くりごはん
[ 多読よみもの 単語レベル:★★やさしい ]
夫とスーパーに行きました。
栗がありました。
「栗ごはん食べたい。
子どものとき、栗をひろって栗ごはんを作ったなぁ」
「へー。どうやって作ったの?」
「栗の皮をむいて、米といっしょに炊くだけ。栗が甘くて、おいしかった」
「へー。栗の皮を自分でむいたの?大変だね」
「・・・でも、食べたいなぁ」
夫はスーパーのかごに栗を入れました。
家に帰りました。
テーブルの上に、栗を置きました。
夫は栗を見ただけでした。
次の日、テーブルの上の栗は、そのままありました。
夜です。
晩ごはんを食べました。
夫は座っています。栗を見ています。
「皮、むこうか・・・」
とうとう、夫はナイフで栗の皮をむき始めました。
「かたい」
「どうやったら、早くむけるだろうか」
「あ、この栗は虫が入っている」
栗の皮をむくのは、大変そうです。
私も手伝います。
「手を切らないように、気をつけて」
「うす皮はピーラーでむいてみよう」
「これは、きれいにむけた」
「栗、まだいっぱいあるね」
ふたり並んで、栗の皮をむきます。
「・・・ねえ、結婚して25年になるけど、初めていっしょに栗の皮をむいたね」
「・・・そうだね」
「ふう!全部むけた!」
「あしたの朝は、栗ごはんが食べられるね」
「・・・誰がご飯を炊く?」
「あ、じゃあ僕が・・・」
次の日の朝、ふたりで炊きたての栗ごはんを食べました。
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