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学び from 月見バーガー
今日、とある事情でどうしてもマックが食べたくなり、買いに行ってきたのです。
まりこと一緒に食べようと思って、
・黄金の月見バーガーセット
・月見バーガー単品
・ナゲット5個入り×2
をテイクアウトで購入しました。
そして、家に帰ってきて、袋を開けると・・・・
「月見バーガー単品」
が入っていないではないですか!!
ちょっとショック!!
レシートを見ると、ちゃんと記載されているようなので、明らかにそれは店員さんの「入れ忘れ」でした。
お金は払ったもんだし、さすがに、無かったことにはしたくないなぁと思い、レシートを見ながらお店に電話を掛けました。
でも・・・・
そこで、ふと思ったのです。
「あれ?電話をかけて・・・・そして、一体どうするんだ?」
と。
僕はわりと長い間マクドナルドにちょこちょこ行っていますが、テイクアウトで「入れ忘れ」をされたことが、記憶にある限りでは一度も無かったのです。
人間がやってるんだから、起きておかしくないミスなわけですが、今まで運よくそれが起きなかったため、「起きた時にどうなるのか」を体験したことがありませんでした。
取りに行くの?
届けてもらうの?
返金?でもその場合はこっちがお店に行くの?
今買ってきた分はどうするの?
今から取りに行ったらポテトが冷めちゃうよね?
でもまりこと一緒に食べるつもりだったから今バーガー1個足りないのはちょっと困るなぁ。
どうしたらいいの?
どうなるの?
お店の電話のコール音が鳴り続ける数秒間に、色々考えました。
「ハイ、マクドナルド高円寺店です」
電話に出た店員さんに事情を説明すると・・・・
「大変申し訳ございませんでした。つきましては、新しく商品をご用意させていただきます。」
とのこと。
特に向こうからの指定は無かったけれども、取りに行く流れで考えていたので・・・・
あー、でも片道5分だから行って帰って10分・・・・さすがに今からは行けないなぁと思い、
「取りに行くのは構わないんですが・・・・今から行くとポテト冷めちゃうんで、後で行っても良いですか?」
と聞くと、
「お客様のご都合のいい時で結構です。申し遅れました、私、〇〇と申します。ご来店いただいた際にはレジでお呼びくださいませ。」
とのこと。
すごいなー、しっかりしてるなぁ。
というわけで、電話を切って・・・・
状況をまりこに説明。
ここで、色々疑問が浮かんできました。
テイクアウトの商品入れ忘れなんて、当たり前に起こり得るヒューマンエラーです。
これをゼロにすることはできません。
けれども・・・・起こり得るミスでありながら、状況によっては、大きなクレームに繋がり得る、結構な問題だと思うのです。
僕はまだ、お店から歩いて5分のところに住んでるから、「取りに行く」ことができます。
けれども、お客さんの状況によっては、それができないこともあるはずです。
例えば、電車に乗って遠くに行ってしまっていたら?急いでいて時間が無かったら?
そういう時、どう対応するんだろう?と不思議に思いました。
僕は・・・・居酒屋等の飲食店ではバイトしたことがありますが、こういったテイクアウト系のお店では経験が無いので・・・・
その部分が、気になってしまったのです。
だって、金額は大したことなくても、お金払って買ったものが入ってなかったということは、そりゃクレームがあってしかるべしですよね。
そして、お客さんの中には、これで物凄い怒る人もいるはずなのです。
そういえば、大昔にマクドナルドの店長およびスーパーバイザー職にいた父から、
「テイクアウトの入れ忘れで怖い人のところに届けに行って、物凄い剣幕で怒られて数時間正座させられた」
というような話も聞いたことがありました。
そりゃそうだよなぁ・・・・
普通、「人数分」買うわけなんだから、ひとつ足りないだけで、食べられない人が出てくるわけだから、怒る人は怒るよなぁ。
しかも、基本的には「暖かいうちに食べる」という時間制限付きなんだから、「後で取りに行く」「後で届ける」では、収まらない場合もあるよなぁ。
せっかくみんなで食べようというタイミングや・・・・仕事の休憩時間だったら、「後で」が無理なこともあるでしょうよ。
たかがハンバーガー1個の入れ忘れでも、たった数百円のことであったとしても、怒る人は怒るだろうし、それくらいのトラブルを引き起こす恐れが十分に考えられることだよなぁ。
・・・・そういうことを考えていくと、
「この日々起こり得る大きな問題に、お店はどういう対処をしているのか」
という部分に、興味津々になってしまいました。
この話を、ナゲットを食べながらまりこに話すと・・・・
まりこは長年、和菓子販売店の店長をやっていたため、まりこもこういったトラブルは何度も経験したとのことでした。
そりゃそうですよね。
「販売」系は、どうしてもゼロにはできないでしょう、商品の入れ忘れ、渡し忘れ、入れ間違い、みたいなトラブルは・・・・
ちなみにまりこは、「タクシーでお客様の家に届けに行く」を何度もやったそうです。
そしてこういうトラブルはやはり色んな他の系列店でも起こって、場合によっては、電車、バス、はたまた飛行機などでも、「商品の入れ忘れ系のトラブルが起きたら交通費と時間をかけてでもお客様に届けに行く」が基本だったんだそうです。
売ったものの値段よりも、そっちの経費の方が高くつくことなんて、しょっちゅうだったんだとか。
そして、さすがに毎日ではないとはいえ、月に1~2回は起きることだったんだとか。
そんな感じで、まりこからも色んな体験談を聞いて、「ほへ~」と勉強になりました。
たかが、数百円の月見バーガーの、入れ忘れ。
初めて自分の身に起きた、小さなトラブル。
けれども、これをよくよく見ていってみると・・・・
そこには様々な発見があります。
完全には回避できないヒューマンエラーですので、「起こることを前提として、起きたらどう対処するか」みたいなマニュアルが敷かれているはずなんです。
確かに、電話を掛けた時の店員さんの対応はスムーズでした。一度や二度じゃないんでしょう、こんなことは。
僕は、ちょっと困っていたもののそんなに怒ってはいなかったのですが、それでも店員さんの電話越しの態度は、「店側が100%悪い」という感じで、平謝り。
正直、電話をする時、ちょっと迷ったんですよね。
「月見バーガーが1個入ってなかったとどうやって証明したらいいのか。入っていたのに嘘をついているとお店に疑われたらどう対応しようか」
ということを。
でも、そんなの微塵も疑うことなく、入っていなかった商品はどれなのかを、レシート内容と照らし合わせながら丁寧に確認した上で、物凄く謝ってくれました。
なるほど。
その対応も、経験の成せる技なんだろうなぁ。
お客さんを少しでも疑ったら大きなトラブルになる恐れがあるもんなぁ。
それだったら、万が一嘘だったとしてもそれを追及したりなんかせず、「入ってなかった」を完全に信じて対応した方がスムーズだもんなぁ。
そんなふうに・・・・
まぁ、見る人が見れば「そんなの当たり前じゃん」と思うかもしれないことですが、初体験の僕としては、この一連の流れのひとつひとつが、
「なるほど!」
「こうなるのか!」
「さすが大企業ノウハウ」
と、いちいち面白いものに感じられました。
ちなみに、後で再びお店に取りに行った時・・・・
商品を引き渡すカウンターのところで作業をしていた女性に、
「先程電話した林原と申しますが・・・・」
とだけ伝えたところで、
「あ!はい!承知しております!この度は大変申し訳ございませんでした。
こちらで少々お待ちください!」
と、丁寧に近くの席に案内された。
電話対応してくれた男性だけじゃなく、他のスタッフにもちゃんと情報共有がされている・・・・
きっとこういうのも、クレームを大きくしないための対応なんだろう。
いいね。
自分が体験したことが無いものって、なかなか想いを馳せられないものですよね。
飲食店で、店員さんに対して罵声を浴びせる系の人のほとんどが、接客の経験が無い人であるように。
経験してたら、大変さが身に染みて分かるんだから、優しく寛大にもなれるので。
僕も、ファストフードは経験が無かったので・・・・
「入れ忘れられて困ってるお客さんサイド」の立場しか、実感が湧きませんでした。
というかそもそも、今日こうして自分がこのトラブルを体験するまで、「テイクアウトの中に入れ忘れが起きる」ということを、想像する機会自体がありませんでした。
でも、今日せっかくこんな体験ができたので、「気を付けていても入れ忘れは起きてしまうお店サイド」の立場を、こうして良い機会だと思って想像してみると・・・・
まりこの体験談のおかげもあって、色々と学びになったわけです。
こういう発想を、皆さんにもオススメしたいわけです。
何かトラブルに巻き込まれた時、自分にとって不都合が起きた時など・・・・
それが「なぜ」起きてしまったのか。
そして、「どうやって」解決するのか。
自分の立場からだけじゃなくて、相手の立場、企業の立場、色んな立場になってみて、何がどうなっているのかに、考えを巡らしてみると・・・・
とても、面白い学びを得られると思います。
「頼んだはずの月見バーガーが入ってない!!!!」
それは確かに、僕にとってちょっと嫌な出来事でした。
でも、それを「嫌な出来事で終わらせるかどうか」は、僕が選べるのです。
そして僕は、そんなことを良しとはしません。
というか、知的好奇心が先立って仕方ないからね!笑
せっかくの、「経験」の機会じゃないですか。
この「経験」に支払う値段は、「マックまでの往復10分間」という時間でした。
たったそれだけで、Youtubeで面白い動画を観るのと同等かそれ以上の体験ができました。
今日の僕はツイてるなぁ。
そんなふうに思った、夜でした。