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パートナー間の価値観・世界観の溝を埋めるために

自分のやっていることを相手が理解・受容してくれない問題


コンサルティングをしていても、それ以外でも、時々受ける相談内容のひとつに、
 
「パートナーが、自分のやっている活動を快く思っていない」
 
というものがあります。
 
とりわけ、自分でビジネスをしている女性から、「自分の事業について夫にあまり良い顔をされない」というような角度のご相談が多いような気がします。
 
「自分でビジネスを始めたはいいが、そりゃ最初のうちは種まきの時期で稼げないものなのに、『頑張って働いているわりにその程度しか稼げないのなら、そんなことは辞めてちゃんとした仕事に就け』と言われる」
 
みたいな感じのことですね。



ありますあります。
そういう状況に陥ること、立場や程度の違いはあれども、よく聞く話です。
 
特に、40代くらいで、今まで主婦やパートアルバイトをやっていた奥さんが、ちょっと副業的なものに手を付けたタイミングで、起きやすいすれ違いです。
 
ただ、別にビジネスとか活動でなくても、男女が逆でも、どんな年代でも、こういうことはよく起き得るんですよね。






相手の理解が得られないパートナー間で共通の問題


で、こういうすれ違いや、「パートナーがなかなか理解をしてくれない」問題を持っているカップルや夫婦と話していると・・・・
 
そういった人たちの中に、ある共通点が浮かんできました。
 
そして、おそらくそれが問題の根幹であり、そこを解消することが解決方法のひとつなんだろうなぁと。




それは、
 
「共通友人が少ない or いない」
 
ということです。





例えば、奥さんの方がフリーランスまたは起業家で、旦那さんが普通の会社員。
そして旦那さんが奥さんの仕事にあんまり理解を示していない、という状況があったとすると・・・・
 
こういう話を聞くと最初は、
 
「そりゃ旦那さんは会社員なんだから、立場が違えばフリーランスの気持ちが分からなくても仕方ないよねぇ」
 
と思うかもしれません。
 
もちろん、そういう側面も当然あるでしょうが・・・・
 
多分、旦那さんが奥さんの立場や仕事を理解できない本質的な理由って、そこじゃないと思うのです。



なぜならば、僕の妻のまりこは、大学卒業からずーーーーーーっと会社員でしたが、フリーランスや起業家に理解がある人ですから。
 
そりゃ勿論、自分が経験していない分の認識の差はありますけれども、それをちゃんと配慮してくれます。
 
そういったことを考えると、「会社員であること」自体は、「フリーランスや経営者の気持ちが分からない理由」にはなりません


では、同じ会社員でも、フリーランスたちのことを理解してくれる人と理解してくれない人の違いは、どこにあるのかと思ったら・・・・
 
おそらくはその人が、
 
「会社員の世界の中だけでしか生きていない」か、
 
「フリーランスも含めて色んな世界を知っている」か、
 
その違いによるものなんじゃないかという考えに行き着きました。



まりこは、僕と出会う前から、自分は会社員でありながら、周りにはフリーランスや経営者の友達が沢山いたのです。
(むしろまりこの周りでは、まりこのようにずっと会社員やっている人の方がレアなくらいでした)
 
自分とは立場の違う人たちともちゃんと交流していて、自分のいる世界とは違う世界のことを知っているからこそ、理解しようという気持ちや配慮に繋がっているわけです。


この点を踏まえると・・・・
 
「フリーランスの気持ちが分からない会社員」というのは、「自分の周りに会社員の繋がりしかない」んですよね。
ひどい人だと、自分の勤めてる会社以外の、他のコミュニティを一切知らない人も、結構いっぱいいます。
 
人間は、知らない世界の話は想像しようがないので、どうしても、自分の知っていることをベースに価値判断を下します。
ですから、会社員の世界しか知らない人にとっては、フリーランス、起業家、経営者のことなんて、まったく分からないのです。
 
「会社員としての常識」がその人のすべてなので、そこから外れているものを見ると、「おかしい」と思うわけですね。
 
そして、「会社員の繋がり」の中に、ひとりポツンと、自分の奥さんだけがフリーランスをやってたら、それは当然「この人はおかしいことをしている」と思えても仕方がありません。





理解されない問題の根幹である「世界の違い」を克服するには


「パートナーが理解してくれない」という状況に陥った時、それは多くの場合、理解してくれないその相手に問題があるわけではなく、「理解しようにもできない状況にいる」ということが多いんじゃないかと思います。
 
この例の、会社員の世界しか知らない人のように。
 
では、そういう相手に理解してもらうには、どうしたらいいのかとなると・・・・
 
「相手に会社員以外の(フリーランスの)世界を知ってもらう」
 
ということをやらなくちゃならないのです。




それは、当たり前ですけど、自分で口頭でいくら説明したって、ダメです。
 
百聞は一見に如かずですから、頭でいくら知識を得たところで、本当の意味での「理解」には繋がりません。
 
それに、相手があなたのことを理解できない状態の時、あなたは相手にとって「おかしい人」になっていますので、そんな人の話は、そもそも聞く耳を持ちません。


それではいったいどうしたらいいかというと・・・・
 
あなたが、フリーランスの世界で付き合っている友達やビジネス仲間を、その理解してほしい相手に繋げるのです。
 
人間には、「第三者からの情報があると信用しやすくなる」という傾向があります。
(ウィンザー効果とも言われます)
 
あなたがあなた自身の言葉で自分について語っても伝わらないかもしれませんが、第三者から聞くと、「そういうものなのかなぁ」と納得できることも多いのです。
 
 
そういうふうに、自分の代わりに自分のことを相手に説明してくれる人、っていう意味でもそうですし、そもそも自分のいる世界を感じてもらうために、
 
「自分の世界を相手の世界と繋げる」
 
というのは、とても大切なことになります。



パートナーで、お互いの交友関係がまったく重なっていないということは、お互いを理解し合おうとする時の大きな溝になります。
 
パートナーのことは2人でお互いに向き合っていれば十分かといったら、そうじゃないんですよね。
 
必ず、第三者の存在やコミュニティの存在が、パートナーシップを深める上でも大切になってくるのです。
 
 
「会社員」と「フリーランス」は分かりやすい例ですけれども、それ以外にも多々、「価値観の不一致」というのは、パートナー間で生まれやすいものだと思います。
  
そういう時は、「自分が当たり前と思っている、自分を取り巻く世界の不一致」をまず最初に疑ってください。






自分の友達を相手に紹介する時の注意点


ちなみに、例えばですが、自分が理解してもらいたい一心で、
 
「私じゃ話を聞いてもらえないから、先輩起業家の人に旦那を会わせて、説得してもらおう!」
 
みたいに、無理やりするのはダメですよ。
 
そんなことをしたところで、その先輩起業家は、旦那さんにとって「自分の世界」とは感じられません。
「意味のわからん世界のやつが侵略してきた」と、より奥さんに対する不信感を募らせるばかりになります。
 
 
そういうことじゃなくて・・・・
 
例えば、一緒に旅行に行く、お茶をする、飲みに行く、みたいなことでいいんです。
 
 
その先輩起業家さんのことも、「説得するため」に会わせると身構えられるので、ただの友達付き合いの一環として、「一緒にBBQでもしましょーか!」ってノリで会わせたらいいのです。
 
その結果、先輩起業家さんと旦那さんが自然に友達になって、話すようになったら・・・・そこから、旦那さんの世界は少しずつ広がっていきます。
 
旦那さんはその先輩起業家さんを見てて、
 
「起業家ってこういう大変なことがあるのか、じゃあうちの奥さんもそうなのかなぁ」
 
って、勝手に学んでくれます。


「立場・世界観の違う相手からの理解」って、そうやって少しずつ、世界を重ねながら得ていくものなんだと思います。







同じ世界を共通して見ていられる歓び


僕は、自分が起業した時・・・・周りにはほとんど、「会社員の世界しか知らない」という人が多かったので、その時期は全然理解者がいなくて苦しかったことを覚えています。
 
理解してくれないことを憎んだりもしました。
 
でも、よくよく考えてみれば、それは当たり前のことだったんだよなぁと思います。


そこから、今や、
 
「みんながみんな色んな生き方をしていて当たり前」
 
という世界観のコミュニティに来たら、それはそれはもう楽で楽で・・・・ありがたかったですね。
 
 
会社員もフリーランスも経営者も、色んな人がいましたが、お互いそれぞれに良い距離感でいられましたもの。




パートナー間だけに限らずだとは思いますが、特にパートナー間において、お互いの価値観の理解が進まないのは・・・・
 
このように、「世界を共有出来ていない」ということが、大きな問題になるケースは多いのだと思います。
 
 
パートナーというのは、人生を共有するものです。
だったら、自分の日常を大きく占めている繋がりも、共有できなければ。
 
 
パートナーの仕事仲間に会ったり、
奥さんのママ友繋がりの場に顔を出したり、
相手の遊び仲間と一緒に呑みに行ったり、
家族ぐるみでコミュニティを、繋がりを作ったり・・・・
 
そういうことができていると、すれ違いって、びっくりするくらい減ります。



今僕は、僕の日常を占めるものの90%以上をまりこと共有しています。
 
僕の友達で、まりこと会ったことない人っていうのは、ほとんどいなくなりました。
 
立地コンサルの仕事くらいかな、さすがにまりこを連れて取引先企業には行けないので笑、こっちは僕特有の世界になりますが・・・・
それでも、家で日頃から仕事の話をまりこにしているので、多分どこかで立地のクライアントさんに会う機会があったとしても、「お噂はかねがね・・・・」ってなると思います笑
 
そういう日々を過ごしていると、「まりこに理解してもらえない」とかっていう悩みは、もう今一切ないんですよね。
 
それこそ、「話せば分かってもらえる」というようなことばかり。




そういう土壌は、時間をかけて「2人の世界を擦り合わせてきた」ことによるものです。
 
ただ、最近は・・・・まりこのママ友繋がりの方が、僕の知らないお友達が増えてきたようなので・・・・
 
まりこが嫌じゃなければ、そのうちいつかそこの方々とも繋がれたらなぁなんて思ってます。
よく、「ママ友とうちでお茶会やんなよー」なんて言ってます笑



人間、お互いに育ってきた環境も、文化も違うので、理解し合えないのがデフォルトです。
 
それでも、相手を否定せず、また、相手に否定されず、お互いを尊重し合うには・・・・
お互いの「世界」を、どれだけ共有し合えるかがポイントになってくると思います。
 
パートナーと、価値観の不一致やすれ違いが多いなと思う人は・・・・
 
ぜひまず、交友関係から、少しずつ重ね合わせていくように意識してみてください。
 
自分の友達を相手に紹介する、相手の友達に自分を紹介してもらう、というところから。
 
 
 
自分で、「なんとかうまく言葉にして」「毎夜のように向き合って」説得しようと試みるより、よっぽど早くて、効果のある手だと思います。
 
 
 
 

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