「万物の黎明シリーズ」:エリちゃんと学ぶカナダの歴史
先日、娘にカナダの歴史について尋ねたことを書きました。
私にはもう一人娘がいまして、今年の春にカレッジを卒業予定です。高学歴自慢のおねえちゃんとは全然違うタイプ。カレッジでは個人事業主になるための勉強というかトレーニングを受けています。昨日、うちに来ていたので、歴史面接やってみました。
私:こないだお姉ちゃんにも聞いたんだけど、カナダという国がどうやってできたか教えて?
娘:最初は船に乗ってやってきた。途中で間違ってもうダメかと思ったけど、ちゃんと着いた。
私:(出たよ、必殺主語省略)それは、どこの船の話?
娘:クリストファー・コロンブス。
私:えっ新大陸発見の話?カナダの歴史って、そこから?
娘:船にのって開拓民がやってきて、最初はすごく原住民と仲がよかった。原住民は紙がないから、ワムパムっていう細長いなんかを使って条約を交わした。ワムパム、超重要。フランス人は原住民と仲が良くて、ばんばん結婚してメーティになった。でもイギリス人は違って、インディアン法っていうのができて原住民に意地悪になった。超重要な人がいて、その人はルイ・リエル。でもなんで重要だったか覚えてない。あとカナダの歴史で重要なのは、オカの戦い。
私:オカはかなり最近のことだと思うんだけど…?もうちょっと時代戻っていいかい?
娘:フランス人は原住民と仲よかったんだけど、イギリス人は原住民を迫害した。頭の皮をはいだりした。今フロリダでパイソン蛇を捕まえると政府がお金くれるみたいに、頭の皮をはいでもっていくとお金もらえた。こないだ原住民の頭の皮をはいだやつを売りに出している人がいてニュースになっていた。原住民は人間じゃなくて野蛮人だから何してもいいと思っていて、寄宿学校に入れて1996年まで酷いことをした。原住民にスティーブン・ハーパーが謝ってるとこをみんなでテレビで見た。ジャスティン・トルドーも謝ってて、ハーパーがもう謝ったのになんでもう一度謝るのか、謝ることは大事なことかっていう宿題があった。謝ったところで、寄宿学校で死んだ子供達は戻ってこないんだけど、とりあえず謝るのは大事だって書いた。
この子も7年生の頃は授業がフランス語だったせいか、色々と取りこぼしたり勘違いしてるようです。
しかしキーワード的に要所を押さえているところが偉いね。「パイソン捕獲と頭の皮」とか、激しく思考がとっ散らかっているのは、私に似たんだと思います。
「超重要」事項として「細長いなんか、ワムパム」が出てきたことに感動しました。紙文化のない原住民が、独自の方法でヨーロッパ人と条約を交わした、これはですね、文化の違いを超えた外交、ひいては世界平和への可能性を示唆しているのですよ。
歴史とは、語る人によって全然違う色になる、という実験でした。二人の面接から、語り口は違えど「植民地時代の反省」で筋が通ってる感じはしました。
日本人の皆さんに、今の日本ができた経緯を400字でまとめなさいってお題を出したら、きっと面白いと思います。あなたは「イザナギ・イザナミ」から始めますか?それとも邪馬台国?明治維新?太平洋戦争終戦?