まりこが見せてくれる優しい世界
結婚記念日のディナーは、近所の素敵なお気に入りのお店、「葡庵(ぶーあん)」へ。
おいしい料理(と僕はお酒も)を堪能した後、さぁデザートだというタイミングで、まりこが店員さんに言ったのです。
「デザートが食べたいんですが・・・・
今日、結婚記念日なんで、何かアニバーサリープレートみたいなのって作れますか?」
と。
ちなみに、そんなメニューはありません。
予約なんかしてるわけもありません。
完全な、無茶振りです。
まりこのその発言に、店員さん以上に僕が驚き、内心、
(いやいや・・・・予約したならともかく、その場で突然の無茶振りは、お店にも迷惑でしょ・・・・!!)
と思いました。
しかし。
「なんとか作ります!」
と、快く引き受けてくださったのです。
それだけでも、おおおお!と思いました。
そして、キッチンのお兄さんが頑張って何かを準備してくれているのが見えました。
それからちょっとすると、
「●●がない・・・・」
というような声が聞こえてきました。
あぁ、突然の無茶振りだもんな、そりゃそういうこともあるよなぁと思っていると・・・・
キッチンの目の前のカウンターに座ってた男性が、
「うちの店ので良ければ持ってくるよ」
と言って、お店を出ていきました。
そう、その人は、隣のお店の人だったのです。
数十秒して、手にチョコペンを持って戻ってきました。
あの、プレートに文字とか書くやつね。
そりゃ、普段こういうことでもなければ使わないもんなぁ、なくて当たり前だよなぁ。
でも、偶然にもそのタイミングで、隣のお店の人が飲みに来てくれていたから、手に入れることができた。
なんて巡り合わせだろう。
ありがたいなぁ。
しかもその人は・・・・
僕らがその注文をする数分前に入ってきたのです。
さらには・・・・
そのチョコペンを持って来てくれた数分後に、帰っていきました。
ほんとに、ただ仕事上がりに1杯飲みに来た、みたいな感じだったのです。
滞在時間、15~20分くらいだったんじゃないかなぁ。
そんな短い間しかいなかったのに、その人がいてくれたおかげで、アニバーサリープレートを作ってもらうことができたわけです。
まりこと、
「まるでこのためにいてくれたみたいなタイミングだね」
と驚きました。
そして、待つことさらに十数分・・・・
とうとう運ばれてきたプレートが、写真のものになります。
途中、生クリームも無かったみたいで、キッチンのお兄さんが1から作ってる光景も見えました。
そこまでして、応えてくれたのです。
すごく、嬉しかった。
世界はなんて優しいのだろうと、思いました。
これは、まりこと一緒だから、出会えた世界。
僕だって、そりゃ結婚記念日だもの、そういう特別なデザートが欲しかったですよ。
でも、予約してたわけじゃないんだから、無理だろうなって、諦めてたのです。
無茶振りするのは店員さんにも悪いからって、勝手に思い込んで、欲しいものを欲しいとすら言わず、押し殺そうとしたのです。
しかしまりこは、
「ダメだったら仕方ないけど、言うだけ言ってみる」
を選びました。
そして、その欲しいものを手に入れました。
きっとね、こうして僕のように、
「お店に迷惑だろうから」
「きっと無理だろうから」
って思って、欲しいものを欲しいとすら言わない人は、多いんじゃないでしょうか。
けどそのままでは、結局、「欲しいものが手に入らない世界」しか、やってきません。
自分で手を伸ばさなかったくせに、「世界はどうせ自分の思い通りにいかない」って、不貞腐れてしまうことになります。
本当は、こんなにも世界は優しいのに。
欲しいなら欲しいって伝えたら、叶ってしまうことだって、多いはずなのに。
「店員さんに迷惑かも」とか、そんなのは僕の勝手な思い込みでしかない。
迷惑かどうかは、その店員さん自身が決めることであり、僕が判断することじゃない。
言ってみて、断られたら、そりゃ仕方ない。
断るのは、相手の自由だもの。
でも、「言っちゃいけない理由」なんて、無かった。
まりこは、すごいなぁと思った。
こうやって軽やかに、世界を味方につけて、欲しいものを手に入れ、願いを叶えていく。
本当に、すごい。
結婚記念日に、改めて妻に惚れ直しました。
世界は優しい、だなんて、まりこと出会う前の僕には、戯れ言でしかありませんでした。
でも、まりこが、どんどん、優しい世界を見せてくれる。
どんどん、願いが叶う瞬間を見せてくれる。
こんなに守られてる、こんなに世界に愛されているということを、教えてくれます。
本当に・・・・本当に、素晴らしいお嫁さんをもらったなぁと、心から思います。
世界が、まりこに味方してる。
そんなまりこと結婚できた自分は、なんて幸せなんだろう。
そんなまりこと家族を作れている自分の人生は、なんて恵まれているんだろう。
そんなことを思った、結婚1周年記念の夜でした。
これからも僕らは、一緒に、世界の美しさを楽しんで生きていきます。
*******追記*******
☆この文はFacebookにアップした記事を加筆・修正してこちらに転記しています。
この僕の記事には、Facebookにてまりこからのコメントと、そしてまりこ自身のタイムラインでも加筆されてシェアされました。
それらの文章も下に掲載します。
僕では書き表しきれなかった、素敵なまりこの世界観。
【コメント欄より】
「ダメだったら仕方ないけど、言うだけ言ってみる」
ってのはちょっと違うかな。
「ダメでも悲しくはないけど、出来たらとっても嬉しいな」
こんなニュアンス(●´ω`●)
さらに言えば、店員さんと共同で「喜び」を生み出すイメージ。
店員さんが引き受けてくれたからプレートが出来上がったけど、
そもそも私が言い出さなかったらそこに私たちのこれほどの感動や、店員さんの達成感は無かったわけで。
喜びの共同作業みたいな捉え方を私はしている気がするなー(╹◡╹)
【まりこの投稿より】
別に所構わずわがまま言う人間じゃないですよ?笑
ただ、飲食店ではないけどお店に立っていた身として、
お客様の要望は叶えてあげたい、
お客様の要望を叶えられると嬉しい
っていう気持ちがわかるだけで。
その気持ちを持っている店員さんだと思ったからお願いしてみた、それだけです。
ちなみに、最初行った時、ぶーあんは満席でした。
普通に諦めようかと思ったけど、団体客が見えたから「何時くらいなら空きそう、とかないですよね?」と控えめに聞いてみたら、
「そこ(団体客)が21時までなんで、そのあとなら〜!」と教えてくれたので(その時20:45)、近所で腹ごしらえしてからぶーあんに戻ってきたのです。
そして、ぶーあんは、日本のワインを豊富に取り揃えたお店ですが、
ご存知の通り私は授乳中でお酒が飲めません。
メニューにあるソフトドリンクの種類の中から、
『ワイナリーのぶどうジュース』を頼んでみたのですが、
注文時に「授乳中でお酒が飲めないんですけど、美味しいジュースが飲みたいなぁと思って」と伝えると、
まずメニューにあるぶどうジュースの瓶を持ってきてくれてどんな味かも説明してくれて、
さらに地下からもう一本、未開封の瓶を持ってきてくれて「自分これ飲んだことないんですけどこっちもあります」と、ラフランスのジュースも紹介してくれました。
嬉しかったので、順番にどちらも飲んで(ラフランスの方は、私に出す前に店員さんが味見してみたらしく「ちょっと飲んでみたら美味しかったです!」と言いながら出してくれました笑)、
ワインが飲めなくても美味しい料理と美味しい飲み物を堪能することができました。
この一連のやり取りがあってからのアニバーサリープレートなので、プレートだけいきなりお願いしたらお断りされていたかもしれません。
でも、
・空き時間を教えてもらう
・美味しいジュースを出してもらう
もしかしたらこのお願いを叶えるステップがあったから、店員さんも難しいけど頑張ってみようというマインドになったのかもしれません。
だって、空き時間も別のジュースも、店員さんから率先して教えてくれたわけじゃないですし。
でも私が訊いてそれに応えてくれて、
こうして短い時間でも、相手との関係を「育む」ということができたから、
結果的に世界が優しく見える出来事になったのかなぁ。
なんてことを思いました*
*******追記おわり*******