました。これは良い気遣いですね。
1日の疲れを洗い流して、いざ露天風呂へ。と扉を開けた瞬間……痛い!
寒いとかじゃなくて、痛い。あまりの強風に全身の肌が悲鳴を上げています。
慌てて風呂に入ったら今度は熱い!
これ、心臓に不安のある方は気をつけた方いいかも……。
まず室内の大浴場で体を温めてから入るべきでしたね。
顔の痛さと戦いながら湯船に浸かること数分、すぐに体が温まり風の冷たさも気にならなくなってきます。
丁度頭は冷えていて体は温かいという状態。
湯船に長く浸かるのが苦手な私もこれにはずっと入っていられました。
惜しむらくは市街地から遠いところを航海していたのか、辺りが一面真っ暗だったことでしょうか。
せっかくだからライトの連なりが見えたら良かったんですが。
このまま瀬戸大橋見て行かへん?と言いたげな母を目線で制して露天風呂を出ます。
さすがにここから2時間弱浸かりっぱなしは無理があるよ、お母さん。
脱衣所にはドライヤーもしっかりあります。
ただ今回泊まった部屋にはバスタオルがついていないのでそれは持参。
髪を乾かして歯を磨いてとしていたらあっという間に21:00になっていました。
21:30 就寝
え、もう寝るの?と思われるかもしれませんが、新門司港に着くのは朝の6:00。
身支度を考慮すると5:00には起きたいので今から寝たら6時間30分睡眠です。中々良い時間じゃないでしょうか。
風呂で体も温まり寝るには最適の状態。
ということで21:30、就寝。
寝心地に関しては決して悪くはなかったです。
枕も掛け布団もあって足も伸ばせる。船の中だということとお値段を考えれば十分すぎる環境です。
心配していた船の揺れも全く感じず、モーターの振動音のようなものと換気扇?の音がしばらく気になった程度でした。
4:45頃、自然と目が覚めて起床。
ベッドの上で軽くストレッチと着替えを済ませ、5:00頃、いそいそとベッドから這い出ます。
前日に1つ下の階のトイレが大きいことを確認していたので、そちらで歯磨きと化粧諸々をして準備は万端。
ロビーに集まり到着を待ちます。
6:04 下船
乗務員さんのアナウンスと共にドアが開き、ついに阪九フェリーともお別れの時がやってきました。
乗船から約13時間。起きていたのは5時間と少し。
こう考えると長かったようで短いフェリーの旅。名残惜しい気持ちでいっぱいですが車の無い私たちは送迎バスに乗り遅れる訳には行きません。
まだ日も出ていない真っ暗な中、送迎バスは新門司港から門司駅に向かいます。
2日目に続く。