入院が楽しみ
年末の駆け込み需要からか、カテも外来も多くかなり疲弊しています。
昨日も緊急の処置が必要ながん患者さんを外来で発見し
(無症状なんですが)
こういうの、oncologic emergencyというんですけど
今治療しなければ、次の手が打てなくなる、そういう患者です。
がんの場合、本人はいたって症状もなく普通でも
がんとしてはかなり進行していることがあり、
昨日は、3日待てないと、外来からそのまま緊急入院していただき
本日無事にカテも実施できました。
完璧な施術です。
ただ、抗癌剤を用いたカテのような治療、全身治療もそうですが、
どんなに完璧に治療が出来ても、それが効くかどうかは別問題。
僕らは、使用した抗癌剤やビーズが一番効く状態に施術をし
後は神様次第です。
ただ、やはり他の施設では治療方法がないと言われている患者さんばかりなので、そういう方が、生きながらえて、笑顔で入退院を繰り返し、その間に海外まで旅行しちゃって、そしてまたカテを繰り返している、そういう人たちをみると、神様はいると確信しています。
ようは、標準治療の常識をひっくり返した患者さんが一定数当科にはいるんですから。
入退院を繰り返している患者さんたちを診ていると面白いですね。
看護師さんたちと仲良くなることはもちろんですが
入院中の空いてる時間にいろんなことをやろうと
いろんなものを持ち込んでます。
中年男性は、お仕事されてる方が多いですね。
女性はいろいろかなあ。正直、そこまでゆっくりとお話しする時間がないので、カテの翌日に、治療内容や今後の方針を10~15分くらい、画像をみれる電子カルテのある詰所で説明したら、リピーターの人たちは、先生、ほら外来の仕事があるでしょ、と送り出してくれます。また5分位ので治療の話をして、あとは雑談もありますね。
大切なのは、どんな治療をしたかではなく、その治療後にどうなったか、治療の結果です。その結果は、基本、次の治療の数日前に、造影CTと採血で実施し、そこで治療方針が固まります。なので、その時の説明はお互いの意思の確認のためにしっかりとしています。
入院中は、主に採血の変動だけの説明なので、まあ、皆さんと病棟で採血どうだったか話した後は、テレビに映ってる芸能人の話をしたり、まあそんな感じで皆さん、楽しく入退院されているのがうちの特徴です。
以前、コロナの流行がひどい時、うちの病棟が一時的にコロナ病棟となり、今までカテしてきた患者さんを他の病棟で管理することがありました。
当然馴れもあるのでしょうけど、皆さん、
「先生、はやく11F(今の病棟)使えないの?
はやくあの病棟に戻りたいよ、看護師さんたちもいい人たちなんだけど
やっぱりいつも対応してくれている11Fの看護師さんにお世話になりたいよ」
と男性女性ともに言います。ほぼ100%でしたね。
まあ、僕も口が悪いので、
なんかさ~、うちの病棟、僕の患者さんたちにめちゃ人気があるみたいだよ、って看護師さんたちに言ってましたね。
それだけ、自慢の病棟です。
来週の火曜日が今年最後のカテになります。
最後の3人は、皆さん、超リピーターでした(笑)
肺転移に16回目、肝転移に10回目と9回目
効かない人には当然続けてないわけで
長期にわたってカテをしている人たちは
基本的に、他の治療法よりもカテの方が有効で
実際に結果が出ていて、長生きしていて元気な方ってわけです。
今度、ある肝転移のカテですが、大台の20回目に突入します。
この方も、最初はベッドから起き上がるのもやっとの方でしたが、
患者さんも(僕も)本当に苦労してここから復活、
今でも治療を笑顔で続けられています。
海外旅行に行けるまでになるとはねえ、僕も驚きましたよ。
カテーテル治療も抗癌剤治療の一種です。
繰り返すことが重要です。
来年もまた、僕の患者さんたち、治療を頑張っていきましょうね。
笑顔が大切ですよ。